中一男子の小説晒す
プロローグ
「昔、昔も今は今」
昔、昔、令和の時代に、ある1人の男子高校生がおった、またその名を。
桃沢 凛太郎(ももざわ りんたろう)といふ
「っあ〜!兄ちゃん!ここ回線悪いんだけど!」
彼名は「桃沢 悠佑」(ももざわ ゆう)張兆中学校1年生、幼い頃から柔道一筋、凛太郎の弟でもある。
「なんだ悠佑、そんないやならここ奈良県じゃなくて東京行けば?」
彼は「桃沢 凛太郎」 剣道を習っており、今は耶麻高校1年生。去年、張兆中学校で剣道部全国大会準優勝を取っている。 「は?喧嘩売ってんの?」
「非売品だ、」
「なっwwwウザイwww」
「はははっ、なぁ?ばぁちゃん家行く時ぐらいスマホしまいなって、山だから回線繋がんないよ」
そう、今僕達、凛太郎と悠佑は夏休みの終わり。最後の挨拶として、自宅がある街から離れた、山の奥にある祖母の家に向かうため、山道を歩いている。 「大丈夫、自転車乗る時はちゃんと辞めるよ」
「お、おぉ」
(そういう問題じゃないんだけどなぁ……)
「悠佑、上り坂終わったぞ、乗り換えるか」
「ふぅ。疲れたわーちょっと休んでいい?」
「だめだ!早くしないとおいてくぞ〜」
「あっ!ちょい!」
僕は下り坂をロードバイクでブレーキを忘れて降りた。風が自分を切り抜ける。耳に当たる風の音が心地よい音楽の様だ、ただ、それは永遠には続かない、だがしかし下り坂がおわって平面な道に出ても、風の音楽の余韻はなり続ける。
「ふぅ、ふぅ……お兄ちゃん早すぎるって!もうちょっとまってよ!」
「ははっごめんごめん、ついたのしくてさ」
「まぁ、それは僕も同じだけど……」
凛太郎と悠佑はあと少しで祖父母の家に着く、その時だった。 グワァン
空間に黒い穴が空いた。
その中からは黒い何かが出てくる。1..2...5....
ざっと五体、人の3倍はあるであろう体格の何かが出て来た。暗闇から這い出してきたそれが光にあたりよく見えるようになった、それは確かに……大きな角が生えていた……間違いない……鬼…だった
「うわぁぁぁぁぁ!!なんだコイツら!」
「悠佑、落ち着け!……多分僕達にはかないっこない!とにかく、ばぁちゃん家から離すよう逃げるぞ!」
「う……ぅ……うん!」
何故か、悠佑の体は動かない。腰を抜かしているのだろう。
(悠佑がっ!ここは兄として、守らなきゃいけない!)
凛太郎は悠佑の前にでて、悠佑を守ろうとした
鬼が凛太郎に攻撃しようとした瞬間! バシュン!
鬼の首が切れた
ピーヒョロロロロロ
鷹だ、何故か刀をくわえている
「凛!刀を使え!」
凛、僕をそう呼ぶのはじいちゃんだけだ。
「じいちゃん!!」
鷹が刀を落とした。僕はそれを綺麗にキャッチすることが出来た。 (この刀……あの鬼らしき奴を切る事が出来た……なら!この俺の剣術で!)
スゥーー
刀の嶺が、川魚の腹の様に輝き、太陽を反射しているーーーーー
「いざ……参らん。」
シュッバシュ。一瞬のうちに凛太郎は目の前にいる鬼2体の手足をそいだ。
(さっき切られた鬼、首を切れば死んでいたな……)
ババシュッーー
2体の鬼は討ったーーあとはーーただ、一度に残りの鬼を、凛太郎は捌ききれなかった。
(……!悠佑!) 「うぅっ!クソぉぉぉ!!」
ダダダダダダダ
悠佑は、悪あがきをするかのように、鬼に近ずきーー
シュッタッ バゴォォォォォォォン
人間では出せないような動きをし、鬼の頭に空中蹴を決めた。その瞬間。鬼の首は一緒で塵になる勢いで弾け飛んだ。
ただ、
悠佑の後ろには。攻撃の準備ができている残りの鬼がいた……。
「ッッッ悠佑!後ろだァァァァ!!!!」
「ナッ……?!」
ワォォォォォォォン
(あれは……ばぁちゃん家の柴犬!呂久!(ろく))
呂久は鬼の首筋に飛びつき、思いっきり噛み付いた。何故か、鬼の動きは止まった。 今、すぐに動けるのは凛太郎だけ。凛太郎は考える前に動き始めた。
タタタタタッ
ーーーーーーーーシュパン!ーーーーーー
鬼の首は、勢いよく切れた。
周りに鬼の死骸は残っていなかった。さっき切れたばかりの鬼の体も、ボロボロと崩壊し始めている。
バタッ
「「ハァハァハア……なんだったんだ、今の」」
凛太郎と悠佑は腰を抜かし、その場に崩れ落ちた
2人は想像しなかった、この先2人の世界が変わり始めるなんて その時、呂久の頭から尻尾の付け根までパックリと裂け、体毛が裏返しになった。
ピンク色の皮下組織が剥き出しになった呂久は、寒さに震えるように小刻みに揺れている。
「お、おい、呂久ッ!」
凛太郎が叫ぶと呂久は耳障りな声で哭いた。
「ギャギャ・・・」 ーーーーズルッーーーー
裏返しになった呂久の腹部辺りから2本の脚のようなものが生えてきた。 慣れない脚に戸惑う呂久は暫く円を描いて歩き回り、疲れてしまったのかその場にうずくまった。
そしてギョロギョロと血走った目を見開き、足元の砂を掘り出し糞のような物を見つけそれを少しかじり『ギャ・・・』と小さく哭くと下を向いて動かなくなった。