他に行き場所の無い作品を投稿するスレ4
とりあえず書いてはみたものの、一体どのスレに投稿するべきか分からない自作の作品を投下するスレです。
仲間外れの方、空気読めない方で、想像力と妄想力をもてあまし気味の方は是非、こちらのスレへどうぞ。
批判、批評、ご意見はなるべく簡潔に。変に貶したり感情的にならずに優しく見守ってあげましょう。
【過去スレ】
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ3
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281009558/
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ2
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1248339137/
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1223547316/
*** ***
そこはエル=サンクトルの首都、リュミエプールから数十キロ離れた森の中。
薄暗い森に伸びた太い枝に、その死体は吊されていた。
一見、両手首をロープで縛られ吊されてるように見えたが、それは違った。
両手の掌には穴が穿たれ、その中に死体を吊すロープが通されていたのだ。
遺体には着衣がなく、晒された裸身には暴力と陵辱の痕が生々しく刻まれていた。
さらにおぞましいことに死体は腹部を切り裂かれ、内臓を引きずり出されたあげく
秘所にチラシと思しき紙の束をねじ込まれていた。
その背中には刃物で刻まれた傷でこう記されていた。
“民主主義を舐めるなメスブタ”
かつては美しかったであろうその死に顔に張り付く苦悶の表情が、これらの陵虐が
生前に行われたことをまざまざと訴えていた。
無惨な骸に変わり果てた彼女の名はアルテリア=エル=サンクトル。
エル=サンクトル王家の第一王女であった。
王女の死は国中に伝わり、国民の多くが深い悲しみと憤りに包まれた。
若く美しく聡明で心優しい王女はまさにエル=サンクトルの希望の象徴であり、いずれ国の未来を担うはずだった
彼女の死は国中のみならず、周辺諸国にも暗い影を落とした。
無惨な死に様を伏せて執り行われた国葬では、国民のみならず諸国の重鎮たちが弔問に顔を見せ、その中には
王女と婚約を交わし将来を約束していたウィルタリア国の王子もいたという。
国葬からさほど日を置かずして、王女惨殺の犯人、ならびにその一味が逮捕された。
主犯格とされた犯人の名はサイアン・フッド。彼は民主主義の啓蒙家として知られ、たびたび王女に
民主主義について講義していたという。
サイアンを逮捕した治安維持隊は犯行理由をこう結論づけた。
“サイアンは民主主義をネタに王女の関心を惹こうとしたが、一方的に欲望を募らせたあげく、惨殺に至った。
背中に刻んだ暴言と膣内にねじ込まれた民主主義を啓蒙する内容のチラシがその証拠である”と。
異例の早さで裁判が行われ、1ヶ月も待たずしてサイアンとその同士たちは処刑された。
処刑の寸前までサイアンは自身の無実を訴えていたが、誰もその言葉に耳を貸さなかった。
しかしそれが真実だったことは王女惨殺の真犯人たるタレル=モン=サントだけが知っていた。 かくして王女という生け贄を捧げたことで、タレルは痴愚の神を味方につけた。
世間は民主主義をテロリストの教義と信じ込み、国家治安維持隊の指揮官たるタレル=モン=サントは
国王から民主主義者の討伐と根絶を命じられた。
すべてがタレルの思い通りであった。
そしてタレルはさらなる生け贄を狩り始める。この国に民主主義の革命を起こすための捧げものとして───
*** ***
ゴーン……ゴーン……
エル=サンクトルの首都に鎮魂の鐘の音が鳴り響く。
アルテリア王女が亡くなって一年、この日は彼女の一周忌だった。
国民たちは彼女の死を悼み、一斉に黙祷を捧げた。
犯人が処刑されたところで悲しみがなくなるわけでなく、民主主義者は今も市井に潜伏しているという。
民主主義思想の撲滅、それが王女の魂に安らぎをもたらすと、国中の誰もが信じ込んでいた。
ごく一握りの例外を除いては。
「ふぁ…ふぁあああ〜〜」
その少女は心底疲れたと言わんばかりに大きなアクビをした。
「ずいぶんお疲れの様子だねえ」
「まぁね…」
「お店、そんなに忙しいの?よかったら手伝おうか?」
「いいよ、明後日にはエリサさんも帰ってくるし、もう一踏ん張りだから」
「でもあまり無理しないでね、ジュナ」
「わかってる、ありがと」
アクビをした少女を気づかって、友人たちが声をかけてくる。
彼女の名はジュナ=テルモンテ。家が居酒屋で、夜はウェイトレスとして家業を手伝っていた。
そして昼は、国立リュミエプール女学院の生徒として学院に通っていた。友人たちも学院の生徒である。
確かに友人たちの心配どおり、ジュナは疲れていた。
数日前に、一緒に働いていた雇われウェイトレスのエリサが里帰りのために休暇をとったからだ。
エリサがいない分、ジュナが頑張らなくてはならず、普段より疲れるのは当然である。
が、しかし。ジュナは疲労よりもあることに悩まされていた。それは店にやってくる“ある客”のことだった。
「よう、ジュナちゃん、元気してる〜?」
「今日も頑張ってるね〜ウヒヒ」
(また来たよコイツら……)
店に入ってきた男たちを見て、ジュナは心で舌打ちする。
紺地の軍服を着たその男たちは、国家治安維持隊の隊員たちだった。
「はーい、いらっしゃーい♪」
ジュナは忌々しい気持ちを隠しながら、営業スマイルで隊員たちを席に案内した。 終始ニヤニヤと下品なニヤケ面をした隊員たちは、注文を聞いてその場を離れようとしたジュナの尻を
不躾に撫で回してきた。
「ちょっ!やめてよ!」
「おいおいちょっと触っただけだぜ?」
「ジュナちゃんは大げさだなぁ」
ジュナの反応を見てゲラゲラ笑う隊員たちに、彼女の嫌悪感は一気に膨れ上がる。
こんなゲスで気持ち悪い奴らが本当に民主主義者と戦う英雄なのだろうか。ジュナにはとても信じられなかった。
治安維持隊に勤める隊員たちの軍服には左腕に平和の象徴たる白い鳩が、右腕にエル=サンクトルのシンボルがあしらわれ、
世間では彼らを凶悪な民主主義者と日夜戦う正義の味方だと大いにもてはやしていたが、ジュナが知る限りでは
彼らは下品で下劣で卑猥な男どもでしかなかった。
実際、治安維持隊の連中が来始めてからは連日彼女へのセクハラが絶えないのだ。
尻を撫でる、スカートをめくるは当たり前で、酔った勢いで抱きつくわ、トイレの中に入ろうとするわ、
紙幣をちらつかせて夜の相手を要求するわ、キスを迫るわと、とても良識ある人間とは思えない行為の数々に
ジュナの我慢はとっくに限界を越えていた。
ジュナは民主主義者ではないし、民主主義者を直接知らないが、いま彼女を脅かしているのは
間違いなく治安維持隊の連中なのだ。
(もうっ、エリサさんが帰ってきたら私も店休んで遊んでやるんだから!)
店主である父親にバイト代を割増にしてもらって、友達と買い物や食べ歩きをしようと、ジュナは改めて決心した。
「じゃあなー、ジュナちゃーん」
「また来るぜっ、ウヒヒヒヒ」
夜の11時を過ぎて、ようやく最後の客が帰った。
閉店時間は10時なのだが、治安維持隊の連中が居座っていたせいで一時間も遅れたのだ。
(二度と来んなゲロクソ野郎!)
口にこそしないが、ジュナは治安維持隊のことを内心でゴミクズ呼ばわりしている。
まあ、彼らのこれまでの行いからすれば当然なのだが。
客のいなくなった店内を見回して、ジュナはハァ〜〜と、深く溜め息をつく。
これからテーブルの上を片付け、洗いものをし、店内を掃除しなければならないのだ。
父親は明日の仕込みがあるので、ジュナが一人でやるしかない。
「あ〜あ、今日も寝不足だねぇ…」
そんなことをぼやきながら片付けを始めたとき、ジュナはあるテーブルで奇妙なものを見つけた。
それは一枚のチラシだった。
「あれ、ここアイツらが使ってたテーブル…だよね…?」
“アイツら”とは治安維持隊の隊員たちのことである。
一体なんのチラシか、ジュナはテーブルからチラシを拾って見た。
女学院に通っているジュナは当然字が読める。しかし、チラシの内容を読み進めるうちに、ジュナの表情が
みるみる困惑に変わってゆく。
「なんなの…これ……」
チラシに記されていたのは、民主主義の素晴らしさを説き、王政を批判する文章だった。
民主主義とはなんなのか、曖昧な知識しかないジュナだったが、このチラシはヤバいものだと直感で悟った。
でも、どうしてこんなものが治安維持隊のテーブルに置かれていたのか。しばしの間を置いて
彼女なりに考えたあげく、ある結論に達した。
それはあのバカどもが民主主義者から押収した証拠品を忘れていったのだ。間抜けな話だがアイツらなら
ありえないことではない。
いずれ血相を変えて取りにくるだろう、それまでは丁重に保管して奴らに突き返そう、そう思いながら
ジュナがチラシを片付けようとしたその時だった。
バアァァ━━━ン!!!!
「え?!」
突然店のドアを蹴り破って現れたのは、治安維持隊の隊員たちだった。
「た、隊員さん??」
ドアを開けるやいなや、数名の隊員たちが店内に入り込み、驚くジュナを取り押さえた。
「ちょっ、痛い、これなんのマネよ!?」
「黙れ!!とうとうボロを出したな民主主義者のスパイめ!!」
「民主主義!?スパイ!?一体何のこと!?」
「とぼけるな!オマエが持っているそのチラシがその証拠だ!!」
「え…?」
ジュナは手にしているチラシを見た。それは隊員たちが店に忘れたチラシ……のはずだった。
隊員たちはチラシを取りに来たと思ったのに、なぜかチラシを持っていただけで民主主義者にされていた。
訳がわからず混乱するジュナを連行しようとする隊員たち。
と、その彼らの前に髭面の体格の良い男が立ちはだかった。
「おい!お前ら、うちの娘になにしやがる!」
「父さん!」
男はジュナの父親だった。ドアを蹴破る音と店内の騒ぎを聞いて厨房から出てきたのだ。
「どけ、オヤジ。コイツにはスパイの疑いがある。これから本部で調べてやるから邪魔するな!」
「バカも休み休み言えよボケナス!まだ酔っ払ってんのか?」
高圧的な隊長の言葉に父親が罵倒で返した。 「何だと…」
「テメエ誰に向かって言ってんだ!!」
「お前らだよ下っ端さんよ」
「なっ…!」
隊員たちの恫喝に怯むどころか、父親の舌鋒はさらに鋭くなっていった。
「ったく、人が甘い顔してりゃ調子に乗りやがっていいかげんにしろよ。今までジュナに社会勉強をさせるつもりで
知らん振りしてたが、悪ふざけにも限度ってもんがあるだろ。ジュナが民主主義者だと?頭大丈夫か?」
「オマエ…俺たち治安維持隊に逆らうのか…?」
「オレも娘も筋金入りの愛国者だ。アンタらに協力はするが、民主主義者呼ばわりされる謂われは無いな」
「父さん…」
隊員たちを前に一歩も退かず自分を助けようとする父親は頼もしかったが、隊員たちのセクハラを
知ってて放置してたことは後で厳しく追求しよう、とジュナは思った。
「だったらこのチラシはどう説明する?民主主義を啓蒙する内容のチラシをなんでオマエの娘が持ってるんだ?」
「そりゃどっかの民主主義者が忘れたのさ。それを通報しようとしたら治安維持隊サマの早とちりでコレときたもんだ」
「まるで俺たちがマヌケみたいな言い方だなオッサン……」
隊員の一人が怒りも露わに父親を睨んだ。
見た感じは二十代前半だが、自分の二倍も年上であろうジュナの父親への態度には年長者への敬意というものが
まったく感じられなかった。
「さっきも言ったろう、オレと娘は愛国者だ。民主主義者を捕まえるなら協力するぜ。だから娘を離しな」
今なおジュナを拘束している隊員たちに解放を要求する父親。
しかしこれが彼の最期の言葉となった。
「そうか、では今協力してもらおうか」
そう言い終わる前に、父親の前にいた隊長が懐から拳銃を抜いた。
「なに──」
額に当てられた銃口に気づいた瞬間、銃声が炸裂した。
「父さん??!!」
ジュナの目の前で父親が膝から崩れ落ちた。
床に倒れた父親の額から血と脳漿が流れ出し、赤く広がってゆく。
「チッ、ウザいんだよクソオヤジが!」
「マズいメシと酒なんか出してデカいツラすんじゃねーよ!」
若い隊員たちが悪態を吐きながら父親の亡骸に唾をかけた。
「ああ 父さん 父さん 返事してよ、ねぇ父さん、父さん──」
「連れていけ」
突然の父親の死に取り乱すジュナを、隊員たちが連行していく。
店の外では治安維持隊の囚人護送車が待機していた。
「嫌ああああ!!父さん!!父さあああん!!」
隊員たちが泣き叫ぶジュナを連行席に押し込むと、囚人護送車はエンジンをふかして走りさった。
後に残されたのは、壊れたドアと散らかったままの店内、そして店の主の死体であった。
「よし、民主主義者2名発見、うち一人は抵抗したため射殺、うち一人を確保、っと…」
護送車の助手席にて、ジュナを連行した隊員が報告書を書いていた。
「まあ何はともあれノルマ達成できてよかったぜ」
「ああ、最近はホンモノを捜すのも一苦労だからな、こうやってポイント稼がないとな」
「まったく、俺たちのために民主主義者の汚名を着るなんて愛国者の鑑だぜ」
「言えてるw」
罪の無い父娘を罪人に仕立てたことを、運転手と助手席の隊員たちはさも愉快そうに話していた。
彼らの表情からは悪事への後ろめたさなど全く感じられず、むしろ誇らしげに思っているようでもあった。
しかも話の内容から察すれば、民主主義者をでっち上げるのはこれが初めてではないのだ。
「ああ早く本部に着かないかな、あの孝行娘を尋問するのが楽しみだ」
「おい、こないだ逮捕した一家の長女はどうしたよ?」
「アイツか?もう壊れたし臭いし飽きたよ」
「ホントはボテ腹が嫌だったんだろ?」
「どうでもいいよ、もう新しいメスブタが入ったんだからそいつで遊ぶんだから」
「ひでえな、弟や妹たちを助けるためにさんざん言いなりになったのによw」
「民主主義者と約束とかするわけないだろ、バカバカしい。それにどのみちみんな処刑されるんだから意味ないし」
「民主主義者、か。たまたま拾ったチラシを読んだだけで人生終わるなんて普通思わないよなぁw」
「だが俺たちが民主主義者だと決めたらそいつは民主主義者なんだ。俺たちの判断は絶対だ」
「あー治安維持隊に入ってよかったぜ!何より民主主義者に疑われなくてすむからな!」
「本当になw」
「ハハハハw」
隊員たちの会話はどう考えても人の心を持つ者の会話ではなかった。
しかしその会話はジュナには聞こえなかった。
(父さん…私これからどうなるの…?)
揺れる車内にて、亡き父親を思いながら涙に暮れるジュナ。
平和だった日常は壊され、得体の知れない不安と恐怖が彼女にのしかかる。
この先で彼女を待つのは、人間の尊厳と自由を否定するおぞましき地獄であった───
(続く)
有名な民主主義者が処刑されたとき、私は地獄に落ちろと思った。
ヤツが王女を殺したからだ。
民主主義者が逮捕されるたび、私はいい気分になった。
私が愛国者であると実感できたからだ。
民主主義者の女性たちが公開処刑されるとき、私も見物していた。
全裸で行進させられた彼女たちは最高のオカズになった。
革命が起こったとき、私は民衆とともに拳を振りかざしていた。
これからは民主主義の時代だと思ったからだ。
国名がエル=サンクトルからエル=モンサントに変わったとき、私は逮捕された。
私の告発で多くの民主主義者が処刑されたのがバレたからだ。
(カンタレラ監獄にて囚人が記した落書きより)
*** ***
今日も目の覚めるような青空だった。
朝の澄み切った空気に、柔らかな日差し、昨日と変わらない平和な1日の始まり。
だが、この日は昨日とは明らかに何かが違っていた。
「いってきまーす!」
弾むような明るい声を上げて、少女は駆け出した。
身に纏う清楚なデザインの制服は国立リュミエプール女学院の生徒の証であった。
「おはようございまーす!」
「おはよう」
「おはよう、ミア」
「今日も元気だね、ミア!」
通学がてら、少女は道行く人々と挨拶をかわした。
この近辺の住民で少女を知らないものはいない。彼女の名はミア=エッセンと言う。
いつもの通学路、いつもの通り道、何事もなく進んでいたミアだったが、やがてその異変に気づいた。
「あれ、確かあそこは…」
通学路に入っている大通りの、飲食店が軒を並べている一角に人だかりができていたのだ。
「ここ、夕暮れ亭じゃない……どうしたのかな…?」
人だかりの向こうに見える看板には【夕暮れ亭】と記されており、そこはジュナの父親が経営する居酒屋だった。
「あの、すみません、」
ミアは人だかりの外側にいる一人の男に声をかけた。
「ん?学生さん?」
「はい、ちょっと聞きたいんですけど、ここで何かあったんですか?」
「君はあの店のことを知っているのかい?」
「はい、友達の父親がやっている店なんです」
「何だって…こりゃ言っていいのかな……」
「え…?それってどういうことですか?」
怪訝に思うミアに、男はためらいがちに答えた。
「……ゆうべ、ここのオヤジさんが殺されたんだ……」 「──え?」
信じられないと言いたげなミアに、男は話を続けた。
「最後の客が帰ったあとに殺されたらしい。今朝、取引先の業者が店に来たら
死んでいたオヤジを見つけたんだってさ…」
「そんな…!そ、それでジュナはどうしたんですか!?」
「ジュナ?」
「殺害されたオヤジさんの娘です!!彼女も店にいたはずなんです!!彼女は無事なんですか!?どうなんですか!?」
血相を変えて問い質すミアに面食らいながらも、男はなんとか答えた。
「悪いが、その娘がどうなったかはわからない。君の言うことが本当なら
その娘も殺されてたかもしれないけど、店にはオヤジの死体だけしかなかったそうだ」
「じゃあジュナは…」
「それはあいつらが調べてくれるさ」
男が視線を向けた先には、現場検証を行っている警官と治安維持隊の隊員たちの姿があった。
「なんで治安維持隊の人たちが…」
「さあね。ただ、数日前からあの店にやたら顔を出すようになったんだ。だけどさ…」
話をしていた男が言葉を濁した。
「ジュナって子、あの店のウェイトレスなんだっけ?」
「はい、ここ数日はジュナが一人でやっていたはずなんです…それが何か?」
「そうか……これは女の子には話しにくいことなんだが…」
「構いません!ジュナのことで知ってることなら何でも教えて下さい!友達なんです!」
「……実はさ、その子、治安維持隊のヤツらからセクハラされてたんだ」
「セクハラ…?」
「ああ。居酒屋じゃ酔っ払った客がウェイトレスにちょっかいを出すことはよくあることなんだ。
だけど、アイツらはやり過ぎっていうか、その、ちょっかいどころじゃなかったんだよ」
「ジュナは…何をされたんですか…?」
「俺が知る限りじゃ、抱きつかれたり、胸を揉まれたり、尻触られたり、あと……パンツ下ろされたり」
「なにそれ…セクハラどころか犯罪じゃない!!一体何考えてるんですか!!」
「おい、俺に怒るなよ!」
激昂して食ってかかるミアを、男が諌める。
その様子を何人かの野次馬がチラチラと見ていた。
「と、とにかく、事件と関係あるかはわからないけど、治安維持隊とジュナって子にはそういうことがあったんだ。
だけどこの事件に首を突っ込むってことはやはり“アレ”が関係してるのかもな…」
「……」
男は明言を避けたが、“アレ”が民主主義者のことなのはミアにも理解できた。 「俺が話せるのはこれくらいだ。後は彼女の無事を祈るしかない」
「そうですね…」
父親を殺され行方の知れない友人を思い、ミアの胸は痛んだ。
「み、見ず知らずの方にいきなり尋ねてすみませんでした、色々話していただき、ありがとうございます!」
「いいよ、友達が心配なら仕方ないさ」
慌てて謝辞を述べるミアに、男は気にするなと言外で告げた。
「では、これで失礼します!」
ミアは男に一礼してその場を立ち去った。
「君も気をつけて」
立ち去るミアの背中に男が声をかける。
リュミエプール女学院の制服を着た少女の背中は、守りたくもあり邪な衝動を抱かせる魅力をも感じさせた。
「ほら、あの男ですよ」
ミアと話していた男を、物陰から何者かが指差していた。
「アイツ、女学生に治安維持隊の悪口を言いふらしてたんですよ。セクハラしてたとかなんとか」
「ふーん」
「女の子に近づきたいからって、人の不幸をダシにして好き勝手言うなんて人間のクズですよ、まるで民主主義者だ」
「まったくそうだな、」
「私はね、ああいう輩が許せないんですよ。ですから隊長さん、民主主義からいたいけな女学生を
守るためにもあんなヤツをガンガン取り締まってくださいよ!!頼みますよ!?」
冴えない風貌の中年男は、目の前の現場隊長に熱心に訴えた。
「ああ、わかってる。不審者情報の提供、ご苦労だったな」
「いえいえ、これも愛国者の義務ですから」
「これからも不審なヤツを見かけたら何時でも通報しろよ」
「ハイ!か弱い女性を民主主義から守るためならよろこんで頑張ります!」
(何が守るだ、単にあの野郎がうらやましかっただけだろ)
中年男の言葉を隊長は内心蔑みながら聞いていた。
そもそもこの中年男も事件現場を見物に来た野次馬の一人にすぎないのだ。
不審者がいると聞いて、コソコソ隠れて見せられたのは、女学生にサヨナラしていた若い男の姿だった。
民主主義者とか関係ないだろと思ったが、中年男が聞いたという二人の会話が妙に具体的なのが気になった。
(女学生相手とはいえ、大っぴらに俺たちの批判をするとか、やはり怪しいな)
男がミアに語ったセクハラのことは事実なのだが、治安維持隊を悪し様に言うことは公然のタブーであった。
聞かされたミアも、愛国者なら治安維持隊がセクハラをしたなんて話は否定あるいは通報すべきだったのだ。 「もしかしたら“ホンモノ”かもな…」
「ハイ?」
隊長のつぶやいた言葉に、中年男が首を傾げる。
「俺は公務に戻る。お前もう帰れ」
ワケがわからない中年男をほったらかして、現場隊長はその場を後にした。
首都リュミエプールから車で一時間ほど行ったその場所に、そこは存在した。
4メートルほどの塀に囲まれた広大な敷地に、威圧感たっぷりにそびえ立つ縦長方形の建物。
それこそ民主主義者からエル=サンクトルを守る国立治安維持隊の本部であり、この中には
国中から検挙された“民主主義者”が数多く収監されていた。
「オラ起きろよ、この売女!!」
罵声とともに大量の水を浴びせられ、少女が身じろぎする。
「うぅ…あぅ……」
「ケッ、今度はか弱いアピールかよバーカ!」
「もうテメエの糞演技にはだまされないぞ、覚悟しろよジュナ!」
「この民主主義者め、俺たちを騙したことを後悔させてやる!」
少女を囲み、次々と心無い言葉を浴びせる隊員たち。
ずぶ濡れの少女は暴行に打ちのめされた身体を縮こませながら、更なる暴力の予感に怯えていた。
逮捕されたジュナが治安維持隊本部に到着したのは日付が変わってすぐだった。
囚人護送車から降ろされ、引きずられるように尋問室へ連行されたジュナは自身の身の潔白を訴え、
なぜ父親を殺したのかを隊員たちに問いただした。その彼女への答えはなんと集団リンチだった。
十数名の隊員たちはジュナを取り囲むと、暴言を吐きながら拳や蹴りを、容赦なく彼女の身体に叩き込んだ。
「オマエ民主主義者なんだってな、このクソアマ!」
「よくも俺たちを騙したな!許さねえぞ!」
「マズいメシと酒に払った金返せバカヤロー!!」
「その顔でどれだけの男をたぶらかしたんだ!?それとも身体で誘ったのか!?」
「こんなメスブタが通ってたなんて女学院の恥曝しだぜ!!」
「ケツ触ったくらいでギャアギャアわめきやがってカマトトぶってんじゃねぇよ!!」
「何とか言えよこの民主主義者!!」
父親に似て気が強く男勝りな性格のジュナだったが、怒り狂った男たちには全く無力だった。
彼女が着ていたのは動きやすいようにアレンジされたウェイトレスの衣装だったが、そんな格好の少女を
隊員たちは寄って集って殴り蹴り叩き、引きずり回し、言葉と腕力で散々に痛めつけた。 暴行に加わっていた隊員たちは皆、夕暮れ亭の常連であり、ジュナにセクハラをしていた連中だった。
ジュナが内心で蔑み罵っていた彼らだったが、もう目尻を下げ鼻の下を伸ばしたイヤらしい表情ではなく、
怒気をみなぎらせた悪鬼の形相でジュナに暴力を振るっていた。
全身を苦痛に苛まれ、のしかかる疲労に打ちのめされ、ジュナはいつしか気を失った───
*** ***
『あ…』
ジュナが目覚めたのは自宅のベッドだった。
起きてリビングに行くと、父親が朝食を準備し終えたところだった。
『昨日は大変だったな、ジュナ。メシの支度なら終わったぞ』
『父さん…生きてたんだ…!』
『はぁ?なに言ってんだお前。まだ寝ぼけてるのか??』
『そうだね、あんなこと、夢に決まってるよね…』
『とっとと顔洗ってメシにしろ。そうすりゃ目も覚めるさ』
『うん、そうする…』
洗面台の前に立ち、ジュナは涙をぬぐった。
(そうだよ、あんなこと夢なんだ、父さんが死ぬなんてありえないよ)
あまりに生々しいばかりに現実と混同したが、あれはやはり夢だった、ジュナはホッと胸をなで下ろした。
そして蛇口のレバーを回したその時である。
『あれ?』
なぜか蛇口から水が出なかった。
『ちょっ、どうしたの?』
レバーをいくら動かしても、水が出ない。
水道がまた壊れたのか、父親を呼ぼうとした寸前、ジュナはあることに気づいた。
音が、しないのだ。
父親とは会話はしたがそれ以外の、足音も、布擦れも、レバーを回す音も、吐息さえも聞こえない。
『どういうことよ…』
おののくジュナの視線が洗面台の鏡を向いた瞬間、そこにおぞましきモノが映っていた。
それはボロボロのウェイトレスの衣装を着たジュナの姿だった。
『うそ、うそうそ、こんなの違う、あんなの現実じゃない!』
うろたえながら後退りするジュナ、するとその目の前で、洗面台の蛇口が
弾け飛び、溢れ出した大量の水が彼女を襲った───
*** ***
「あああ」
怯えた眼差しが宙を泳ぐ。
そこはベッドではなくコンクリートの固く冷たい床であり、腕や脚にその感覚が残っているのは
そこに横たわっていたからだ。
目の前で隊員たちがニヤニヤとこっちを見ている。
「たすけて」
かすれた声がつぶやく。
「たすけて、父さん──」 「ハァ?なに言ってんだオマエ?まだ寝ぼけてんのか??」
「こりゃキツいお仕置きが必要だな、そうすりゃ目も覚めるさ」
隊員たちはそんなことを言いながら、ジュナを再び取り囲んだ。
「いやああああ!!嫌ああああ!!父さん!!父さん!!父さん!!」
「テメエのオヤジはくたばっただろうがボケェ!!」
「俺たちに楯突いたのが悪いんだぜ!!恨むならバカなオヤジを恨めよ!!」
「テメエが民主主義者だからこうなったんだよ!!反省しろバカ女!!」
「うああああああ━━!!もうやめてえええええ━━!!!!」
恐怖に怯え、泣き叫ぶ、か弱い少女を隊員たちの非情な暴力が襲う。
それは義憤でも復讐でもない、下劣な欲情から生じた悪意ある行為。
それは彼らの義務であり、職務であり、特権であり、愉しみなのだ。
そもそもジュナが連行されるきっかけとなったチラシは隊員たちがわざと置いていったのだ。
彼らはジュナがチラシを拾うのを見越してその場を立ち去り、タイミングを見計らって店内に突入したのだ。
仮にジュナではなくオヤジがチラシを拾ってたとしても、その時は速やかにオヤジを始末してジュナを連行するだけである。
この計りごとは隊員たちの勝手で行ったわけでなく、彼らをまとめる現場隊長の指示によるものだが、正しいことなのか
どうかなど隊員たちにはどうでもいいことであり、居酒屋の看板娘でリュミエプール女学院に通っている美少女に
民主主義者のレッテルを貼ることで好き放題できるのだから、こんな任務はむしろ願ったり叶ったりであった。
よくよく考えればジュナ連行の流れは素人の思いついた三文芝居じみていたが、治安維持隊という権威は
そんな稚拙なシナリオすら疑わせることなく無実の少女を罪人に仕立てあげ、その父親はなすすべもなく死んだ。
この陳腐な茶番劇はこのあと幾度どなく行われ、偽りの罪人たちは悉く痴愚なる神の生け贄に捧げられたのだった。
「おい、やってるか?」
「あ、隊長」
尋問室に入ってきたのは、隊員たちを指揮する現場隊長であった。
「あの娘、ピーピー泣いておとーさーんとか言ってんですよ、マジ笑えるw」
「それより、まだ犯していないだろうな」
「ええ、今んとこ殴る蹴るで済ましてますが…」
「じゃあそろそろ本番といこうか」
隊長の悪意に満ちた笑顔が、更なる地獄の始まりを、告げた。
(続く) ここ成人向け板じゃないからそっちの表現がメインなら投下する板は選んでね pink板は停止中。たぶん無くなる。もう投下できる板もスレも無いだろう。
だからといってここに落とすべきではなかった。今さらスマンコ。 自分の勘違いでpink板は生きていた。すまんかった。今度こそさようなら。 うん、だよね。私が確認したときは板生きてたからなんでここで?とは思ったんだけどw \ | /
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__[//____(゚_//[ ].゚Д゚,,) || _ \__ < 両親の命が惜しくば削除しろや
lロ|=☆= |ロロ゚|■■|■■∪愛恥犬■■|| \__________
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https://youtu.be/WQEigbOY5WE?t=10m29s 「きゃぁぁぁあ!痴漢!」
満員電車に女性の悲鳴が響き渡る。
「わ、私はやってない!」
中年男性は反論するもあえなく連行されてしまう。
「あ、ありがとうございます(涙)」
有花は涙ぐみ、かつ上目遣いで警察と駅員に頭を下げるのだった。
「(やった、今回の獲物は高そうなスーツを着ている。示談金たっぷり取れそう!)」
有花は無実の男性を数えきれないほど警察に突きだし手に入れた示談金は億単位、刑務所にお勤めをしている人も大勢いるのだった。
「(あれ、このおばさん、この間も痴漢をつきだしていたような・・・)」
しかし、あまりにも痴漢を突きだしているのでこんな風に思う人もいたのだった。
「(しかしこのおばさん、やたらと若づくりで露出度も高い。どう見ても痴漢してほしい風にしか見えない。もしかしてハニトラ?)」
そう思った瞬間、その人は強烈なめまいに襲われて、次の瞬間特急が通過するホームに転落するのだった。有花に疑問に思う人は粛清される。それが日常だった。
「(構内放送)ただいま、人身事故の影響でダイヤが大幅に乱れています。振替輸送は・・・」
混乱する駅員や乗客を尻目に有花は示談金などを元手に開いたサロンに向かうのだった。 「今は朝8時、今日の営業は午後からだから少し寝れる。」
満員電車に乗る必要が無いのにわざわざ満員電車乗るのはもちろん痴漢から示談金をとるためである。そして少しでも時間に余裕があったら寝るのは後述するが夜な夜な立ちんぼするからだった。
そして有花がサロンを開いた理由。それはサロンに通いつめる女性は美意識が高い。それを利用して客から施術と同時に美のエキスを吸収するのである。
基本的に有花のサロンは予約制だがあまり綺麗でなくかつ金持ちそうでない客は予約がいっぱいという理由で断り、綺麗な客には営業時間外でも予約を受け入れたり(営業時間外は応相談とある)次回割引になるチケットを渡すのだった。
この日、有花は営業時間外にお笑い芸人の施術をしたあと繁華街に向かうのだった。
お笑い芸人は別に綺麗でなかったが芸能界にいるだけあって女優やモデルの知り合いがおり単なる美人よりもはるかに重要な客だった。
そして有花が繁華街に向かう理由、それは・・・ それは知らない男とセックスして心身ともに満たされるためで美のエキスよりも重要で美のエキスを吸収するのは同性に嫌われるのを防ぐためだった。
過去に有花は芸能活動をしていたのだが男のファンしかおらず愛人だの枕営業だの叩かれまくっていたのだった。
まあ、実際に社長の愛人だったし各方面に枕営業していたのは事実なのだが。
その後一番のスポンサーの息子(知的障害)との結婚が決まりどっちが父親かわからない子供(父子以外が父親の可能性もある)を妊娠したのを機に引退してネイルやエステの講習を受けて生まれてはじめてまともに勉強したのだった。
その甲斐あって資格を取得して二人目の出産後遂にサロンを開いたのだった。
その間も明らかにお腹の大きい時以外は枕営業や売春をしていたのだった。え、いつ育児をしているのかって?それは姑や実母に育児を押し付けているからであって有花は子宮と母乳ぐらいしか与えておらずおしめ変えすら数えるほどしかしたことがなかった。
姑は知的障害の息子と結婚してくれたことだけでありがたいと思い何も言えなかった。実母に至っては有花の命令で熟女AVに出るほどだったので何も言えなかった。
子供は上が娘で下が息子なのだが娘は幼稚園児には見えないほど身長が高く大人びているが(有花も小学校の頃まで一番後ろだった)顔が段々整形前の自分に似てきたため恐怖に怯え、
息子は娘ほどではないが身長が高かったがそれと反比例するような知能で今から普通学級に行けるかの心配をしているがその一方で間違いなく旦那の子供であると安心しているのである。 __
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ト、_,ノ ! ヘ `ヽ_ノ
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てニ=- __ >l '‐=ー | <´__ -=ニフ
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゙ー--‐' 家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。
グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"
C717PZBOVI ある男性が不良にからまれていた。
「オレ様はよ、すごいんだぜ」
そこへたまたま母親と、男の子の親子連れが通りかかった。
「ボク様〜!、ボク様〜!ボク様はよ、すごいんだじぇ。ボク様〜!」
男の子は言った。
不良がその男の子をちらっと見た。
「こら、真似しちゃいけません!」
いやいや、真似になってないと思うぞ。
「ボク様〜!、ボク様〜!」
いやいや、なんかすごいなこの男の子。
すると、その隙を見て、からまれていた男性がダッシュして逃げていった。
「あ!おい、ちょっと、まて」
不意をつかれた不良は、追いかけることができなかった。
しばらくしてから怖い顔をして男の子を振り返った。、
「ガキぜ。どうしてくれるんぜ」
その不良は言った。
「ガキじゃない、ボク様〜!、ボク様〜!」
「こら、真似しちゃいけません!」
この状況で2回言うとまずいと思うんだ。 その不良は、母親をにらみつけた。
「!!・・・・ガキのしつけくらいちゃんとしとけ!!」
と言い、案の定、不良が迫ってきた。
「あらまあ、やだ」
この奥様も少しズレてるような。
しかしまずいぞこの状況。
不良は、間近で母親と男の子を交互に鋭い目でにらみつけている。
今にも何かが起こりそうだ。
助けに入るか、いや、しかしその前に電話して・・・と、携帯を取り出そうとした時、
さっきの男性が戻ってきて、こういった。
「パン買って来ました」
一堂、しばらくあっけに取られていた。そして・・・
「なに。オレパンなんか買って来いって言ったっけ?まあ、いいや、くれるもんならもらっとくぜ・・・」
と、パンを受け取るとそのまま去っていた。
しばらくして母親が、
「ありがとうございました。」と頭を下げた。
男性も「いや〜」と手を頭の後ろに手をやり照れている。
いやいや、これどっちがどっちを助けたの、どっち?
何かよく分からないままだったが、とりあえず、大事にはならなかったようである。 「オレは王だ」
私の友人、LLが、突然ふざけたことを言い始めた。
「オレは王なんだ。全員ひれ伏せ」
今は2人しかいないが、とりあえずのってやった。
「はは〜!王様。どうか領地を増やしてくださいませ」
「おう、領地か・・・・・今は空きがないが、空きができたら必ず与えると約束しよう」
「はは〜!ありがたき幸せ」
「それより、オレは散策に出かけるぞ。ついてくるんだ」
「はは〜」
そして私とLLは、部屋の外に出かけた。
そしてLLは、そこらじゅうの人々に、「オレは王だ」とか、「オレは王なんでひれ伏せとか」
とか言って回っていった。
さすがに私は、片手で頭を抱えながら歩いた。
もちろん、声をかけられた人はみな、無視していった。 しばらくして見ると、歩いた先に3歳くらいの子供がいた。
LLはその子供に近づき、「オレは王なんでひれ伏すといいぞ」と言った。
さすがに「おい!やりすぎだぞ。」
と私は言って、LLを後ろから抱え込み、引き離そうとした。よく見ると近くに母親が
いたため「すいません」といって、引きずるようにして、移動していった。
元いた部屋に帰った。
LLはしばらく考え込んでいたが、
「今回の件でわかったことがある・・・オレは王じゃない」
と言った。
「・・・」
私は何も言うことがなかった。
「しかし、あきらめないぞ」
「そ、そうだよな。何事もすぐにあきらめることはないよな。たぶん」
そして、LLはハイタッチの格好をした。
仕方なく私はハイタッチした。
なんだ、これは。 知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』
UQQPT LLが王になってはや一ヶ月、LLは、恒例の会見をしていた。
「ええー、今日は午前○○時○○分に、○○を行い・・・・・」
と言った具合である。
ちなみに私は、相談役として、王に近くに常にいることになっていた。
「・・・で、あって・・・今日は、以上である」
会見が終わったようだ。
しかしその3時間後、大規模な反乱が起こることになるとは(少なくとも王は)夢にも思わなかった。
「何事だ?」
「デモ隊が王宮に入ってきております」
窓から見ると、
「王はどこだー!」
「王を拘束しろー!」
と言った声が聞こえ、多数のデモ隊が乱入してきている。
もはや、間近に迫っている。
「いったい、わしが何をしたというんじゃ。なぜわしが拘束されねばならんのじゃ」
なぜか話し方が変わってる王を無視し、われわれは、王を助けるべき奔走した。
しかし、一時は王のいる間までデモ隊が乱入してきた。
そこで、銃のようなものを持った若者が(王が以前恩を売っておいた)近衛隊に押されながらも
私に銃を向けていた。
「よけろー!!」
王は言った。
よけることはできないが、とりあえず身をかがめた。 幸いにも近衛隊のおかで、デモ隊を押し返すことに成功した。
その後のことは、ごたごたの中の会話は聞き取れた。
「う」
「く」
「転がれー!」
「なんだ」
「まあ、あれだ」
「あれ?ここのカギってどこにあったっけ?」
「これを、動かしてもらえませんか?」
「おっと」
という具合で、何とかデモ隊の活動を抑えることができたが、またいつやってくるかはわからない。
というか、その直後に政権交代を余儀なくされた。
呆然の状態のわれわれだが、助かっただけでも良しと思うしかなかった。
しかしLLは、「こうなったら新政党をつくり、私が党首になる」と言った。
自信だけは尊敬するんだが・・・・・そもそも王になりたいと言った人物が支持が得られるかどうかであった。 中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね
FPS ・挑発する病人
俺のスタイルは余裕だった。図体もでかく、常に優位に立っていると思っている。
仮に本心がそうじゃなくとも、いつも精神的に優位な存在としていると思っている。
その保証のために他人が必要だ。試合でも、敗者がいるから常に安心してきた。
でもそれも不安定に成りつつある。 自分が優位なのに、相手が焦ってくるのが
嬉しい。例えば圧勝している試合。大差がついてもう決着がついてるのに相手が
必死で戦う姿。 僕はいっつも馬鹿にしてたし、その状態を同僚と大喜びして
からかえるのが好きだった。 どこか、頭ののろまな僕がからかえる、そんな
心境。 大差のついたマラソン。 送れて走ってくる奴は馬鹿だ。 ドンビリの
奴を「がんばれー!」って。 『なにが頑張れだ』ずーっと思ってた。 口に出すの
恐い? のろまなバーカ、 ってデブ、ブタによくいってたな。
そんな僕は医学部に行った同級生に『スポーツによる不安障害』といわれる。
優位を確認しないと、生きていけないらしい。 気付いたら、昨日も
20年前の知り合いの家の前にいた。 そのデブがいい快感を与えてくれるんだ。
・周りと意見が一致してないと怖い
「それ何何・・・?」 今日も周りの意見が気になる。少々の事で友達で
いてもらえなくなる。怖い。 勝利の保証がないと怖い。 今は政治制度で
大多数の方が有利らしい。 別に強くたって! ちょっと前は強さに憧れてた
けど、最近は多さだ。
とあるブームのさなか、僕はそのまっただなかにいた。他人の言い分なんて
妬みややっかみだ。 今でもそう思う。 他人がなに言おうとへっちゃらだった。
そんな僕が仲間はずれにされる日が来る。 知らない奴の意見が、主導になっていた。
そんな不安な僕を確実に守ってくれる小集団はできた。しかし・・・ 再来が不安だ。
今日も職場で陰口を言われた。それにすぐ噛み付いた。
「それ、全体でゆーてん!?」
へっへ。やっぱ強大な力に潰されたり、周囲に受け入れられない陰口じゃないか。
そんな僕に与えられたのは『判断能力欠如症』という病名。さっきの先生が
つけてくれたんだ。なんでも自分に善悪の判断基準がなく、周りが
悪いことをやっても同調してやってしまったらしい。(中略)
でも、これで権威による裏づけがあるから安心の毎日だね! ・文章能力の過信障害
何かに取り付かれたように自分の判断基準に力があるように感じ、
それを周囲に示したがる。 自分を信仰させるため、しかし社会面で
適合しないため、法律をこじつけた。
ブツブツ、妖力を信じているようで気味が悪い感じだった。 ・しがみつづけるドロップアウター
僕は高校中退で、そのあたりまでは競争についていっていた。(本人はそう思っていた)
陽気で勝った僕を周囲に認めさせるわけにはいかない。
とっくに公式の争いから負けてると気付いたとき、僕はあらゆる
必死さを発揮した。 「最後まであきらめない執着力!」僕はそう
信じて動いてきたし、それ以外ないものと思っている(擬似の客観性の存在、この辺りから
競争の考え方が捻じ曲がっていくものとなる)
正式な競争から 落ちてしまったときこうやれば 上回れるんだ!
就職で負けてから、ずっとそいつを追ってる。
−卑怯な手口を使っていたようだが、途中で通院をやめ、記録はここまでとなる。
単一的な手法のみで勝てるというテレビが提供した勝利法(原因はほかにも
考えられるが、自説とは異なった論だった)等が原因だったのではないかと
思える。
現代はテレビ業界も反省しており、目標や報酬を高く設定しすぎた
ことが問題であり、丁重な扱いをする事をやめているという。
・穏やかな状態を見ると喧騒を煽らずにはいられない
文を大人しく呼んでいる人はいいんですか!?
書面上の争いなら穏やかで怪我もしないし、人を傷つけないからいいですか!?
うぁああああぃ。
全くの天然素材。医者を信じない。 悪くないと思う。
争っちまえぇ!!
やり合わないなんて 卑怯!
そんなんで 何が勝ち取れるって言うんだ!
獣は体を張って得るもの、 果実も日々の土作業で得るもの
同じ結果になるのも 許せない! 穏やかに書面だけで勝ちあがっていく・・・?
だから性格も大人しくて 社会も乱さない!?
僕らは勉強してなかったから 注意を受けたり罰を受けて
みじめな立場になったっていうのか!!?
あんたのだって 争い
人に対して 傷付ける意図があるんじゃないか!!
うわああああああい
理由はいわないって これでごちゃごちゃに
できるって 思うんだ! Fラン大卒の精神世界での成人生活
運動に負けた。でもあいつには勝ってる。ゲームで負けた。小学生を
相手にしてスカッとしよう。学歴で負けた。だけど高卒よりマシ。
子供の頃の同級生がいい学歴で会えっこない。
いいことを思い付いた。Fランの俺って賢くなった。
体格では別集団だった。 こうしておけば
その人間には勝った事になる。避けられてるのは
俺じゃなく、相手なんだ。
笑って見下してきた児童期。
そんな事があからさまに回りにばれてるんじゃないかと思うと、
幻覚から逃げてるようだった。 NH●特番 「笑いに半生(10年)を賭した男」
・聖地 OF 笑い ダウンタウンは亜流
・西の首都、 大阪
・都構想 大阪
「わあっ! 笑いとるって素敵ー」
男の声援で、彼は名誉をも捨て嬉しそうだ。彼は笑顔が好きである。
人を喜ばすことが不幸な人の幸せに繋がると思っている。
大阪を裏切ってまで、兵庫の田舎区で当選した。
田舎では人気を博す笑いだった。
ある日、「笑いをとらな殺すぞ!」と暴力団系の手紙が来た。
彼は必死で喋りまくり、迷惑で捕まった。
地方紙にのる、『お笑い疑獄事件』である。
ある日、簡単に弱いものとして処置された。
地方のものなんて簡単に社会抹殺できるのだ。
■日本社会内でも差別的に人を抹殺するという、
残酷さを表している鋭い視点から社会を非難した
●●作品といえます。日本の闇に光を当てる事で、
相当焦った大人もいたのではないでしょうか。 ・笑いの聖地 大阪 ダウンタウンは亜流 (BY ME)
・西の首都、 大阪 (BY 桂三枝)
・都構想 大阪 (BY ???)
大阪 お笑い三段活用
意味を間違えてまでお笑いにもっていくという、
作者の深い意味が読み取れますね。 疑獄とは
賄賂なんですが、あえて自らもお笑いに投じる事で、
登場人物というより自らもお笑いになるという
方向に転じています。
まあ、すぐ激怒する田舎者は分からず
怒ったままなんでしょうけど。 話せば分かる(笑) 「まさか、こうして集まる日が来るなんて…」
某大手商社OLの筒石柚子は、高校時代の同級生たちと居酒屋で久々に再会した。単なる同級生では無い。同じ相手を好きになり、3年間を恋のライバルとして過ごし、卒業式を前に振られた6人の女子だった。
学級委員長で学業も優秀だった柚子は高校を卒業後、大学を経て現在は大手商社に就職した。ちなみに大学時代に出会った彼氏と既に結婚している。
「ゆずっち、眼鏡取ってるじゃーん。ウケるー」
何がウケるのかよくわからないが、魚津実花はけたけたと笑っている。
実花は高校時代からギャル風の見た目だったが、何故か恋愛経験は無かった。
初恋の相手だったあいつに振られた後、バイト先の先輩と色々あって妊娠からの出産と同時に結婚した。
今は3人の子どもがいるいわゆるギャルママに進化した。
「わざわざ誘っていただきありがとうございます」
津幡翠は礼儀正しく挨拶をした。翠とあいつは幼馴染で腐れ縁、幼稚園の時に将来お嫁さんになると宣言(勿論相手側は覚えていない)して以来、密かに思い続けていた。高校になって突然恋のライバル出現して焦りだすも空回り、見事に玉砕した。
高校卒業後は地元から離れた地方の大学に進学した。現在は弁護士。ちなみに彼氏は募集中とは言いながら、チャンスを尽く逃して今に至る。
「じゃあ、縁はずっとおひとりさま…ってコト?」
南条こまりはデリカシーの無い質問をぶつけた。こまりは高校時代、アイドルとして活動しながら転校した先であいつと出会った。欲しい物は何がなんでも手に入れるとかなんとか啖呵を切りながら、結果は無惨にも敗北だった。高校卒業後はアイドルを続けるもグループは解散し、紆余曲折を経て現在はセクシー女優に転身した。
「セクシー女優って儲かるんスか?」
小鳥谷美帆は素朴な質問をしてみた。幼少期からスポーツ一筋の美帆は高校のバレーボール部のエースだった。長身で女子生徒からは憧れの眼差しで見られていた。他の子と同様に恋に落ちたが、不器用な性格が災いして見事に振られた。高校卒業後も実業団でバレーボールを続けているが、ここ1年程は現役選手として伸び悩みを感じている。
「あれはあれで良い思い出よね〜」
小湊なぎさは当時を振り返ってしみじみと語った。なぎさは小さい頃から絵を描くのが好きで、現在は大ヒット恋愛漫画を描いたりして飛ぶ鳥を落とす勢いなのだとか。高校時代の恋愛経験を元に描いているのか問われると、ノーコメントで返す。
同じ相手を好きになった(そして振られた)という縁で集まった6人の飲み会は、大いに盛り上がった。
「おくれてごめーん」
しばらくして小諸江奈がお店に入ってきた。何も知らない柚子は驚いた。
「なんで、あんたが…」
高校時代、同じ相手を好きになった女子達のうち、最後に選ばれたのが江奈だった。
ドジでのろまでおっちょこちょいで、一方で身体は小柄ながら豊満なバストを誇っていた。
柚子らの間では胸の差で負けたと結論付けるには充分な証拠が揃っていた。
「なんか、あの後1ヶ月で別れたらしいよ」
なぎさが発言する。それを聞いた柚子は「ホント?」と聞き返した。
江奈は「そうそう」と頷いた。
約3年にも渡る恋愛バトルロイヤルの結果は、実にあっけない結末だったという事実が時を越えて判明した。