誰が言ったのかはわかりません。席順はみんな仲の良い友達同士で変えたりしていたので席順はあてにならず、みんなショウちゃんが近くにいるか確認し合いました。しかし、ショウちゃんは居ませんでした。
爆睡していた先生も大慌てです。先生は叫びます。

「みんな携帯持ってるやろ!ショウちゃんに連絡とれ!」

うちの学校は携帯持ち込み禁止で修学旅行のしおりにも携帯持ち込み禁止と書いてあります。正直なんだこいつと思いました。
携帯を出す者、出すフリをする者も居ましたがみんな心の中である1つのことを理解してました。

「ショウちゃんの連絡先しらんし」

それを口に出す生徒も居ました。そうです。ショウちゃんの連絡先を誰も知らなかったのです。そうこうしているうちに高速道路も降り、やがて目的地であるステーキハウスに着きました。ステーキハウスではピチピチのお姉さんがコスプレをして接客をしていてステーキもとても美味しかったです。このとき、担任の先生は居ませんでした。なぜならショウちゃんの行方が分かったのです。
目的地につく寸前、先生宛に一報が入りました。ショウちゃんのお母さんからの電話でした。
ショウちゃんは万座毛のお土産屋で保護されているとのこと。すぐさま先生は単身で万座毛へ引き返しました。
翌朝、クラスで集まるとそこにはショウちゃんの姿がありました。みんなはショウちゃんを質問攻めにしました。そこから分かったことを箇条書きにすると
•ショウちゃんは万座毛で1人だけ2周目を回っていた。(みんな1周目で満足したから2周目は回ってない)
•2周目から帰ってくるともうバスは全台居なくなってた。
•携帯持ってきていなかったのでお土産屋のおばちゃんに電話を借りて家に電話した。
•その日の晩ご飯は先生に買ってもらったコンビニのおにぎり2個。
とのこと。
みんな可哀想と思いながら楽しい修学旅行を満喫しました。その後何事もなく帰路につき、学校も卒業しました。
そして、先生にはオトガメはなかったのですがそんな先生は昨年脳梗塞で亡くなりました。多分お酒の飲み過ぎです。