高校の時、マラソンというか長距離走のリレーみたいな大会があった。
たしか高校入学後の最初の全校的イベントで、出場者は各クラスの長距離走上位
20名だった。俺は性格的に、嫌いなことであっても手を抜くということが
できない質だったことに加え、小中で悲惨な実績もあってまさか自分が選ばれる
ことはあるまいという確信があったので、普通に選手選考会に臨んだ。
そうしたら、信じられないことに出場枠最後の20人目にギリギリ滑り込んでしまった。
要するに、俺よりはるかに走るの得意な連中が20人近く手を抜いていたのだった。
本番での顛末は言わずもがな。あの時は実に社会というものを学ぶいい機会だった。