なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart22
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ここは、なぜエヴァを楽しむ成熟した大人が増えたのか?
または、なぜ幼稚な大人はエヴァを楽しめないのか?について意見の交流を行うスレです。
深夜アニメばかり見て精神退行した自分はエヴァを楽しめなくなったと嘆いて傷を舐め合うもよし、
エヴァが楽しめてる自分はまともな大人なんだな、という希望にすがるもよし
「いや深夜アニメ見てる奴にも人気あんじゃん」と叩かない範囲内でツッコミ入れるもよし
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart21
http://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1604394219
の次スレとなります 以前に、「なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのか」スレが乱立し、
そこの旧スレ主が長文で必死に「エヴァが大人に楽しまれてない」という主張(と自称した妄想?)
を展開してました
しかし、議論が進むうちに、
・ネット限定の見識に依存した(旧スレ主の)狭隘な世界観、見識が露呈しただけの作文でしかない
・社会現象アニメであるエヴァと、ヲタ限定マーケットの深夜アニメの市場規模の違いという現実が見えてない
・幼稚な大人が深夜アニメに移っているので、深夜アニメが騒がれてるように見えるだけでは?
などの指摘により、旧スレ主の主張は次々に破綻、エヴァ板住人に完全論破された10スレ目を最後に、
新スレも立たなくなってしまいました
「なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのか」という旧スレ主の認識そのものが誤認でしかなかったと判断され、
議論じたいに意義が無くなってしまったのです
そこで、事実上の後継スレとなる当スレでは、
「なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか」
という、より現実に即した視点からの議題を提示して、皆さんとの議論を深めたいと思います
それでは、どうぞ! 今となって読み返すと笑い話でしかありませんが・・・
「なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのか」スレの発端となった
旧スレ主の主張(と自称した妄想?)がこちら
エヴァの人気が下落してる?現象についての初代1の愚痴つーか考察
「庵野さん気持ちの良いエヴァ作ってくださいよ」
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1400609307/2-5
前スレは>>4-7 悪魔くん「そうだ。どんな強力な仙術にとらわれていようと、僕たちは心と心で繋がっているんだよね。
(♪〜。集え、12使徒よ)」
韓湘子中年「むむむ…ああ」
妖虎「ん…やっぱり来てくれたか」
象人「待ってたぞう」
鳥乙女「…ん」
こうもり猫「助かった」
鳥乙女「ふふ」
メフィスト2世「…仙術を破ったんだ。さすがだぜ、悪魔くん」
悪魔くん「…!」 八仙人たち「…」
漢鍾離老人「見事じゃ」
韓湘子中年「漢鍾離老人、これは」
漢鍾離老人「世界のヘソである蓬莱島が崩壊しようとしてるのじゃ。
もしそんなことになれば地中に埋もれた無尽蔵の霊魂たちが地上に彷徨い出し、
この世は一挙に大混乱に陥ってしまう」
メフィスト2世「そんなことになったら、ルキフェルの思う壺だぜ」
妖虎「うむ、天空船を持つルキフェルに全ての魂を奪われてしまうじゃろう」
八仙人たち「…」 何仙姑女「こうなっては、いくら私たちでも防ぎようがないわ」
韓湘子中年「か、漢鍾離老人」
漢鍾離老人「この危機を救えるのは悪魔くんしかおらん」 悪魔くん「…」
メフィスト2世「?」
悪魔くん「みんな、“六芒星”の位置につくんだ」
メフィスト2世「“六芒星”?そうか。よーし」
百目「分かったモン」 悪魔くん「(♪〜)」
八仙人たち「ああ…」
張果老老人「ああ、これは」
漢鍾離老人「今をさかのぼること3000年前。偉大なるソロモン王がソロモンの笛と共に、
永久の平和を願って後世に遺したとされる最大の秘術じゃ。
その形は全宇宙の神秘を表し、完全なる“六芒星”が描かれたとき、
その力を無限にまで高めることが出来るという」
悪魔くん「(ソロモンの笛よ、とどけ、世界に)」
八仙人たち「!?」
悪魔くん「うっ…」
メフィスト2世「やったぞ」
百目「悪魔くん」
鳥乙女「悪魔くん、しっかり」
悪魔くん「…やあ」
何仙姑女「見事だったわ、悪魔くん」
12使徒たち「?」
八仙人たち「…」
張果老老人「“六芒星”の力しかと見せてもらったぞ。はーっくしゅん!」
悪魔くん「え?」 漢鍾離老人「まだ未完成とはいえ、どんな困難にも負けず自分の夢を貫こうとした悪魔くん。
君と12使徒たちならばあの“六芒星”を持って東嶽大帝を倒せるかもしれん」
こうもり猫「変なじいさんたちだなあ。さっきまで俺たちを散々バカにしてたくせに。俺みたい」
漢鍾離老人「許してくれ、悪魔くん。わしたちは君の力がどれほどのものか試すためにこの島へ呼び出したのじゃ。
だが、君たちの力はわしたちの想像をはるかに超えるものだった。
世界の平和は君たちにかかっているのじゃ。あとは頼んだぞ、悪魔くん」
悪魔くん「(ありがとう、八仙人。あなたたちのおかげで“六芒星”の大切さがよく分かりました。
そしていつか必ず“六芒星”を完成させ、僕たちの夢を実現させてみせます)」 悪魔くん「ルキフェルと契約したクモ仙人が、メフィスト2世をクモに変えてしまうんだ。
不死身のクモ仙人には、どんな魔力も通じない。
そして、12使徒達は次々と繭にされ、ソロモンの笛がルキフェルに奪われてしまう。
悪魔くん。クモにされたメフィスト2世!!
夢よ、とどけ君の心に」
『クモにされたメフィスト2世!!』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 先生「なんですか。宿題書が真っ白じゃないの。一体何をしてたの?二人とも」
百目「外国へ行ってたんだモン」
悪魔くん「こら、百目」
先生「が、外国って、海外旅行?」
百目「えーと、ブーゲンビル島でしょ。蓬莱島でしょ。悪魔くんはイースター島にも行ったんだモン」
先生「うーらやましー。先生なんか夏休み田舎に帰っただけよ。ああ、夢にまで見た海外旅行。
うらやましいから二人とも廊下に立ってなさい」
悪魔くん「ほら見ろ、余計なこと言うから」 メフィスト2世「ずるずる。せっかく親父に死神屋のラーメンおごってやろうと思ったのに。
魔界谷温泉に湯治に出かけちまってんだからなあ。あー食った食った。ん?なんだか魔気を感じるぜ」 メフィスト2世「ははあ、こりゃとっくの昔に使われなくなった廃坑のようだな。
おわ!ひでえな、クモの巣だらけじゃねえかよ。ん?う、うわあ、なんだこりゃ!どうなってんだ!」
ルキフェル「はははははは」
メフィスト2世「お、お前はルキフェル」
ルキフェル「はははははは。思った通り魔気に誘われて12使徒の一人が罠にかかったか。やれ、クモ仙人」
クモ仙人「とりゃあ、とう!」
メフィスト2世「うわー、よせ、よせ」
クモ仙人「わはははは。これであと3時間もすれば、メフィスト2世はクモに変身してしまうわい」
ルキフェル「よーし。次は悪魔くんからソロモンの笛を奪うのだ。ぬかるなよ」
クモ仙人「5000年ぶりにこの岩穴から出してもらえて仙人の姿に戻れたんじゃ。
そのくらいのことはお安いごようだわい」 貧太「ねえ、悪魔くん。今日うちに遊びに来ないか?実は、お願いがあるんだ」
悪魔くん「お願い?」
貧太「僕にもタロットカードの占い方を教えて欲しいんだ。ねえ、いいだろ?」
悪魔くん「構わないけど、12使徒たちが…」
百目「12使徒のことならボクに任せてモン。悪魔くんもたまには貧太くんとのんびりしたらいいモン」
貧太「そうだよ、そうしなよ。特別におやつとお茶を奮発するからさ」
悪魔くん「う、うん。じゃあ頼んだぞ、百目」
百目「心配いらないモン。ばいばーい」 ヨナルデパズトーリ「うーむ、やはり手掛かりはこの付近にあるらしいんだわさ」
妖虎「しかし何も見つからなかった。中国は奥が深いからのう」
こうもり猫「百目のやつ、何をやってんのかねえ。
こんなところに大勢詰め込まれちゃ狭っくるしくて息も出来ないでやんすよ」
百目「お待たせ、だモン」
こうもり猫「ったく、遅いんだよ」
百目「ごめんだモン。さあ、ボクについてくるんだモン。人間界を案内してやるモン」
鳥乙女「ドキドキするわ」
幽子「怖いことないかしら」
百目「しーっ」 百目「右に見えるのが電気屋さんだモン。モーン」
電気屋の店長「?」
こうもり猫「よっ、社長」
電気屋の店長「なんだありゃ」
百目「左のお店はパパさんのよく行くパチンコ屋さんだモン」
豆ユーレイたち「どれどれー」
幽子「あ、だめよ。豆ユーレイちゃん」
豆ユーレイたち「わーい、ゆーれいひー」
こうもり猫「へえ、お土産って訳?」
おばさん「このこうもり」
こうもり猫「誰だ!俺っちを呼び捨てにするのは」
おばさん「ん?」
百目「わ、オバタリアンだモン」
こうもり猫「強いのか?」
百目「ものすごーく強いモン。総理大臣だって敵わないんだモン」
こうもり猫「えっへへ。あ、よいしょっと。お初にお目にかかりやす。あっしはこうもり猫っていうケチな野郎で…」
鳥乙女「バカね。オバタリアンって悪魔や妖怪とは違うのよ」
おばさん「?」 クモ(メフィスト2世)「(はあ、やっと出られたぜ。へへへ、案外簡単に逃げられたぜ。
ん?お、現れやがったな!まさか…これが俺か!?)」 クモ(メフィスト2世)「(とにかく、悪魔くんになんとかしてもらわなきゃ)」
コハル「誰?エツ子?きゃー!化けグモー!」
クモ(メフィスト2世)「(ちちち、違うんだ。俺だ。俺)」
コハル「こここ来ないで!おおお、お父さん!お父さん!」
茂「ん?どうした?母さん。ん?わー!なんだ、このクモは!あが!」
エツ子「どうしたの?お母さん。あら、どっから取ってきたのかしら。
メフィスト2世さんのシルクハットかぶってるわ。よーし、その帽子を返しなさい!」
クモ(メフィスト2世)「(おわ!俺がそのメフィスト2世だよ!)」
エツ子「なにピーピー鳴いてんのよ!」
クモ(メフィスト2世)「(ダメだ。言葉が通じねえんだ)」
エツ子「待てー!」
コハル「捕まえて動物園に売ればローンがいっぺんに払えるかもしれないわよ!」
茂「なに!?」 エツ子「ちょっと待ちなさーい!」
茂「待てー!」
警官「どうかしましたか?埋れ木さん」
茂「ローンが…じゃなかった、クモです。化けグモが現れたんです」
警官「なに、化けグモ?あー!あの家に逃げ込んだぞ!」
犬「ガルルルル…」
クモ(メフィスト2世)「(わー!魔力さえ使えりゃあんな犬なんか…どわー!)」
猫「ミャー!」
クモ(メフィスト2世)「(はあはあ…)」
警官・茂・エツ子・市民たち「待てー!」 クモ(メフィスト2世)「(はあはあ…)」
警官・茂・エツ子・市民たち「待て待てー!」
百目「ん?あれはなんだモン?」 クモ(メフィスト2世)「(あ、あそこ行っちゃお)」
茂「しめた!あの路地の先は行き止まりだぞ!」
警官「本官にお任せください。市民の平和を守るのが警察官の仕事でありますからして。
えーい。ふー、ふー」 クモ(メフィスト2世)「(しまった!あ…うわ)」
警官「…」
クモ(メフィスト2世)「(わあ、やべえ。悪魔くん)」
悪魔くん「?」
貧太「どうしたの?悪魔くん」
悪魔くん「小さな家…危険…これは、なんかあったのか」
警官「抵抗すると、う、撃つぞ」
クモ(メフィスト2世)「(あ…)」
百目「もう、ちっとも見えないモン。…あれはメフィスト2世のシルクハットだモン」
こうもり猫「俺たち悪魔の仲間かな?」
鳥乙女「だとしたら、ほっとけないわ」
クモ(メフィスト2世)「(百目!)」
警官「う、う、動くな!」
クモ(メフィスト2世)「(だぁー!うぅ…)」 クモ(メフィスト2世)「(うぅ…)」
百目「モーン!」
警官・茂・エツ子・市民たち「うわー!」「まぶしい!」
警官「…き、消えた!」
茂「ミ、ミステリーだ」
警官・茂・エツ子・市民たち「…」
こうもり猫「これがほんとの雲(クモ)隠れなんてね」
クモ(メフィスト2世)「(はあ、とにかく助かったぜ)」 クモ(メフィスト2世)「(俺だよ、悪魔くん。分からねえのか!大変なんだ。ルキフェルのやつが…)」
百目「さっきからピーピー言ってるだけなんだモン」
ヨナルデパズトーリ「うーむ、さすがのわしでもクモのことは分からないのである」
悪魔くん「それにしても、どうしてメフィスト2世のシルクハットをかぶってるんだろう」
こうもり猫「きっと拾ったでやんすよ。全くメフィスト2世もドジだからねえ。
風に飛ばされたのを追いかけようとしても、足は短いし、のろまだし、方向音痴ときてるんだからね」
クモ(メフィスト2世)「(言いたいこと言いやがって!)」
こうもり猫「そういやお前、マヌケ面がメフィスト2世に似てるじゃないの。へへへへへ」 クモ仙人「しめしめ、作戦通り。とうとう悪魔くんと12使徒の隠れ家を見つけたぞ」
悪魔くん「あのカードと関係があるのか?小さな家…危険…。
とにかく、メフィスト2世を呼び出して、事情を聞いてみよう」
クモ(メフィスト2世)「(俺ならここにいるってのに!)」 悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第1使徒メフィスト2世!」
クモ(メフィスト2世)「(…)」
悪魔くん「!」
12使徒たち「!」
クモ仙人「ははははははは、はははははははは」
悪魔くん「お前はクモ仙人!」
クモ仙人「ははははは」
こうもり猫「クモ仙人?」
ヨナルデパズトーリ「左様。今からはるか昔に、クモから永遠の命を与えられた仙人がいたのである」
悪魔くん「永遠の命を得て思いあがったクモ仙人が悪さばかりするので、
神様にその姿をクモに変えられ、地下の岩穴に封じ込められてしまったんだ」
クモ仙人「悪魔くんのソロモンの笛を奪うことと引き換えに、出してもらったのじゃわい」
悪魔くん「ソロモンの笛を!?」
百目「お前なんかにソロモンの笛は渡さないモン!」
クモ仙人「いひひひひ。では12使徒全員がそのメフィスト2世のように、クモにされてもよいのか?」
悪魔くん「え!」
メフィスト2世を除く12使徒たち「!」
鳥乙女「このクモが、メフィスト2世!?」
クモ(メフィスト2世)「(だからそう言ってんじゃねえかよ)」
悪魔くん「ピクシー!薬草でメフィスト2世を元に戻すんだ!」
ピクシー「がってんだ!」
青ピクシー「全くもう、クモになるなんて」
赤ピクシー「くもった、くもった」
クモ仙人「ムダだ、ムダだ。わしを倒さぬ限り元には戻らぬわい」 家獣「バウー!バウ、バウ、バウー!」
クモ仙人「ぬへへへへ」
家獣「バウ?」
悪魔くん「あ!」
12使徒たち「!」
クモ仙人「さっきの話を聞いていなかったのか?わしは永遠の命を手に入れたのだ。
わしを倒すのは不可能じゃ。それー!」
家獣「バウー!バ、バ、バウー!」
悪魔くん「家獣!」
クモ仙人「ほらー!」
百目「わ、わ、うわ」 クモ仙人「えい!」
象人「!」
悪魔くん「妖虎!火炎放射でみんなの繭を焼き切るんだ!」
妖虎「心得た。がおー!だめじゃ。うわあー!」
鳥乙女「ピーンク…きゃあ」
こうもり猫「うわ、うわ」
クモ仙人「それ!」
ヨナルデパズトーリ「うがあー!」
クモ仙人「こら!」
サシペレレ「!」
ユルグ「コーン…」
ピクシー「わ、わー!」
クモ仙人「こら!」
百目「わあ。モン」
幽子「きゃー!」 クモ仙人「ははははははは。どうだ、悪魔くん。
みんなを助けたかったら、ソロモンの笛をこちらに渡すんじゃ」
悪魔くん「う…」
クモ(メフィスト2世)「悪魔くん」
悪魔くん「メフィスト2世。喋れるのか?」
クモ(メフィスト2世)「ああ、ピクシーの薬を飲んだら、声だけは元に戻ったんだ」
クモ仙人「さあ、ソロモンの笛を渡せ」
悪魔くん「…」
クモ仙人「ダメだ、悪魔くん。ソロモンの笛はみんなのために必要なんだ」
悪魔くん「分かってるよ。分かってるけど」
クモ仙人「どうした。こうしてるうちにもあの繭の中で12使徒はどんどんクモになっているのじゃ」 クモ仙人「さあ、よこせ」
悪魔くん「…」
クモ(メフィスト2世)「よせ!悪魔くん!」
悪魔くん「(ソロモンの笛、お願いだ。みんなを救ってくれ。♪〜)」
クモ仙人「ふふふふふふ」
クモ(メフィスト2世)「俺もやるぜ。てやあ!わあ!くそ」
悪魔くん「(…ソロモンの笛でもダメか)」
クモ仙人「はははははは」
悪魔くん「…!」
クモ仙人「わしにしか12使徒は救えないのだ。さあ、ソロモンの笛を渡せ」
悪魔くん「…」 悪魔くん「(12使徒は僕にとってかけがえのない仲間なんだ)」
クモ仙人「いひひひひひ」
クモ(メフィスト2世)「く…」
クモ仙人「よしよし」
クモ(メフィスト2世)「ダメだ!」
悪魔くん「あ!」
クモ(メフィスト2世)「こっちへくるんだ」
クモ仙人「おのれ!」 クモ(メフィスト2世)「親父ー!親父ー!どこにいるんだ!親父―!」
メフィスト老「ああ、いい湯じゃ」
クモ(メフィスト2世)「親父ー!」
メフィスト老「誰じゃ。わしゃクモの子供なんか持った覚えはないからして」
クモ(メフィスト2世)「俺だってば。俺」
メフィスト老「ん?それはメフィスト家に代々伝わるシルクハット。
するとお前はせがれ。何をしておるんじゃ」
クモ(メフィスト2世)「助けてくれ。クモ仙人が追ってくるんだ」
メフィスト老「クモ仙人じゃと?よりにもよってとんだやつを相手にしたもんじゃな。やつは不死身じゃ…おっ」
悪魔くん「たあ!今だ!絶対零度でクモ仙人を凍らせるんだ」
メフィスト老「よーし。魔力、絶対零度!」 クモ仙人「うわあ!」
悪魔くん「やった!」
クモ仙人「ふふふふふふ」
悪魔くん「?」
クモ仙人「わしは不死身じゃ。こんなことで勝てると思うな!」
メフィスト老「あー、やっぱりダメじゃ」
クモ(メフィスト2世)「なんとかしてくれ、親父!このままじゃ他の連中もみんなクモにされちまうんだ!」
メフィスト老「うーむ、かくなる上はもう一度地上に戻るんじゃ。
悪魔くん、しっかりわしに捕まってないと魔界に取り残されるぞ。はあ!いいか!」
悪魔くん「うん」
クモ仙人「ん?」
メフィスト老「とう!」 悪魔くん「メフィスト、クモ仙人が追ってくるよ!」
メフィスト老「任せておけ。魔力、物質変化!このロープで結んだものは絶対にほどけんのじゃ」
クモ(メフィスト2世)「親父!」
悪魔くん「メフィスト、早く!」
クモ仙人「おっとっと」
メフィスト老「えーい!宇宙の無限空間まで飛んでいくんじゃ!」
クモ仙人「ん?くそー!」
悪魔くん「あ!ソロモンの笛が…」
メフィスト老「よーし、わしが!ん!?」
ルキフェル「やったぞ。ソロモンの笛は確かに頂いた」
悪魔くん「しまった!」
ルキフェル「わははははははは」 悪魔くん「(クモ仙人が宇宙の無限空間に飛ばされたために、術をかけていた念波が届かなくなったのか)」
メフィスト老「おー、せがれよ。よかった、よかった」
メフィスト2世「よかねえよ!ソロモンの笛がルキフェルに奪われちまったんだぜ」
メフィスト老「わしの愛用のステッキも無くなってしまったわい…」
こうもり猫「よいしょっと。あーあ、おや、メフィスト2世。元に戻ったんでやんすね。
良かった良かった、心配しやしたよ。ねー」
メフィスト2世「なにが。やい、こうもり猫!さっきはよくも言いたいこと言いやがったな。このー!」
こうもり猫「わー!ちょちょちょちょ」
メフィスト2世「待てー!この!」
12使徒たち「ははははは」
悪魔くん「(なんとしてもソロモンの笛は取り返すぞ。ルキフェル)」
ルキフェル『わははははははは』 悪魔くん「ソロモンの笛を手にいれたルキフェルが、見えない学校を狙ってついに動き出すんだ。
そして、壮絶な戦いの中で、ファウスト博士のお父さんへの想いが、
僕たちに新たな力を呼び起こしてくれる。
見えない学校と僕たちの心が今ひとつになる始まり。
悪魔くん。生命玉が応える12使徒の夢。
夢よ、とどけ君の心に」
『生命玉が応える12使徒の夢』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 東嶽大帝「わはは。喜ぶのはまだ早いぞ、ルキフェル。見えない学校の在処を探し、破壊するのじゃ」
ルキフェル「ははあ」 ベルゼブブ「ふああ、よく寝た」
ルキフェル「気分のいいところで、お前の占い杖の力を貸してもらおうか」
ベルゼブブ「だ、誰だ!ん?」
ルキフェル「ふははははははは」
ベルゼブブ「誰だ、貴様は。あー!」 <ナレーター>
ルキフェルにソロモンの笛を奪われた悪魔くんは、懸命にその行方を探していた。 悪魔くん「世界…悪魔…そして旅人…。ルキフェルは魔界で何かを探してるみたいだ」
鳥乙女「魔界っていっても広すぎるわ」
メフィスト2世「焦るなって、鳥乙女。で、悪魔くん。その詳しい場所は?」
悪魔くん「うーん」
百目「ん?へーっくしゅん!」
12使徒たち「ああ!」
百目「ごめんだモン、悪魔くん。もう一度やってだモン」
悪魔くん「タロットカードは同じことを続けて占っちゃいけないんだよ、百目」
百目「ええ」
こうもり猫「せっかくもう少しでソロモンの笛の在処が分かるってときに。
なにしやがんだ!百目のドジ!タコ!ポンポコポン!」
鳥乙女「ちょっと!そんなに言うことないでしょ、こうもり猫。
百目ちゃんだって、わざとした訳じゃないんだから」
百目「ごめんだモン、悪魔くん」
悪魔くん「仕方ないよ、百目」
メフィスト2世「だけどさ、ルキフェルの野郎。一体何を探してやがるんだ?気になるな」
鳥乙女「とにかく魔界へ行ってみようよ」
メフィスト2世「そうだな、手分けしてさがそうぜ」
悪魔くん「うん。百目とメフィスト2世は僕と行こう」
鳥乙女「私はこうもり猫と一緒に行くわ」
こうもり猫「まっかせなっさーい」
鳥乙女「放っておくと何するか分からないからね」
こうもり猫「え、お後がよろしいようで」 こうもり猫「さすが魔界の六本木と言われるだけあって、相変わらず賑やかですねー」
鳥乙女「どうせ学校サボってこの街で遊んでたんでしょう?あんた」
こうもり猫「またー。まあディスコ荒らしのこうもり猫っていやあ、ちーっとしたもんだったぜ。
いえーい、ダンシング。決まったぜ」
鳥乙女「バカ言ってないで、さ、お仕事お仕事」
こうもり猫「うー、そんな固いこと言わないで。せっかく来たんだからさ、ティーでもドリンクしていこうぜ、彼女。
鳥乙女待ってよ。こんなにのんびり出来ることはそうないんだぜ」 百目「おばあさん、この村でも一番の物知りって本当かモン?」
老婆「あー?村一番の美人だって?照れるじゃないか。よしとくれよ。おほほほほ」
悪魔くん・メフィスト2世「…」
悪魔くん「僕たち、ルキフェルって悪魔を探してるんです!」
老婆「あー?」
メフィスト2世「ソロモンの笛を持ってるはずなんだ!」
百目「とーっても恐ろしい悪魔だモン!」
老婆「笛を持った恐ろしい悪魔…ああ!」
メフィスト2世「知ってるのか?婆さん」
百目「やったモン」
悪魔くん「うん」
メフィスト2世「で、その笛を持ったやつはどこに」
老婆「…!あの男じゃ!」
メフィスト2世「?」
悪魔くん「?」
男A「(♪〜)」
メフィスト2世「あ、あの男が?」
百目「変装してるのかモン」
悪魔くん「まさか。ルキフェルが屋台のラーメン屋に変装する訳ないよ」
メフィスト2世「まあ、いいじゃないか。ラーメンなら俺大好物だぜ。ついでに食ってこうぜ、悪魔くん。な。
おーい、ラーメン屋」
悪魔くん「でもおばあさん。あの悪魔のどこが恐ろしいの?」
老婆「あの屋台のラーメンを食った客は必ず腹を壊すという。まさに恐怖のラーメン悪魔なのじゃ」
メフィスト2世「ははは。早く。早く」
男A「へい、お待ち」
メフィスト2世「わ、があ」 ルキフェル「確かに見えない学校はこの辺りなのだな?ベルゼブブ」
ベルゼブブ「はい、占い杖の示す通りにございまする。ルキフェル様」
マルコキアス「ガルルル…」
ベルゼブブ「な、なんだよ」
ルキフェル「俺を騙すとただではおかんぞ」
ベルゼブブ「め、滅相もございません。ああ、丁度よかった。あの街で聞いてみましょう。
歩き通してのども乾きましたしねえ」
ルキフェル「(ちっ、世話のかかる男め)」 ベルゼブブ「そうそう、ぐっと強い酒頼むぜ」
男B「はい」
ベルゼブブ「くそう、野郎まるで隙もなんもありゃしねえ。このままだと時間稼ぎしてるのバレちまうよ」
大男「ぐわーはっは」
ルキフェル「お!」
ベルゼブブ「…ソロモンの笛!」
マルコキアス「ガルルル」
ルキフェル「放っておけ。マルコキアス」
大男「なんだと?よそ者のくせしやがってでかい口叩くじゃねえか」
ルキフェル「失せろ、カスめ」
大男「ぐわあ」
ルキフェル「へへへへへ」
大男「野郎!」
男C「おもしれえ。俺たちも力になってやるぜ」
ルキフェル「仕方あるまい。行け、マルコキアス」
大男「うわ。わー」
男C「う、ぎゃー!」
ルキフェル「!ベルゼブブ…」 ベルゼブブ「やったぜ。これでやっと悪魔くんに…
(ベルゼブブ「どうか命だけはお助けを」
悪魔くん「ベルゼブブ。二度とこの占い杖を使って、悪いことをするんじゃないよ」
ベルゼブブ「は、はい」
悪魔くん「そして、心を入れ替えて、また魔界に戻ってくるんだよ」
ベルゼブブ「はい。ありがとうございます。悪魔くん」
悪魔くん…!」
ルキフェル「ベルゼブブ」
ベルゼブブ「や、野郎」
ルキフェル「血迷ったか。愚かな奴め」
ベルゼブブ「悪魔くんは、俺の命の恩人なんだ!その借りを返さなきゃ、このベルゼブブ様の男がすたるってもんよ!」
ルキフェル「つまらん見栄をはりおって。悪魔なら悪魔らしく、ベルゼブブ、さあ素直にその笛を返せ」
ベルゼブブ「けっ、誰が!うわあーああ!」
ルキフェル「はははは。よしよし」
ベルゼブブ「お、おのれ!」
ルキフェル「潔く死ね!」
ファウスト博士「やめぬか、ルキフェル!」
ルキフェル「!」 ルキフェル「ファ、ファウスト!」
ベルゼブブ「ファウスト博士!」
ルキフェル「探したぞ、ファウスト。見えない学校をどこに隠した!」
ファウスト博士「お前などに決して指一本触れさせはせん。この日を待っていたぞ。
わしの全てを賭けても、ルキフェル!お前を必ず倒す」
マルコキアス「ガルルル…」
ルキフェル「待て。この老いぼれめが。よかろう。相手になってやるわ。ふふふふふふふ」
ファウスト博士「フルカスバラムアンゴルカム、フルカスバラムアンゴルカム」
ルキフェル「(老いぼれめ、何をするのだ)」
ファウスト博士「フルカスバラムアンゴルカム、フルカスバラムアンゴルカム…」
ルキフェル「(な、なんだ、これは)」 メフィスト2世「悪魔くん。これはまるで見当がつかないぜ」
悪魔くん「うん。鳥乙女や家獣たちからも連絡がないところを見ると、みんなも苦労してるみたいだね」
百目「ボクがくしゃみしたせいだモン」
悪魔くん「もう、気にするなよ。百目。それにしても、ソロモンの笛を早く取り返さなきゃ」
ファウスト博士「フルカスバラムアンゴルカム、フルカスバラムアンゴルカム…
岩に棲める精霊よ。我が力となりたまえ…我が力となりたまえ!」
ルキフェル「おお!うおー!」 ベルゼブブ「あ、ああ…」
ファウスト博士「フルカスバラムアンゴルカム…我が力となりたまえ!」
ルキフェル「へへへへ。これしきで俺様を倒そうなどと笑わせるな。そりゃ!」
ベルゼブブ「わあ!」
ファウスト博士「うわー!」
ベルゼブブ「ファウスト博士!」
マルコキアス「ガルル」
ベルゼブブ「わあ」
ルキフェル「年寄りの冷や水とはこのことよ。さあ、ファウスト。見えない学校はどこにある。
ひと思いに殺してやってもいいのだぞ」
ファウスト「ぐ…」
ベルゼブブ「ま、待て!」
マルコキアス「ガルル」
ベルゼブブ「…!」
ルキフェル「はは。貴様が死ねば、見えない学校も魔界のどこかで誰にも知られず永遠に忘れ去られるのだ。
見えない学校もなく、ソロモンの笛を持たぬ悪魔くんなど、もはや問題ではないわ。わーはっはっは」 悪魔くん「あ!これは!」
百目「どうしたんだモン?悪魔くん」
悪魔くん「ソロモンの笛が僕を呼んでいる」
メフィスト2世「なんだって!?」
悪魔くん「この近くだ。メフィスト2世、君は鳥乙女や家獣たちに連絡してくれ」
メフィスト2世「よーし。分かった」 ルキフェル「へへへへ」
ファウスト博士「ぐ…」
ルキフェル「死ね!」
ベルゼブブ「あ…やめろ!ぎゃあああ!!」
ルキフェル「余計な邪魔を!…!」
悪魔くん・百目「ファウスト博士!」
悪魔くん「博士!」
百目「しっかりしてだモン」
ファウスト博士「悪魔くん。わ、わしのことより、ベルゼブブを頼む」
悪魔くん「え!」
百目「ベルゼブブ、大丈夫かモン?」
悪魔くん「しっかりしろ。博士!」
ファウスト博士「わしのことは構うな」
悪魔くん「で、でも!」
ファウスト博士「このルキフェルとはいずれ決着をつけなければならぬ宿命だったのじゃ」
悪魔くん「え!」 ファウスト博士「…わしの父、初代ファウスト博士は300年前に悪魔を呼び出し、
そのために八つ裂きにされてしまった。というのは、悪魔くんも聞いとったな」
悪魔くん「ええ」
ファウスト博士「父が呼び出したという悪魔こそ、サタン王国の王、サタンじゃったのじゃ。
父は、地上を支配しようとしていたサタンと対決し、
相討ちとなって自らの命を犠牲にし、サタンからこの世界を守ったのじゃ」
ルキフェル「ふふふふ。俺にとっても初代ファウスト博士の息子である貴様を倒すことは、
偉大なる王サタンの仇を討つことでもある」
悪魔くん「博士…!」
ファウスト博士「手出しは無用ぞ。悪魔くん」
ルキフェル「下がっていろ、マルコキアス」
ファウスト博士「フルカスバラムアンゴルカム」
ルキフェル「!」
ファウスト博士「フルカスバラムアンゴルカム」
ベルゼブブ「悪魔くん、博士を止めるんだ。ルキフェルは、
博士を殺して見えない学校の行方を永久に封じ込んでしまおうとしてるんだぜ」
悪魔くん「え!見えない学校を!?ま、待ってください、博士!わ、ああ!」 ルキフェル「何度やっても同じことよ」
ファウスト博士「フルカスバラムアンゴルカム…岩に棲める精霊よ。我が力となりたまえ!」
ルキフェル「くらえ!」
ファウスト博士「フルカスバラムアンゴルカム…」
ルキフェル「うがあー!」
百目「あ、悪魔くん!」
悪魔くん「博士!」
ファウスト博士「うむ」
ルキフェル「おのれ!」
ファウスト博士「やめろ、ルキフェル」
ルキフェル「む」
ファウスト博士「父の遺志を継ぐことはお前を倒すことだけではない。
真に平和な世界を築くことこそ、わしの父の願いだったのじゃ。
それが出来るのは、この悪魔くんしかおらん」
ルキフェル「そりゃあ!」
悪魔くん「ふっ」
ルキフェル「ぐわああ!」
メフィスト2世「博士!悪魔くーん」
12使徒たち「博士!」
ルキフェル「マルコキアス、この者どもを皆殺しにしてしまえ!」 メフィスト2世「魔力、火炎放射!わ、あちゃちゃちゃ」
鳥乙女「ピーンクハリケーン!」
ルキフェル「えい!」
鳥乙女「きゃあ!」
こうもり猫「わ、ごめんなしゃーい!」
幽子「ファウスト博士ー!」
ルキフェル「どけどけ、小僧ども!いくぞ!次は悪魔くん、お前の番だ!」
メフィスト2世「そうはさせるか!」
ベルゼブブ「やめろ、ルキフェル!」
家獣「バウー!」 悪魔くん「一体どうしたらいいんだ…あ」
ファウスト博士「ん?」
悪魔くん「博士」
ファウスト博士「うむ」
悪魔くん「みんな、“六芒星”の位置につくんだ」
メフィスト2世「よし、分かった」
鳥乙女「みんな、急いで」
ベルゼブブ「あ、ど、どうなってんだ」 悪魔くん「(♪〜)」
ファウスト博士「(そうじゃ、今まで学んだことを生かすのじゃ。悪魔くんなら必ず出来るはずじゃ)」
ベルゼブブ「み、みんな早く逃げるんだ!悪魔く…ああ、もう、間に合わねえ!」
悪魔くん「(僕たちの心よ。届け、見えない学校に)」
ベルゼブブ「ああ、もうダメだ!」
ファウスト博士「おお、あれは見えない学校の魔輪!」
ルキフェル「マ、マルコキアス…」
ファウスト博士「おお」
ルキフェル「消えてなくなれ、悪魔くん!ぐわああああああ!!!」
百目「やったモン、悪魔くん!」
メフィスト2世「ルキフェルを倒したぞ!」
こうもり猫「どんなもんだい!ざまあみやがれってんだ!」
悪魔くん「博士!」
ファウスト博士「うむ。見事じゃったぞ、悪魔くん。
みんなも辛い目に耐えてようここまで成長してくれたな。わしゃ嬉しいぞ」 メフィスト2世「見ろ、魔界城が消えていくぞ。
これでルキフェルのサタン王国再興の野望も、完全に叩き潰したって訳だ」
鳥乙女「天空船も天国へ向かっていくわ」
ファウスト博士「よかったな、悪魔くん」
悪魔くん「はい。
(ありがとう、見えない学校。ソロモンの笛も、そして君も、僕たちと同じ仲間さ。
これからもよろしく、見えない学校)」 悪魔くん「そんな博士!」
百目「どこに行っちゃうんだモン?」
ファウスト博士「わしの役目は終わったのじゃ。みんなに教えることはもう何もない。
これからは見えない学校も諸君の手で立派に守ることが出来るじゃろう」
悪魔くん「でも…」
ファウスト博士「うむ。ルキフェルを倒したとはいえ、東嶽大帝自らが動き始めるに違いない」
悪魔くん・12使徒たち「えー!」
ファウスト博士「そこでじゃ。究極の“六芒星”を完成させることによって、東嶽大帝を倒すのじゃ。
君たちなら必ず出来る。ベルゼブブ、お前も約束通り心を入れ替え立派に修行したようじゃな。
もう魔界に戻ってもよかろう」
ベルゼブブ「ありがとうございます。あの、ついでと言っちゃなんですが、
どこへとなりと博士のお供をいたしやす。いや、そうさせて下さいやし」
ファウスト博士「うむ。じゃあ行くか」
ベルゼブブ「じゃ、悪魔くん」
メフィスト2世「博士!」
悪魔くん・百目「博士!」 メフィスト老「さあ、行きましょうか。ファウスト博士」
メフィスト2世「親父」
メフィスト老「最近道楽息子がもう勝手に乗り回すもんでギアの調子が悪いがな」
メフィスト2世「ったく、俺のせいじゃないよ」
メフィスト老「まあ気にするな。骨休めするにはのんびり温泉にでも浸かるのが一番じゃ。
わしの腰痛治療で効き目は保証済みじゃからしてなあ。ははははは」
ファウスト博士「わはははは」
鳥乙女「温泉?博士が?」
メフィスト2世「なんだ。もう二度と会えないのかと思ったぜ」
百目「心配して損したモン」
悪魔くん「ほんとだ」
ファウスト博士「それじゃ頼んだぞ、悪魔くん」
悪魔くん「はい、ファウスト博士」
鳥乙女「博士、ゆっくりしてらっしゃいね」
メフィスト2世「あとは俺たちに任しとけって」
ベルゼブブ「じゃあ行ってきます。ふふふふ」
こうもり猫「ああ、得したな。ベルゼブブの野郎」
ベルゼブブ「へへ、温泉」
こうもり猫「温泉か。いいな」
メフィスト2世「はははははは」
悪魔くん・12使徒たち「ははははははは」 集まれ!我らが仲間よ
「ファウスト博士」の前に!
アララ1人ずつじゃチョイと
パワー不足 キャリア不足
だけどみんなの 力あわせ今日も…
ポッポッポ ポッピヤー
集まれ! 我らが仲間よ
見えない学校に乗り
魔力体力 それ 特訓だぁ
「東嶽大帝」倒せ!
戦争(いくさ)はツライけど
(悪魔がマグマを吐く間はタンマ!)
エロイムエッサイム (あらよっと!)
夢を開くよ 12使徒
並みじゃナイ!ひるまナイ!くじけない!(行くぞ!)
迷わない!! 悪魔くん「東嶽大帝直属の大使、トン・フーチンがやって来た。
大きな顔で大声を出す大口童子を使って、町のみんなを次々と洗脳してしまう。
僕たちはみんなの良心を取り戻すため、大口童子の胃の中に飛び込むんだ。
でも、想像を超えた恐ろしい世界が待っている。
悪魔くん。悪魔大使トン・フーチン。
夢よ、とどけ君の心に」
『悪魔大使トン・フーチン』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 東嶽大帝「皆の者よーく聞け。このところ四界制覇が遅れをきたしておる。
これも全て悪魔くんと12使徒、そして見えない学校のせいじゃ。
そこで、誰でもよい。悪魔くんからソロモンの笛を奪った者に褒美を取らす。
見えない学校を見つけ出した者にもだ。
ソロモンの笛と見えない学校、この二つを抑えれば、四界制覇はなったも同然」
悪魔たち「おー!東嶽大帝様、万歳!」 トン・フーチン「ソロモンの笛を手に入れ、悪魔界の外交官にしてもらうアル」
大口童子「外交官ってなんだ?」
トン・フーチン「人間界に悪魔領事館を置き、東嶽大帝様に代わって人間たちをおさめるのことアル。
悪魔くん、待っているヨロシ。ソロモンの笛は必ずこのトン・フーチンが頂くアル」 ヨナルデパズトーリ「ここなら大丈夫だわさ。東嶽大帝にもそうたやすくは発見されまいて」
メフィスト2世「樹海に入れば迷子になるし、空からも見えないか」
妖虎「おまけに周囲は絶えず魔眼が見張っておるからのう」
悪魔くん「みんなの力で、十分守れるよね」
妖虎「そうじゃな。ひとまず隠れながら東嶽大帝の本拠地を探してみるつもりじゃ」
メフィスト2世「それじゃみんな、あとのことは頼むぜ。俺は悪魔くんと一緒に人間界に戻るからよ」
百目「ボクもだモーン」
鳥乙女「あら、二人だけなんてずるいわ」
メフィスト2世「俺は、学校と名の付くところは性に合わなくてね」
鳥乙女「そんな」
ヨナルデパズトーリ「我慢するんだわさ、鳥乙女。
メフィスト2世と百目には、悪魔くんのボディーガードの役目もあるのである」
百目「そうなのであるんだモン」
鳥乙女「うーん」
こうもり猫「そそ、そういうこと。いいじゃないの、鳥乙女。このこうもり猫ちんのそばにいられるだけで幸せでげしょ」
鳥乙女「ふっ!」
こうもり猫「わ!冗談通じないんだから」 エツ子「お兄ちゃーん!百目ちゃーん!お兄ちゃんたち、ほら起きなさい!また遅刻するよ」
悪魔くん「ん〜…あと少し…」
百目「んん、まだ眠いんだモン。99の目が眠ってるんモン」
エツ子「起きなさいって言ってるのに、どうしても起きない気ね…。
二人とも、起っきろーー!!!!!」
メフィスト2世「う、うわあ。いてー…もう相変わらずの大声だな」 先生「中国は、面積がおよそ日本の26倍もあって、人口は11憶人もいるの。場所によって、言葉も違うのよ。
むう…、もう、みんな、ちゃんと聞きなさーい!!!!」 メフィスト2世「ずるずる。このラーメンを食べられるだけでも、悪魔くん家はいいぜ」
大口童子「ごめんくださーい」
メフィスト2世「誰だ。みんな出かけてるんだけどなあ」 メフィスト2世「はいはーい。今開けますよ。ぎゃあ!な、なんだてめえは!」
大口童子「悪魔くんに用がある」
メフィスト2世「用がある?顔だけじゃなく態度もでかいな。悪魔くんなら学校に行ってるぜ」
大口童子「お前は誰だ?」
メフィスト2世「誰だって失礼な。悪魔くん率いる12使徒中のナンバー1。メフィスト2世様を知らねえのか?ん?」
大口童子「知らん」
メフィスト2世「あららら」
大口童子「まあついでだ。お前にも信仰をすすめよう」
メフィスト2世「しんこう?出発進行か?」
大口童子「違う。お前たちは悪魔のくせに東嶽大帝様を信仰してない。だから改心するようにすすめているのだ」
メフィスト2世「東嶽大帝様…てめえ、東嶽大帝の家来か」
大口童子「そうだ。今に悪魔界だけでなく、妖精界も地獄界も人間界も全員が東嶽大帝様を信仰するようになる」
メフィスト2世「へっ、余計なお世話だよ」
大口童子「悪魔くんこそ、異端児となるのだ」
メフィスト2世「うるさい。とっとと帰れ」
大口童子「どうしても嫌だというのなら、ここで大声出すぞ」
メフィスト2世「へへ。大声ぐらいエッちゃんので慣れてる」
大口童子「よーし。おぎゃー!!!!おぎゃー!!!!おぎゃー!!!!おぎゃー!!!!」
メフィスト2世「か、か、ああ!……」
大口童子「ふふふふふ。口ほどにもないやつだな」
トン・フーチン「悪魔くんに伝えておくヨロシ。信者を増やしてからまた来るアル」 エツ子「たっだいまー。あら、メフィスト2世さん。待っててくれたの?
ふふ、可愛い寝顔。でもこんなところで寝てたら風邪引いちゃうわ。
メフィスト2世さん、起きて。2世さん。2世さん。2世ー!!!!」
メフィスト2世「だああ!まだ耳がジンジンいってるぜ。おっとこうしちゃいられないや。よっと」
エツ子「もう、寝ぼけてんのかしら」 悪魔くん「うーん」
青ピクシー「よっ。ぬりぬり」
赤ピクシー「ぬりぬり」
メフィスト2世「ふう、やっと耳鳴りが収まったぜ。どうだい、悪魔くん。あの顔でかベビーのこと、何か分かったかい?」
悪魔くん「それが悪魔辞典にも載ってないんだ。仕方がない。学者に調べてもらおう」 悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!」
こうもり猫「ああ、もういや。悪魔くんでも呼び出してくれねえかなー」
ヨナルデパズトーリ「こら!こうもり猫!もっと気を入れてやるんだわさ」
こうもり猫「はいはいはいはい。ファウスト博士の代理だと思って、うるさいんだから。
ヨナルデなんかどっかに消えちまえ」
ヨナルデパズトーリ「何をぶつぶつ言ってるんだわさ。こうもり猫…」
こうもり猫「消えちまったわさ。ほんとに」
ヨナルデパズトーリ「文句ばっかり言わないんだわさー!!!!」
メフィスト2世「だあああ!!もうせっかく治ったところだったのに」
ヨナルデパズトーリ「ん?あー、これはこれはお呼びであるか?」
悪魔くん「うん。教えて欲しいことがあるんだ」 ヨナルデパズトーリ「ふーむ。どうやらメフィスト2世が会ったというのは、
中国に住む大口童子という悪魔らしいのである」
悪魔くん「大口童子なんて聞いたことのない悪魔だね」
ヨナルデパズトーリ「中国の奥地に住む悪魔は数が多くて、
どんなのがいるのかまだまだ実態が掴めていないのである。でもメフィスト2世は運が良かったんだわさ。
この大口童子は、大声を出すだけではなく、良心、
すなわち人の持つ善の心を食べてしまう恐ろしい悪魔なのである」
悪魔くん「良心を食べる悪魔!?大変だ!その大口童子は、みんなの良心を食べて、
東嶽大帝の信者にしてしまうつもりかもしれない!」
メフィスト2世・百目「…」 八百屋「奥さん、リンゴ安いよ、リンゴ。どう?」
女A「?」
サラリーマン「?」
おじいさん「!」
市民たち「みんな、東嶽大帝様を信仰しよう…信じる者は救われる…
みんな、東嶽大帝様を信仰しよう…」
女B「何よ、あれ」
男A「映画のロケかなんかじゃないのか?」
市民たち「信じる者は救われる…みんな、東嶽大帝様を信仰しよう…」 市民たち「東嶽大帝様、ばんざーい…」
警官「こらー!待て待て待てー!何者だ!市民の平和を乱す者は、本官が許さないぞ!」
大口童子「許さなくてもいいよ」
警官「いーっ」
大口童子「あーん。もぐもぐ」
洗脳されてない市民たち「…!」
警官「離せ離せ離せ…こら」
洗脳されてない市民たち「…!」
警官「にひひひひ」
洗脳されてない市民たち「ぎゃあー!!」「わー!」
大口童子「もぐもぐ」「もぐもぐ」「もぐもぐ」「もぐもぐ」「もぐもぐ」 市民たち「東嶽大帝様、ばんざーい…」
トン・フーチン「これだけ信者が集まればいいアル。さあお前、悪魔くんのところへ案内するアル」
貧太「…」 青ピクシー「またまた」
赤ピクシー「ぬりぬり」
メフィスト2世「ふう。ん?」
ピクシー「わあ」
メフィスト2世「おい、何か聞こえねえか?」
悪魔くん「ん?なんだろう。こっちへ近づいてくる」
百目「ボク見てくるモン」
ヨナルデパズトーリ「…」 百目「わー!だモン!」
悪魔くん・ヨナルデパズトーリ「!」
百目「う…」
トン・フーチン「悪魔くん。そこにいるのは分かっているアル。出てくるヨロシ!」
悪魔くん「あ!」
百目「悪魔くん、大変だモン!」
市民たち「…」
ピクシー「…!」 ヨナルデパズトーリ「まずいんだわさ。みんな大口童子に良心を食べられているんだわさ」
トン・フーチン「悪魔くん、君の持っているソロモンの笛をもらいにきたアルよ」
メフィスト2世「なに寝言言ってやがる!お前は何者だ!」
トン・フーチン「ボクの名前はトン・フーチン。悪魔大使アル」
ヨナルデパズトーリ「む、その名前なら聞いたことがあるんだわさ」
悪魔くん「うん、確か善良な白悪魔だったはずだ。そうか、君も大口童子に良心を食べられてしまったんだね」
トン・フーチン「ははははははは。東嶽大帝様を信仰することは、死者と生者の世界に、落ち着きと平穏をもたらすことアル」
メフィスト2世「そんなバカな!」
トン・フーチン「それを君が乱そうとしているから、東嶽大帝様が立ち上がり、四界を混乱から守ろうとしているアルね」
悪魔くん「そんなことないよ。僕たちは悪魔も人間も妖精も、みんなが幸せになることを願って戦っているんだ」
トン・フーチン「違うアル!君は邪魔ばかりしているアル!東嶽大帝様が四界をおさめることは、すでに決められたことアル」
悪魔くん「そんな、勝手なことを!」 メフィスト2世「話すだけムダだぜ。悪魔くん」
トン・フーチン「その通りアル。さあ、おとなしくソロモンの笛をボクに渡すアル」
百目「東嶽大帝なんて大っ嫌いだモン。お尻ペンペン」
ピクシー「お尻ペンペン」
百目「だモン」
トン・フーチン「どうやらキミたちはボクの実力を知らないらしいアル」
悪魔くん「あ!」
百目「悪魔くん!」
ヨナルデパズトーリ「いかん。トン・フーチンの超能力で連れていかれてしまうわさ」
百目「っ!」
メフィスト2世「くそ!魔力、稲妻電撃!」
貧太「…」
情報屋「…」
メフィスト2世「どけ、邪魔だ!」
悪魔くん「やめるんだ、メフィスト2世!良心を食べられたみんなは、
トン・フーチンの意のままに操られているんだ」
ヨナルデパズトーリ「この際一旦退却するんだわさ」
メフィスト2世「しょうがねえ」
トン・フーチン「逃げてもムダアル。さあみんな」
市民たち「おーう…」 悪魔くん「わ!」
ヨナルデパズトーリ「魔法陣の中ならトン・フーチンの超能力も及ばないんだわさ」
百目「でもみんながくるモン」
市民たち「わー…」
赤ピクシー「ここはピクシーにお任せ」
青ピクシー「お任せ」
赤ピクシー「ドジョウのヒゲと、ゴビ砂漠に咲く蓮の花」
青ピクシー「中国4000年の秘伝の眠り薬と、ふかひれスープを混ぜてつくった睡眠線香だよ」
赤ピクシー「これを嗅いだらみんなぐっすりおやすみね」
青ピクシー「おやすみね」 市民たち「うぅ…」
メフィスト2世「うまいぞ、ピクシー」
ピクシー「せっせ。疲れるけど、せっせ」
市民たち「…」
大口童子「信者はまだまだいるじょ」
ヨナルデパズトーリ「悪魔くん、どうするつもりだわさ」
悪魔くん「方法はただ一つ。大口童子の中に入って、トン・フーチンとみんなの良心を助けだすんだ」
ヨナルデパズトーリ「えー。しかし、悪魔くん、
ひとつ間違えればわしらの良心まで食べられてしまうんだわさ」
悪魔くん「分かってる。でもそれしかないんだ」
ヨナルデパズトーリ「分かったんだわさ」
悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第4使徒幽子!」
幽子「…」
悪魔くん「幽子、照魔鏡の力を借りたいんだ」
幽子「分かったわ」 トン・フーチン「さあ、悪魔くん、観念してソロモンの笛を渡すヨロシ」
悪魔くん「メフィスト2世、大口童子のあごを外すことが出来るかい?」
メフィスト2世「やってみるぜ。やーい、大口童子の顔でかベイビー。大声ならこっちにも負けないのがいるぜ」
大口童子「なんだって?」
メフィスト2世「ひとつ勝負しようじゃないか」
ヨナルデパズトーリ「な、何をするであるか…わ、わしは大声なんてそんな」
悪魔くん「いいからいいから」
大口童子「お前がそうか。よし、勝負だ。いくぞ。はあー」
メフィスト2世「今だ。魔力、ツボツボ打ち!」
大口童子「あ、あ、あ、あ、あ」
トン・フーチン「ああ!」
ヨナルデパズトーリ「なるほど。あごのツボに針を刺して、口を閉じられないようにしたのであるな」
メフィスト2世「今だ、俺に捕まれ!」
大口童子「あ、あ」
トン・フーチン「しまったアル!…!」 メフィスト2世「へへ、あのステッキは簡単には抜けないぜ」
百目「それにしても中はすごく広いんだモン」
悪魔くん「きっとどこかにみんなの良心がとらわれているはずだ」
メフィスト2世「なんか足元がブヨブヨしてるぜ」
悪魔くん「ここは大口童子の胃だ。みんな、消化されないように気を付けろ」
トン・フーチン「こうなったらボクの超能力で大口童子の胃を暴れさせてやるアル!」 悪魔くんたち「わあ!」
百目「なんだモン!トン・フーチンやみんな良心はどこなんだモン!」
悪魔くん「あ!あったぞ!あれがトン・フーチンの良心だ」
幽子「でもどうやって助けるの?」
悪魔くん「僕がソロモンの笛を吹いて、みんなの良心を救い出す。幽子は照魔鏡でそれを吸い取るんだ」
幽子「分かったわ」
悪魔くん「良心よ、このソロモンの笛を力を借りて、呪縛から逃げだすんだ。(♪〜)」 メフィスト2世「またトン・フーチンの超能力だな。みんな、悪魔くんと幽子を守るんだ!」
百目「分かったモン!」
ヨナルデパズトーリ「よっしゃである」
メフィスト2世「くそ、魔力…あれ?あ、そうだ。えい、仕方がない。魔力、がりがりピクシー!」
ピクシー「キーン!」
百目「モーン!」
ピクシー「がりがり」
豆ユーレイたち「こちょこちょ」
幽子「照魔鏡!いいわ、悪魔くん」
悪魔くん「よし、脱出だ」
大口童子「あ、あ、あ、あ、あ」
百目「わーい、やったモン」
ヨナルデパズトーリ「大口童子は食べた良心が抜けてしまうと存在そのものが無くなってしまうのである」
トン・フーチン「こ、これまでアル」
悪魔くん「待て、トン・フーチン。忘れ物だ」
トン・フーチン「え?う、うわあー…」
悪魔くんたち「?」
トン・フーチン「ボ、ボクは」
悪魔くん「分かってるよ。みんな良心を食べられてしまったせいなんだ」
メフィスト2世「何も覚えていないって訳か。はあ」 トン・フーチン「そうだったアルか。みんなに迷惑かけたアル」
メフィスト2世「ま、気にするなって」
トン・フーチン「悪魔くん。魔界でも、白悪魔はどんどん少なくなっているアル。
みんなを守るために、ソロモンの笛は大切にして欲しいアル」
悪魔くん「うん、君たちはこれからどうするんだい?」
トン・フーチン「東嶽大帝に見つからないように、子鬼たちとどこかに隠れて暮らすアルよ」
悪魔くん「そうか、元気でね。きっと君たち白悪魔が平和に暮らせるようにしてみせるよ」 悪魔くん「さあ、幽子。みんなの良心も元に戻してやるんだ」
幽子「はい」
ヨナルデパズトーリ「メフィスト2世、百目、あとは頼むである。
わしらはまた見えない学校に戻って、東嶽大帝の居場所を探さなければならないんだわさ」
メフィスト2世「任せておけって」
百目「モン」 悪魔くん「女の時代だからって、急に張り切り出した母さんやエツ子たちが、
透明魔人のアムリタに騙されて魔女にされてしまう。
姿を見せない透明魔人から、母さんたちを救うにはどうしたらいいんだ?
悪魔くん。奥様たちは魔女がお好き!?
夢よ、とどけ君の心に」
『奥様たちは魔女がお好き!?』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 悪魔くん「映画に!?そんな約束したっけ?」
エツ子「したもん」
メフィスト2世「悪魔くんも忘れっぽいなあ」
エツ子「メフィスト2世さんも行くって行ったもん」
メフィスト2世「えー!そ、そうだっけ?」
エツ子「そうだもん。だから新しいお洋服にしたのに。二週間も前から約束してたのよ」
悪魔くん「ごめんよ、エツ子。大切な仕事があって今日はダメなんだ」
メフィスト2世「今度きっと付き合うよ」
エツ子「仕事仕事って、二人とも悪魔ごっこして遊んでるくせに。もういいわよ」
百目「エッちゃん、可哀想だモン」
悪魔くん「でも、しょうがないんだ。この間のトン・フーチンのように、
今は沢山の悪魔たちが動き出そうとしている時なんだ」
メフィスト2世「東嶽大帝の居場所や、究極の“六芒星”とか、調べなきゃならないことも山ほどあるしな」
悪魔くん「さ、百目。がんばるぞ」
百目「うんだモン」 茂「うーん…映画なら真吾と一緒に行ってくればいいじゃないか」
エツ子「お兄ちゃんがダメだからお父さんに頼んでんじゃない」
茂「うう、そんなこと言っても」
コハル「たまには付き合ってあげて」
茂「私だって色々忙しいんだ」
エツ子「そうは見えないわ」
コハル「どうせ寝るのに忙しいんでしょ」
茂「そんなことはない。こうしてる間にも漫画のアイディアが…」
コハル「いつもそうやってごまかすんだから」
エツ子「男の人って仕事仕事って勝手なことばっかり」
茂「もうほんとに分からんよ」
コハル「あなた!むう」
エツ子「むう」 百目「ああ、お腹空いたモン」
メフィスト2世「俺も」
悪魔くん「母さん、夕飯もう…!?」
百目「どうしたんだモン?」
悪魔くん「ストライキ?」
茂「そうなんだ。二人ともすっかりヘソを曲げちゃって夕飯をつくってくれないんだ」
メフィスト2世・百目「えー!」
メフィスト2世「そ、そんな。俺、悪魔くんの母ちゃんのラーメンだけが楽しみだったのにもう」
百目「うう…」
茂「なあ、母さん、エツ子。機嫌を直して夕飯つくってくれよ」
コハル・エツ子「べー」 アナウンサー『では、女性問題研究家としてご活躍の、アムリタさんにお話を伺ってみましょう』
アムリタ『全国の女性たちよ。もっと自由に、もっと強くなって、男たちに不平不満を爆発させるのです』
コハル・エツ子「むふーっ」
茂「ひええ、まだこれ以上強くなるの?」
アムリタ『女の時代と言われる現代。世の女性たちは、いつまでも男性に頼り』
茂「ああ、くわばらくわばら」
アムリタ『家の中に閉じ込もっていてはいけません』
コハル・エツ子「そうだー!」
メフィスト2世「死神屋のラーメンでも食いに行こうっと」
悪魔くん「気をつけてね。あーあ、カップ麺でも食べるか」
百目「モーン…」 コハル「さあ、エツ子行くわよー」
エツ子「ええ、お母さん」
コハル「ファイト」
エツ子「ファイト」
コハル「ファイト」
エツ子「ファイト」 コハル「あら、先生、皆さん」
先生「真吾くんのお母さん」
先生・貧太の母・キリヒトの母「おはようございます」
コハル「まあまあ、おはようございます」
先生「みなさん、昨日のテレビをご覧になって」
コハル「あら、私たちもですのよ」
先生「じゃあご一緒に」
コハル「ええ、そうさせてもらいます」
先生・コハル「おほほほほほ」 悪魔くん「父さん、母さんとエツ子は?」
茂「ジョギング。女の時代だから体力をつけるんだってさ」
百目「朝もカップ麺かモン…」
悪魔くん「そうしょげるなよ」 エツ子「ファイト」
先生・コハル・貧太の母・キリヒトの母「ファイト…」
エツ子「ファイト」
先生・コハル・貧太の母・キリヒトの母「ファイト…」
エツ子「お母さん、みんなもしっかり」
コハル「ああ、女の時代といっても、長年の三食昼寝付き…体がなまっちゃって」
キリヒトの母「神様…」
先生「でも、アムリタが言うには、それも男性の作戦だってことでしたわね」
コハル「もう一度若い頃に戻れたらねえ」
エツ子「今からだって大丈夫だってば」
アムリタ「その子の言う通り」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「?」
アムリタ「今からでも決して遅くないわ」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「アムリタ!」 アムリタ「魔女になるのよ」
コハル「魔女?」
アムリタ「そう、魔女になればどんな願いも叶えられる。楽しいこと、やりたいことをどんどんやるの」
キリヒトの母「魔女なんて恐ろしい」
アムリタ「うっ…おほほほほ。魔女が恐ろしいなんてホラー映画の見過ぎだわ。
現代でも、成功して有名になった女性の中には、魔女も沢山いるのよ」
先生「でも、やっぱり怖いわ」
コハル「第一うちの真吾じゃあるまいし、信じられないわ。ねえ」
先生・貧太の母・キリヒトの母「うん」
アムリタ「だったらどうかしら?しばらく魔女の道具を使って試してみるっていうのは。
魔法の呪文も教えてあげるわ。さあ、どれでも好きなの選んでいいのよ。
ただし、このことは誰にも秘密よ」
先生・貧太の母・キリヒトの母「…」
コハル・エツ子「…」 貧太「エッちゃんとおばさんがストライキか。そりゃあ大変だな」
悪魔くん「エツ子との約束破っちゃった僕も悪いんだけどさ」
百目「早く元に戻って欲しいモン…」
貧太「アムリタっていえば、うちの母さんもかぶれちゃってさ。父さん弱ってたよ」
悪魔くん「どこも一緒だね」
貧太「うん」 エツ子「い、行ってきます。はあ、完全に遅刻だわ。あ、ダメで元々だもんね。試してみようかな。
えーと、アブラカダブラブレアリオス。…。
あーやっぱダメか。あ、あ、ちょっと、わー!と、と、飛んでる!気持ちいいー」
先生「遅刻、遅刻」
エツ子「あ、先生!」
先生「?」
エツ子「先生もご一緒にどうぞ」
先生「えー!」
貧太「あの宿題できた?」
エツ子「お兄ちゃーん!百目ちゃーん!」
先生「急がないと遅刻ですよー!」
悪魔くん「ん」
貧太「あれ。気のせいかな」
悪魔くん「うん」 コハル「♪〜」
犬「ガルルルル…」
コハル「あ、そうだ。アブラカダブラブレアリオス。ああー」
犬「キャンキャン」
コハル「はぁ…やった!」 スーパーの店員「はい、押さないで押さないで!ダメだ奥さん割り込んじゃ、そこ!ほら!」
貧太の母「はー間に合わなかった。せっかく月に一度の大安売りの日なのにねえ。あーあ。待てよ。
アブラカダブラブレアリオス」
客たち「!?」
貧太の母「お、お、すごいわ。はいはいはい、ごめんあそばせ。おほほほほ」 キリヒトの母「(男のくせにか弱い女性に席ぐらい譲ったらどうなの。あ。
アブラカダブラブレアリオス。アブラカダブラブレアリオス。アブラカダブラブレアリオス)」
乗客の男たち「うお!」
キリヒトの母「あら、おほほ。皆さんお座りにならないの?じゃ遠慮なく」 アムリタ「ふふふふふふ。さあ、もっと魔法を使え。魔女になりたいと願うのだ。
悪魔くん、のんびりしてられるのも今のうちだ。ふふふふ」 先生「はい、じゃあ今日はこれで終わり」
百目「起立、礼だモン」 先生・エツ子「やっほー!」
エツ子「最高!」
先生「魔女になるのも悪くないわね。私もーっと色んな魔法が使ってみたーい」
エツ子「そうよ。魔女になれば男なんてヘのカッパよ」
先生「魔女が女の時代を開くのね」
エツ子「アムリタのところへ行きましょうよ」
先生・エツ子「イエーイ!」 メフィスト2世「むにゃむにゃ…もう一杯おかわり」
先生・エツ子「イエイ!」
メフィスト2世「うわ!なんだ?」
エツ子「男なんてくたばっちゃえー!」
先生「イエイ!」
メフィスト2世「エッちゃん!」 貧太「なんだか、今日の先生変だったね」
悪魔くん「うん、やけにはしゃいでたけど何か良いことでもあったのかな」
貧太「さあ」
メフィスト2世「悪魔くーん!大変だ!大変だ!ま、魔女のほうきがエッちゃんに乗って飛んでった!」
悪魔くん・貧太・百目「はあ?」
メフィスト2世「あ、じゃなかった。エッちゃんが魔女のほうきに乗って飛んでったんだよ!」
悪魔くん・貧太・百目「えー!」
メフィスト2世「先生も一緒だったんだぜ」
悪魔くん「どういうことだろう」
百目「調べてみようモン」
悪魔くん「うん」 エツ子「アムリタ、ほんとに誰でも魔女になれるの?」
アムリタ「そうよ。簡単な儀式さえ受ければね」
キリヒトの母「神様の罰が当たらなきゃいいけど」
アムリタ「ほほほほほほ。疑り深いのねえ」
貧太の母「大丈夫ですよ」
先生「ええ、何も魔法を悪いことに使おうってわけじゃありませんもの」
キリヒトの母「そりゃあまあ」
アムリタ「じゃあ皆さんよいのですね?」
エツ子「ええ、お願いしまーす」 アムリタ「さあ、こちらへ」
コハル「じゃあ失礼して」
アムリタ「魔女の儀式は本来夜にやるものなんだけど、なんとかやってあげるわ」
コハル「何から何まですいません」 メフィスト2世「確かにこっちの方へ飛んでったはずなんだがなあ」
悪魔くん「あれ?あんなところにあんな家あったっけ?」
百目「怪しいモン」
メフィスト2世「よし、降りてみよう」 アムリタ「ではこれより、魔女誕生の儀式を行う。祭壇へヒキガエルを供えよ」
コハル「気持ち悪い」
エツ子「これくらい我慢しなきゃ」
アムリタ「偉大なる邪悪の王に従い、暗闇に棲める影どもよ。
その醜き姿を今一度我の前に現わし、その呪いの力を分け与えよ」
妖婆たち「ひひひひひひ」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「ぎゃー!」
コハル「こここ、このおばあさんたちは!?」
アムリタ「ふふふふふ。あなたたちが悪魔と契約を交わすのを見届ける妖婆たちよ」
キリヒトの母「あ、悪魔と契約?」
先生「そんな話…聞いてませんわ」
アムリタ「魔女になるのを望んだのはあなたたちの方よ。さ、人間の心と引き換えに、
魔女の魔力を手に入れるのよ」
妖婆たち「ひひひひひひ」
エツ子「わ、私やっぱり帰る」
アムリタ「かーっ!」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「わあ!」
アムリタ「ふふふ、もう遅いよ。お前たちは悪魔に魂を売り渡したのさ」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「あわわわわ。きゃー」 悪魔くん・貧太・百目「!?」
悪魔くん「下から聞こえたぞ」
百目「階段は上に向かってるモン」
メフィスト2世「よし、下がってな。魔力、マシンガンパンチ!」
悪魔くん・百目「うわ!」
メフィスト2世「どうだ!」
悪魔くん「あったぞ、入り口だ!」
アムリタ「来たな!」 悪魔くん「あ、エツ子、母さん!」
貧太「母さん!」
百目「先生もいるモン」
貧太「悪魔くん、これは?」
悪魔くん「これは魔女誕生の儀式だ」
貧太「魔女誕生!?」
アムリタ「はははははは」
悪魔くん「アムリタ、お前の正体は一体」
メフィスト2世「よし、魔力、稲妻電撃!」
アムリタ「うわははははは」
メフィスト2世「ど、どうなってんだ」 悪魔くん「お前は透明魔人!」
透明魔人「この世の女どもを全て魔女にし、私の意のままに支配してくれよう。
さあ、妖婆どもよ。女どもに悪魔の紋章をつけるのだ」
悪魔くん「みんな逃げるんだー!エツ子ー!母さん!先生!」
貧太「母さん、逃げて―!」
妖婆たち「ひひひひひひ」
悪魔くん「どうしちゃったんだ、みんな」
透明魔人「ムダだ。彼女たちはすでに悪魔に魂を売ったのだ」
貧太「悪魔くん、母さんたちを!」
メフィスト2世「くそー!どけ!」
透明魔人「ぎゃーっはっはっはっはっは」
メフィスト2世「消えた!どわあ!」
悪魔くん「メフィスト2世!」 透明魔人「さあ、今度はヒキガエルのスープを飲むのだ」
悪魔くん「あれを飲んだら完全な魔女になってしまう」
貧太「母さん!」
百目「飲んじゃダメだモン!ポーン!ん?うわー、モーン…」
貧太「母さん、ダメだよ!」
透明魔人「わはははは。これで魔女誕生の儀式は全て終わった。
さあ、魔女たちよ。悪魔くんを倒すのだ。わはははは」
メフィスト2世「え、まさか…」
先生・コハル・エツ子・貧太の母・キリヒトの母「アブラカダブラブレアリオス。アブラカダブラブレアリオス…」
メフィスト2世「エッちゃんたち相手じゃ魔力も使えないぜ」
悪魔くん「うん、透明魔人を倒すしかない」 悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!出でよ、第4使徒幽子!」
幽子「悪魔くん」
悪魔くん「幽子、照魔鏡で透明魔人の姿を捕まえてくれ」
幽子「はい」 メフィスト2世「あたたたた。エッちゃん痛いよ」
貧太「母さんをぶたないでねー!」
メフィスト2世「悪魔くん早く何とかしてくれ」
幽子「照魔鏡!」
悪魔くん「(どんな魔力を使って姿を消しても、照魔鏡なら映し出すはずだ)」
メフィスト2世「いい加減に。やめろってば。暴力はんたーい」
幽子「豆ユーレイちゃん、お願い」
豆ユーレイたち「はーい。透明魔人。とん魔人。スケスケ魔人やーいやい」
悪魔くん「…」
豆ユーレイたち「透明魔人。とん魔人。スケスケ魔人やーいやい」
悪魔くん「いるぞ!」
幽子「えい!」
透明魔人「わあ!」
豆ユーレイたち「ひえー」
透明魔人「うわあ、身体が…動かん…しまった!」
悪魔くん「メフィスト2世、死出のメロディーを!」
メフィスト2世「分かった。魔力、死出のメロディー!」
透明魔人「ぎゃ、ぎゃああああああああ!!!!!」
貧太・百目「!?」
透明魔人「わ、私の負けだ。だが一度魔女になった者は、再び元に戻ることは出来ん。わははは…」
悪魔くん・幽子「…」 貧太「悪魔くん、母さんたちはもう元に戻れないのかい?」
幽子「貧太さん、魔法は透明魔人が使ったような黒魔術と呼ばれる悪い魔法ばかりじゃないの」
貧太「え?」
悪魔くん「うん、白魔術を使えば元に戻すことができるかも。やってみよう」 悪魔くん「セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン。
セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン」
貧太「母さん…母さん…」
悪魔くん「セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン。悪魔の怨霊を討ち払いたまえ。
セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン。悪魔の怨霊を討ち払いたまえ。
セナポウステルピタ、エスタモウスペルピテイノウタラン…」
貧太「ああ、母さん!ありがとう。悪魔くん」
悪魔くん「貧太くん」
百目「やったー!やったモン!」
悪魔くん「みんなすぐに目が覚めるよ。僕たちは姿を隠そう」
百目「ボクこれからはママさんのお手伝いいっぱいするモン」 魚屋「さあさあさあ、閉店大安売りだよ!急がないと無くなっちゃうよ!」
貧太の母「ああ大変!晩のおかずが」
キリヒトの母「なんだってあんなところで寝てたのかしら」
貧太の母「待ってちょうだーい!」
魚屋「さあ、らっしゃいらっしゃい!」
貧太「魔女にならなくても母さんたちは強いや」 茂「さあ、出来たぞ。埋れ木家特製のカレーだよ」
悪魔くん「たくさん食べてね」
百目「ボクも手伝ったんだモン」
コハル「もうストライキは中止したんですから」
エツ子「そんなにされると返って気味が悪いわ」
メフィスト2世「エッちゃん」
エツ子「ん?」
メフィスト2世「ほら」
エツ子「わあ、映画の券ね」
メフィスト2世「今度こそみんなで行こうな」
エツ子「う、うん」
茂・コハル・悪魔くん・エツ子・メフィスト2世・百目「いっただきまーす」
茂「さあさ、お母さんお食べ」
コハル「はいはい」
茂・コハル・悪魔くん・エツ子・メフィスト2世「もぐ。ん、んん…」
百目「モ、モーン…」
茂・コハル・悪魔くん・エツ子・メフィスト2世・百目「からーい!!!!」 悪魔くん「悪魔界に三万年ぶりの地震が襲い、見えない学校が地割れの底へ落ちてしまうんだ。
そしてメフィスト2世をおびき出す賞金稼ぎの黒悪魔、気球魔人が現れた。
火山の爆発と毒ガスの中で、メフィスト2世は溶岩の中へ。
死なないで、メフィスト2世。
悪魔くん。狙われたメフィスト2世。
夢よ、とどけ君の心に」
『狙われたメフィスト2世』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 東嶽大帝「悪魔くんに従う12使徒をはじめ、このわしの命令に背いた悪魔たちを一人残らず処罰するのだ」 茂「おや?なんだい。おにぎりなんて握って」
コハル「今日は学校中でとんがり山に写生に行くらしいんですよ」
百目「だからお弁当つくってるんだモーン」
エツ子「お母さんに任せとくと梅干ししか入れないんだもの」
コハル「私も菅山さんの奥さんと出かけなくちゃならないんで、
お父さんのお昼もおにぎりつくっておきますからね」
茂「うんうん」
悪魔くん「おはよう、みんな」
エツ子「お兄ちゃんたらもう遅いんだから」
コハル「最近ますます夜更かしの癖がついたみたいね。また悪魔だか魔法だかのこと調べてたんでしょ」
百目「それが大事なことだモン。だから悪魔くんのお弁当もボクが握っといたモン」
悪魔くん「な、なんだよ。このおにぎり」
茂「ははは。それじゃあサッカーボールじゃないか」
茂・コハル・悪魔くん・エツ子・百目「ははははははは」
メフィスト2世「ちぇ、これ今日はラーメンはご馳走してもらえそうもないな」 チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
ガハハ3人組(1)「あーあ、退屈だなあ」
ガハハ3人組(2)「仕方ないっすよ。悪魔城に戻る訳にも行かないし」
ガハハ3人組(1)「悪魔くんをやっつけるどころかドジばっかりで、
東嶽大帝様に完全に見切りをつけられちまったからなー」
黒小人A「おーい、ガハハ」
ガハハ3人組(1)「黒小人たちじゃねえかい」
黒小人A「聞いたか?東嶽大帝が12使徒と一緒に、悪魔くんを狙って失敗した者たちにも賞金を懸けたらしいぜ」
ガハハ3人組(1)「なんだって!」
ガハハ3人組(2)「兄貴。ひょっとして俺たちも?」
黒小人A「気を付けろよ。賞金稼ぎの気球魔人とピラドクロが動き出したって噂だ」
ガハハ3人組(1)「地震だ」
チビコウモリ・メスコウモリ「キー!」
黒小人A「か、火山が」 幽子「きゃあ」
鳥乙女「ああっ」
こうもり猫「ぐげ」
家獣「バウー」
豆ユーレイたち「ゆーれー、ゆーれー、ゆーれいひー」
ヨナルデパズトーリ「大きいんだわさ。なんであるか?」 ガハハ3人組「…気球魔人!」
気球魔人「見つけたぜ。裏切り者たちめ」
ガハハ3人組「ひえー!」
ガハハ3人組(2)「あーピラドクロ!」
気球魔人「ははははは。逃げられへんでえ」
チビコウモリ・メスコウモリ「キキー!」
黒小人たち「助けて―!」
ガハハ3人組(2)「お助けをー」
ガハハ3人組(1)「お、俺たち、東嶽大帝様を裏切るような真似はしてませんぜ」
気球魔人「ふふふふ。心配するな。お前たちのようなザコのクビを取ろうとは思わねえ」
ガハハ3人組「!?」
気球魔人「ひと働きしてもらいたいのさ。上手くいけば悪魔城に戻れるように東嶽大帝様に口を聞いてやってもいいぜ」
ガハハ3人組(1)「え、ほんとですかい!」
ガハハ3人組「ありがとうございます!気球魔人様」
ガハハ3人組(2)「良かったですね、兄貴」
ガハハ3人組(1)「それで何をすればいいんでげしょ」
気球魔人「12使徒の一番の腕利きといわれる、メフィスト2世をここに連れてくるんだ。
俺がそのクビを取って、東嶽大帝様の前に差し出してやる」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー!」
黒小人たち「おお…」
ガハハ3人組「…」
気球魔人「メフィスト2世なら賞金もでかいし、俺の実力にふさわしい相手さ」
ピラドクロ「あいつはラーメンが好物や。魔界中のラーメン屋を探すんや。ぐずぐずせんとはよ行かんかい」
ガハハ3人組(1)「へい、お任せ!」
ガハハ3人組「がはは、がはは、がははのは」 気球魔人「ふははははは」
ピラドクロ「はははは。お前らはわいの餌になるんや。観念しい」
黒小人たち・チビコウモリ・メスコウモリ「…」 ヨナルデパズトーリ「魔界にとっては三万年ぶりの地震だわさ。震源地は魔界北東のキメ村付近」
こうもり猫「あはは、まさか東嶽大帝のせいで火山まで三万年の眠りから覚めたなんてことはないでげしょね」
鳥乙女「調べに行った方がいいんじゃないかしら」
ヨナルデパズトーリ「そうしたいんじゃが、ここでわしらが大っぴらに動き出したら、
見えない学校の所在を東嶽大帝に知られてしまう恐れがあるのである。
今の状態で襲われたら防ぎきれないんだわさ。お」
こうもり猫「まただー」 鳥乙女「このままでは見えない学校が地割れに飲まれてしまうわ」
ヨナルデパズトーリ「うーむ、弱ったのである」
こうもり猫「もうやだ、こんなとこ。あ、何?」
ヨナルデパズトーリ「こうもり猫、キメ村の調査はお前に任せるんだわさ」
こうもり猫「え、どうして?」
ヨナルデパズトーリ「他のみんなは力を合わせて見えない学校を地割れから救うのである」
12使徒たち「はーい」「バウー」
こうもり猫「ちょちょちょっと、なんであっしが行かなきゃなんないの?」
ヨナルデパズトーリ「こうもり猫は白悪魔と黒悪魔の中間、いわば灰色悪魔だと思われているからして、
万が一捕まって見えない学校の所在を聞かれても、12使徒をクビになったと言い訳が出来るんだわさ」
こうもり猫「なーる…ってそんなめちゃくちゃな!おいなんだよ!あっしは正義に燃える純白悪魔だぞ!いてててて…」
鳥乙女「いいから早く行きなさい」
こうもり猫「あー痛かった」
鳥乙女「さあ、みんな。表に出て見えない学校を守りましょう」
12使徒たち「はーい」「バウー」
こうもり猫「ちぇ、なんでえ。魔眼にやらせりゃいいじゃないか」
ヨナルデパズトーリ「魔眼は今ひとつしか動けないんだわさ」
こうもり猫「え?」
ヨナルデパズトーリ「悪魔くんを呼びに行ってもらう大事な役目があるんだわさ。頼むであるぞ」 メフィスト2世「お?また揺れてやがる。しつこい地震だぜ」
ガハハ3人組(2)「いるいる。いましたぜ、兄貴」
ガハハ3人組(1)「がはは。早速作戦開始だ」
メフィスト2世「ずるずる」
店員「いらっしゃい」
ガハハ3人組(1)「そういうこと。そういうこと」
ガハハ3人組(2)「だからあっしが言ったでしょ、兄貴」
メフィスト2世「(ガハハ3人組じゃねえか)」
ガハハ3人組(1)「やっぱり魔界広しといえども一番強いのはメフィスト2世だな」
メフィスト2世「(へへ、照れるね、どうも。こいつら分かってるじゃねえか)」
ガハハ3人組(2)「でも兄貴。気球魔人もなかなかのもんですぜ。
メフィスト2世のクビに懸かった賞金を狙って動き出してるとか」
メフィスト2世「(気球魔人だと?誰だ勝手に俺に賞金なんか懸けやがったのは)」
ガハハ3人組(1)「なーに、メフィスト2世が本気になればちょろいもんさ」
ガハハ3人組(2)「そうですかね。なんでも、メフィスト2世は気球魔人が恐ろしくて逃げ回ってるって噂ですぜ」
メフィスト2世「なんだと!誰が逃げ回ってるって!?どこにいるんだ、その気球魔人ってのは!」 悪魔くん「Zzz…」
貧太・情報屋・キリヒト・百目「?」
百目「悪魔くん。悪魔くんったら」
悪魔くん「…ん?あ、魔眼!だ、だ、ダメ!」
貧太「悪魔くん、なに寝ぼけてるんだよ。邪魔だよ。どいてよ」
悪魔くん「そうか。普通の人間には見えなかったんだ」
情報屋「そりゃ普通じゃないよ。悪魔くんは」
貧太・情報屋・キリヒト「あはははははは」
百目「悪魔くん」
悪魔くん「うん」 ヨナルデパズトーリ「…という訳なのである。悪魔くん。
魔界トンネルを転送するからして、すぐにこっちに来て欲しいのである」
悪魔くん「うん、分かったよ。行くぞ、百目」
百目「うんだモン」 こうもり猫「ったく、つまんない仕事ばっかりあっしに押しつけるんだから。
うわ、なんだ!前が見えない!あがっ!
ああ…目の前を水金地火木土天冥界がぐるぐるぐるぐるって。
もうなんだってえのよ。指名手配?
ありゃーどっかで見たいい男だと思ったらあっしじゃないっすか。
あ、鳥乙女…え、メフィスト2世も。百目も。家獣もあるじゃないの。
どうなってんの。ん、ん?なんだ?ん…わああ!!」
ピラドクロ「んはははははは。んはははは」 こうもり猫「ああ、助けてったら。あっしは見えない学校を追い出されたんだから。
12使徒をクビになったんすよ。正真正銘の真っ黒悪魔なんだってば」
ピラドクロ「ごちゃごちゃうるさいで。12使徒の中で一番賞金の安いお前なんか気球魔人は相手にしとらんわい」
こうもり猫「じゃあ助けてくれるんすか?」
ピラドクロ「アホか。わいが蒸し焼きにして食うたるわ」
こうもり猫「えー、やめて!あっしはそんなにうまくないすよー」
ピラドクロ「かまへんかまへん。わてはゲテモノ食いやさかい」
こうもり猫「そんなー!助けて、悪魔くん大先生」
黒小人たち「あー!」
チビコウモリ・メスコウモリ「キー!」
こうもり猫「わー!火口に下降するよーなんてバカなこと言ってる時じゃないのに!」 家獣「バウー!」
百目「根性だモン!」
鳥乙女「もうこんな時にメフィスト2世はなにやってるのかしら」
ピクシー「頑張れ頑張れフレーフレー」
ヨナルデパズトーリ「博士のメモに書いてあることは全てやってみたが、
どうにもならんのだわさ。こうもり猫からもなんの連絡もないのである」
悪魔くん「すぐに魔眼を調査に差し向けるんだ」 ガハハ3人組「がはは」
メフィスト2世「どこだ、気球魔人は」
こうもり猫「助けてー。助けてー」
メフィスト2世「こうもり猫」
こうもり猫「あ、メフィスト2世しゃま。助けに来てくれたんでやんすね」
黒小人たち「助けてくれー」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
メフィスト2世「チビコウモリに黒小人」
ガハハ3人組「がはは」
ガハハ3人組(1)「今日こそ最期でげすよ。メフィスト2世」
メフィスト2世「お前ら、さっきのは俺をここに連れてくるための芝居だったのか」
ガハハ3人組「がはは」
ガハハ3人組(1)「これで俺たちは悪魔城に戻れるのだ」
ピラドクロ「おめでたいやっちゃな。あんなこと本気にしてたんかいな」
ガハハ3人組「うわー!」
ピラドクロ「お前らはわいがご褒美にもらう餌よ」
ガハハ3人組「助けてー!」
メフィスト2世「何しやがんでい!どわあ!」 12使徒たち「わあ!」
ヨナルデパズトーリ「こうなったら、12使徒たち全員で“六芒星”を描き、
見えない学校を浮上させるしかないわさ」
悪魔くん「うん、こうもり猫とメフィスト2世を呼ぼう。!?
こうもり猫!チビコウモリたち!ガハハ3人組!黒小人たちも!」
ヨナルデパズトーリ「メフィスト2世もいるんだわさ」 気球魔人「メフィスト2世、お前の相手はこの俺だ」
メフィスト2世「出たな、気球魔人。さてはこの地震もお前の仕業か」
気球魔人「俺の力は、この火山のエネルギーと連動しているんだ。
ガスを吸って大きくなればなるほど火山の活動も大きくなる」
悪魔くん「全ては気球魔人のせいだったのか」 気球魔人「むう…」
こうもり猫「熱い熱い。本当に熱いよ」
メフィスト2世「この野郎」
悪魔くん『メフィスト2世!』
メフィスト2世「悪魔くん」
悪魔くん『ほっといたら魔界中に被害が広がってしまう。こっちも見えない学校が地割れに落ちて動けないんだ』
メフィスト2世「なんだって!見えない学校が?」
悪魔くん『だからメフィスト2世、何としても気球魔人を倒して、火山の大爆発を止めてくれ』
メフィスト2世「分かった。ここは俺に任せろ。行くぜ、気球魔人。魔力、ハットノコギリ!おお」
気球魔人「むう!」
メフィスト2世「わあ!」
こうもり猫「メフィスト2世!おお、ああ、やめて。メフィスト2世と心中なんが嫌だよ」
メフィスト2世「待ってろよ。やつらを片付けてから助けてやらあ」
こうもり猫「何とかしろ」
気球魔人「むう」 悪魔くん「(♪〜。見えない学校、君は生きているんだろう?お願いだ。目覚めてくれ)」
12使徒たち「うう…」「バウー」 メフィスト2世「えい!」
ピラドクロ「ぎゃはははは。なんぼやってもムダやっちゅうのに」
チビコウモリ・メスコウモリ「ガリガリ」
気球魔人「ぷうー」
メフィスト2世「あっ…」
こうもり猫「メフィスト2世!あ!」
気球魔人「ふふふふ。そのまま二人とも溶岩に落ちて、 骨まで溶けてしまえ」
黒小人たち「早くしないと」
気球魔人「はははははは」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
黒小人たち「今だ!」
ピラドクロ「あ、おんどれら」 こうもり猫「ぎゃあー!あ、あれ、どういうこと?」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
黒小人たち「…」
ピラドクロ「くそ、わいのもんや。逃がさへんで。あら?」
ガハハ三人組「このやろ」
ピラドクロ「なんつーことするねん」
ガハハ三人組「わー!」
こうもり猫「助かった。早く縄を」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
気球魔人「こうなりゃまとめて」
ピラドクロ「もう逃がさへんで」
気球魔人「ぷうー」
ピラドクロ「わああああ!!!」
こうもり猫・チビコウモリ・メスコウモリ・ガハハ三人組・黒小人たち「!」
ガハハ三人組・黒小人たち「やったやった」
気球魔人「ドジなピラドクロめ」
こうもり猫「大丈夫でげすか?メフィスト2世」
メフィスト2世「油断したぜ」
気球魔人「ふふふふ、やっと面白くなったなあ」
メフィスト2世「逃げろ。毒ガスにやられるぞ」
気球魔人「もあー」
メフィスト2世「あれ以上、気球魔人が大きくなったら、火山が大爆発して大変なことになるぞ。
こうなったら最後の切り札だ。魔力、角電撃!」 悪魔くん「(どうしたんだ、見えない学校。 このままでは地割れに落ちてしまう。
もう一度、僕たちに答えてくれ)」
12使徒たち「う…」「バウー…」 メフィスト2世「ダ、ダメか」
気球魔人「メフィスト2世。俺の勝ちだな」
メフィスト2世「ああっ」
こうもり猫「メフィスト2世!」
気球魔人「俺の体の中からは逃げられない。毒ガスの餌食になるがいい」
メフィスト2世「(そうか。 やつはガスの塊なんだ。毒をもって毒を制す)」
気球魔人「どうだ、じわじわと死んでいく気分は」
メフィスト2世「…ふっ」
気球魔人「何をする!」
メフィスト2世「た、頼むぜ。魔力、絶対零度!」
気球魔人「おおおおお!!ああああああ!!」
メフィスト2世「(ガスが燃え尽きてエネルギーを全部使い果たしてしまえ)」 ヨナルデパズトーリ「共鳴しとるんだわさ。見えない学校が。
悪魔くんの吹くソロモンの笛に」
12使徒たち「?」
鳥乙女「見えない学校が」
百目「自分の力で動き出したモン」
家獣「バウー」
ヨナルデパズトーリ「まさに見えない学校が、蘇ったんだわさ」
悪魔くん「…」 こうもり猫「…」
チビコウモリ・メスコウモリ「…」
ガハハ三人組「…」
黒小人たち「…」
こうもり猫「メフィスト2世!待ってましたー」
メフィスト2世「やったぜ」
こうもり猫「よくやってくれたぜ、ああ、泣けるぜ」
メフィスト2世「こ、これで、火山の怒りも静まるはずさ。もう心配ねえ」 メフィスト2世「という訳なんだ」
ピクシー「ぬりぬり。ぬりぬり」
メフィスト2世「こいつらも黒悪魔たちに狙われてるって訳よ」
悪魔くん「東嶽大帝は、とうとう賞金までかけて白悪魔たちを狙い始めたのか。
これからは12使徒と一緒にいればいいよ。見えない学校が守ってくれるはずさ」
チビコウモリ・メスコウモリ「キーキー」
ガハハ3人組「がはは、がはは、がははのは」
黒小人たち「わーい」
悪魔くん「見えない学校、あとは“六芒星”を完成させることだね」 悪魔くん「究極の六芒星を完成させるために研究を続ける僕を、ラルヴァ達が襲ってくる。
そして幽霊船を使って、見えない学校の生命エネルギーを吸い取ってしまうんだ。
このままでは見えない学校が死んでしまう。
僕が行くまで頑張るんだ。
悪魔くん。生きかえれ!見えない学校。
夢よ、とどけ君の心に」
『生きかえれ!見えない学校』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 パイロット「お、機長。あれは…」
機長「あ、あれはセントエルモの火だ」
パイロット「ゆ、幽霊船だ」
機長「ぶつかるぞ!ど、どうなったんだ」 アナウンサー『昨夜、北大西洋洋上で、嵐のため墜落したと思われた飛行機が発見されましたが、
付近の海上で無事救助された二人のパイロットの話によりますと、
空中で巨大な帆船に衝突したということです。この不思議な事件に、当局も首をかしげております。
さて、次のニュースですが…』
エツ子「ふーん、変な事件。飛行機が船と衝突するなんて、
きっとパイロットが居眠りしてたに違いないわ。よいしょ」
茂「そりゃそうと真吾たちの姿を見かけないな。日曜だから遊びにでも行ったのかい?母さん」
コハル「それが、朝から古本屋さんに行ってくるって。最近古本屋さんに凝ってるみたいなの」
茂「古本屋か。なかなか渋い趣味だな」
エツ子「どうせ悪魔の研究よ。お兄ちゃんが漫画以外に他の本読むわけないもん」 古本屋「あんたたちね、朝からずっとそんなところで立ち読みされたんじゃあ、いい迷惑だよ」
百目「ボクたちの他に誰もお客さん来ないモン。おじさんも一人じゃ寂しいモン」
古本屋「ふん、大きなお世話だ」
メフィスト2世・百目「ぶわあ」
メフィスト2世「第一俺たち立ち読みじゃなくて座って読んでるぜ。なあ悪魔くん」
悪魔くん「あった!」
古本屋「!」
百目「何があったのかモン」
メフィスト2世「早く早く、悪魔くん」
悪魔くん「うん、いいかい?この世界魔法偉人伝によると、
偉大なるソロモン王は、究極の魔法を自らの墓にしるし、それはソロモンの鍵と呼ばれた。
つまり、ソロモン王の墓に究極の”六芒星”をつくる鍵が残されているに違いないよ」
百目「そのお墓どこにあるのかモン?」
悪魔くん「うーん、そこまでは書いてないなあ」
メフィスト2世「なんだ、喜ばせるなよ」
悪魔くん「別の本に出てるかも知れないよ。さ、もうひと頑張りして調べてみよう」
メフィスト2世「よし、やるか」
百目「頑張るモン」
古本屋「はあ、好きにやってくれ」 こうもり猫「よいしょっと、と、ほんとによいしょだぜ。よっ、魔眼。見張りご苦労さんだね」 こうもり猫「よっこらしょっと。やれやれ。しかしよお、なんだって俺がこいつらの世話しなきゃなんないの?」
鳥乙女「文句言わないの」
幽子「みんな、安心して隠れ里に住めるようになるまで、ゆっくりしてってちょうだいね」
ヨナルデパズトーリ「それまでこうもり猫が面倒見てくれるわさ」
こうもり猫「冗談じゃねえよ。ったくもう。あー、俺の分も残しておけよ」
ガハハ3人組「がはは」
こうもり猫「ガハハじゃないよ。お前ら居候なんだから、少しは遠慮ってものがあるでしょ!」 ラルヴァの手下A「めっけめっけ」
ラルヴァの手下B・C「?」
ラルヴァ「そうか。見えない学校のありかが分かったか」
ラルヴァの手下A「ただ、魔眼とかいうでかい目玉野郎が見張ってやがるんで」
ラルヴァ「構うもんか。あの学校さえ始末すればいかに悪魔くんでも東嶽大帝様に逆らうことは出来ん。
だから東嶽大帝様も喜んで俺たちの望みを叶えてくれる訳だ」
ラルヴァの手下B「では頭。悪魔くんは」
ラルヴァ「あとでじっくり料理してやるさ。それより今は悪魔くんを見えない学校に近づけさせるな。
あの小僧と見えない学校が力を合わせることによって、ルキフェル様も葬られたのだからなあ」
ラルヴァの手下A「でも頭、見えない学校をやっつければ、あっしたちは本当に東嶽大帝様に人間に戻してもらえるんで?」
ラルヴァ「そうだ。見えない学校の生命エネルギーを奪い取るのがその条件だ。行くぞ、者ども!」
ラルヴァの手下たち「おー!」 悪魔くん「それじゃね、おじさん」
古本屋「やれやれ。やっと帰る気になってくれたか」
百目「昼ご飯食べに帰るだけだモン」
メフィスト2世「すぐ戻ってきてやるからな」
悪魔くん「じゃ、またあとでねー」
古本屋「もう、来なくて結構!」 こうもり猫「ん?なんだありゃ」
ヨナルデパズトーリ「まるでセントエルモの火である」
鳥乙女「セントエルモの火?」
ヨナルデパズトーリ「昔から北大西洋では、嵐の夜などにその不思議な火が現れると、
必ず船は嵐に巻き込まれて沈んだというのである。
水夫たちはそれをセントエルモの火といって恐れたのである」
鳥乙女「でもどうしてそんなものが魔界に?」
こうもり猫「あ、船まで現れたぜ」
12使徒たち「ああ」 ラルヴァ「行け、者ども!」
ラルヴァの手下「おー!」
鳥乙女「見えない学校を狙っているんだわ!」
12使徒たち「えー!」
ヨナルデパズトーリ「悪魔くんに連絡するのである」
鳥乙女「悪魔くんが来るまで、私たちで見えない学校を守るのよ」
ユルグ「幽子、ピクシー、学者は、チビコウモリたちを連れて中へ避難しろ」
こうもり猫「あー、あっしも行くー!だってえ、みんなの世話係だものねえ。
ちゃんとお仕事しなくちゃ。皆さん逃げましょー。いやいや、避難しましょうね。あーつらい」
妖虎「があー!」
象人「鼻息魔力だぞう」
ラルヴァ「行け行け!」
鳥乙女「ピーンクハリケーン!あっ、えい!」
ガハハ3人組「ガクガク…」
幽子「大丈夫よ、みんな。きっと悪魔くんが助けに来てくれるわ。だから元気を出して」
豆ユーレイたち「元気、元気ー」
ヨナルデパズトーリ「魔界トンネル、転送開始である」 百目「近道もきついモン」
悪魔くん「ん?」
百目「?」
悪魔くん「見えない学校が僕を呼んでる」
悪魔くん・メフィスト2世・百目「!」
百目「あ、魔界トンネルだモン」
ヨナルデパズトーリ『悪魔くん、見えない学校が危機なのである。すぐ来てくれである』
百目「え!」
メフィスト2世「なんだって」
悪魔くん「よし、行こう」
悪魔くん・百目「!」
ラルヴァの手下たち「へへへへへへ」
メフィスト2世「誰だ」
悪魔くん「…」 ラルヴァの手下D「ひーひひひひ」
メフィスト2世「うわ、悪魔くん、こいつらは何なんだ」
悪魔くん「死んだ人間の魂が、この世に未練や執着を持ったまま、悪魔となって彷徨うラルヴァだ」
百目「ボクたちを見えない学校に行かせないつもりなんだモン!モン、モン、うわ!」 ユルグ「コーンエッサムコーン!」
サシペレレ「とう!」
ユルグ「くそう、これじゃキリがないぜ。あ」
鳥乙女たち「うわあ」
鳥乙女「何ともないわ」
妖虎「良かった」
ユルグ「見ろ、見えない学校の生命玉の様子が変だぞ」
鳥乙女たち「え!」 ベルゼブブ「あ、ちょいなちょいな。湯もみ。えへへ。湯加減よろしいでやんすか?」
メフィスト老「結構だからして」
ベルゼブブ「あ、こ、これは。ファウスト博士」
ファウスト博士「うむ、見えない学校に大変なことが起こったようじゃ。メフィスト、もうのんびりしてはおれんぞ」 ヨナルデパズトーリ「ラルヴァの幽霊船が、見えない学校の生命エネルギーを吸い取っているのである。
このままでは見えない学校が死んでしまうのである」
ラルヴァの手下たち「…」
こうもり猫「うわー、こんなにいっぱい。もうお構いなく」
幽子「早く来て、悪魔くん」
豆ユーレイたち「なにしてんの、悪魔くん」 悪魔くん「生命玉からの反応が弱まっていくぞ」
百目「入り口が消えていくモン!急ぐんだモン!」
メフィスト2世「でも悪魔くん、こいつらはどうやってやっつければいいんだ」
悪魔くん「ラルヴァは、幽霊の一種だから、太陽の光には弱いはずだけど…メフィスト2世、何とかならないか!」
メフィスト2世「よし、やってみよう。魔力、ハットレンズ!」
ラルヴァの手下たち「ぎゃー」
悪魔くん「今だ、行くぞ」
百目「モン!」 ユルグ「もう無理だ」
鳥乙女「諦めないで、みんな」
ラルヴァ「あと一息で見えない学校の全生命エネルギーを吸収できるぞ」
ヨナルデパズトーリ「な、何をしているのである。悪魔くん」
悪魔くん「学者」
ヨナルデパズトーリ「おお、悪魔くん」
悪魔くん「どうしたんだ!」
ヨナルデパズトーリ「このままでは、見えない学校は全ての生命エネルギーを奪われ、死んでしまうのである。
あと一度襲撃を受ければ終わりである」
悪魔くん「え!」
メフィスト2世「どうすりゃいいんだ!もう間に合わねえ!」
悪魔くん「…」
百目「悪魔くん!」 悪魔くん「(♪〜)」
ユルグ「ん?ソロモンの笛だ」
鳥乙女「悪魔くんが来てくれたんだわ」
ラルヴァの手下たち「…!」
こうもり猫「大先生」
ガハハ3人組「ガハハ」
幽子「悪魔くん」
悪魔くん「(頑張るんだ、見えない学校。こんなことで負けちゃいけない。僕が助けてあげるよ。
僕の命を分けてあげる。だから勇気を出すんだ。頑張れ、見えない学校)」
鳥乙女「頑張れ、見えない学校」
妖虎「頑張るんだ」
象人「頑張るんだぞう」 ラルヴァ「なに!?」
メフィスト2世「だ、大丈夫か?悪魔くん」
百目「悪魔くん!」
悪魔くん「はあはあはあ、さあ、行くぞ!見えない学校!」 悪魔くん「みんな、大丈夫か!」
鳥乙女「悪魔くん!」
メフィスト2世「よーし、今度は俺たちの番だぜ」
ラルヴァ「逃げるな、戦え」
ラルヴァの手下A「でも頭」
ラルヴァ「忘れたのか?見えない学校をやっつければ、
東嶽大帝様は俺たちみんなを人間に戻してくれると約束してくれたのだぞ」
メフィスト2世「へっ、東嶽大帝の言うことをマジで信じてんのかよ」
ラルヴァ「なんだと!」
悪魔くん「聞いてくれ!東嶽大帝は、君たちを騙そうとしてるんだよ」
ラルヴァ「?」
悪魔くん「全世界の混乱によって、幽霊界から彷徨い出てしまった君たちを利用し、
地上に悪の帝国をつくりあげること。それが東嶽大帝の目的なんだ」
ラルヴァ「そんなバカな!俺たちの故郷である人間界を悪の帝国に?」
悪魔くん「一刻も早く僕たちみんなが安心して暮らせる世界を必ずつくってみせる。約束するよ。
だから僕を信じて、幽霊界へお帰り」
ラルヴァの手下A「頭、悪魔くんの言う通りだ」
ラルヴァの手下B「ああ、あんな美しい笛の音を出せるやつが嘘言う訳ないよなあ」
ラルヴァ「だまれ、だまれ!俺は騙されないぞ!えい!」
百目「わあ!」
メフィスト2世「何しやがる!魔力…」
悪魔くん「待て、メフィスト2世」
メフィスト2世「ん?」
ラルヴァ「…」
悪魔くん「…う…うう…僕を信じて…ラルヴァ…」
ラルヴァ「すまなかった、悪魔くん。どうやらお前のほうが正しかったようだ。
俺たちはお前たちとの約束を信じよう」
悪魔くん「うん」 百目「さよならだモーン」
メフィスト2世「もう二度と彷徨い出るんじゃねーぞー」
ヨナルデパズトーリ「セントエルモの火の正体はラルヴァだったのである」
悪魔くん「もう大丈夫。でも、ラルヴァたちの約束はきっと守ってみせなきゃ」
メフィスト老「悪魔くんやーい」
悪魔くんたち「?」
メフィスト老「ご到着」
メフィスト2世「親父にファウスト博士」
ファウスト博士「悪魔くん、みんな、よくぞ見えない学校を守ったな。見事じゃぞ」
メフィスト老「はくしゅん!すっかり湯冷めしちまったからして、もうひとっ風呂浴びるとするか。ベルゼブブ」
ベルゼブブ「そうしやすかね」
メフィスト2世「人の気も知らねえで、呑気なもんだぜ。親父のやつ」
悪魔くんたち「はははははははは」 ファウスト博士「そうか。悪魔くんもソロモンの鍵の存在を知ったというのじゃな」
悪魔くん「でも、まだまだ謎だらけなんです。あ、博士は何か知ってるんですね?
だったら僕にも教えてください。ファウスト博士」
ファウスト博士「どうかわしを一人にしてくれんか、悪魔くん」
悪魔くん「え?」 ファウスト博士「もうすぐ恐るべき秘密が明らかになる。
そしてその時こそ、東嶽大帝を倒すことが出来るのじゃ。悪魔くん」 悪魔くん「僕たちの町にいつの間にか古い洋館が建ち、
貧太くんたちはそこに潜んでいた宇宙悪魔タコスの魔力で霊球の中に封じ込められてしまう。
そして、僕たちを待ち受けていたのは、物凄い数のタコチュー軍団。
悪魔くん。死後の世界を見せる妖怪屋敷の不思議。
夢よ、届け君の心に」
『死後の世界を見せる妖怪屋敷の不思議』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 エツ子「あら。またお餅?」
百目「んー、もう飽きちゃったモン」
コハル「しょうがないでしょ。お正月のお餅がまだいっぱいあるんですから」
エツ子「たまには宅配ピザでも食べたいわよ」
百目「さんせーいだモン」
コハル「じゃお昼はそれにしましょ。あら、真吾はまだなの?」
百目「悪魔くんは昨日から徹夜で、ソロモン王の鍵のこと調べてるんだモン」
コハル「えー。ホルモンの勉強なんて徹夜でしなくたって」
百目「ホルモンじゃなくて、ソロモンだモン」
エツ子「ねね。そろばんの王子かしら」
百目「(ズコーッ)」
茂「そうか。真吾はそろばんの王様か」
悪魔くん「一日も早くソロモン王の秘密の鍵の場所を見つ…Zzz」 情報屋「なあ言った通りだろ?昨日までこんなボロっちい屋敷はなかったぜ」
貧太「誰が住んでるのかな」
情報屋「とにかく入ってみようぜ。大スクープが撮れるかも知れない」 キリヒト「何か変な絵ばかりですね」
情報屋「わー!」
貧太「情報屋!」
キリヒト「けがはないですか?」
情報屋「ああ…」 情報屋「お尻をぶつけちゃったよ。あいてて…」
キリヒト「しかし変なつくりの屋敷ですね。廊下の真ん中に地下への入り口があるなんて」
情報屋「あいたー」
キリヒト「ああ、奥の方に明かりが見えますよ」
貧太・情報屋「?」 貧太・情報屋・キリヒト「あー!」
貧太「特撮のセットがある」
キリヒト「ガリバー旅行記の小人の国へ来たみたいだ」
情報屋「おお。うわ」
キリヒト「わあ」
貧太「ああ」
貧太・情報屋・キリヒト「うわあー」
貧太「ま、待った!僕たちは何もしないよ」
情報屋「む、虫だよ。あれ」
タコス「へへへへへへ」
貧太・情報屋・キリヒト「うわあー!!」 タコス「怖がらなくてもいい。ボクは宇宙悪魔タコス。この家の主だ。
キミたちが勝手に入ってきた以上、ボクの言うことを聞いてもらおう」
情報屋「い、言うことって?」
タコス「簡単なことだ。この契約書にサインしてくれればいいんだ」
情報屋「なんだ、そんなことか」
貧太「待った、それ悪魔の契約書じゃないか?」
情報屋「?」
キリヒト「オーマイゴッド」
貧太「前にそれでひどい目にあってるんだ。サインしちゃダメだよ」
情報屋「…」
タコス「ひどい目なんかに合わせやしないさ。さあ、この契約書にサインしてくれればいいんだよ」
貧太「やだ!悪魔なんかに魂を売ってたまるか!」
タコス「へへへへへへ」
情報屋「…」
キリヒト「神を裏切ることなど出来るわけありません」
タコス「分からない連中だな。今のままでは地球は滅びるのだ。
悪魔化して、ボクたちの言う通りにすれば平和は実現するのさ。
その証拠に、この宇宙虫は進化がとても早く、
キミたち人間が何万年もかけてやったことを、たった数時間でやってしまうんだ。
このまま人間たちだけで進んでいったら、どうなるのかキミたちの未来をよーく見てごらん」 悪魔くん「ん…んーん」
メフィスト2世「お目覚めかい?」
悪魔くん「あ、メフィスト2世。幽子も」
幽子「ふふふ」
悪魔くん「へへへ。寝ちゃったみたいだ」
幽子「悪魔くんにスタミナつけてもらおうと思って、ピクシーのつくった栄養ドリンク持ってきたの」
豆ユーレイたち「ファイト―いっぱーい」
幽子「ふふ」
悪魔くん「ありがとう。助かるよ。ごくごくごく」
メフィスト2世「ふふ」
幽子「ふふふ」
悪魔くん「はあ。魔界ではどうしてる?みんな元気かい?」
幽子「ええ、象人さんがお餅を食べすぎて寝ているだけで、あとはみんな元気よ」 悪魔くん「あははは。こうもり猫、僕と同じだな」
幽子「ふふふふ、ほんとね」
悪魔くん「ファウスト博士は?」
メフィスト2世「悪魔くんと一緒で書斎に閉じこもったきり、何か一生懸命研究してるから、
俺たちには覗かせてくれないよ」
百目「あち、あち、あちあち」
悪魔くん「?」
メフィスト2世「あ」
百目「あちー。お腹空いたと思ってカップラーメン持ってきたモン」
メフィスト2世「ラーメン。お、いただき」
百目「あ、あーあ。それ悪魔くんのだモン」
メフィスト2世「いいじゃないか」 貧太・情報屋・キリヒト「ひいい…」
弾道ミサイル『(ドカーン)』
タコス「どうだ。今のまま人間が自分たちの利益だけ求めていくと、終いにはこうなるのだ」
貧太「こんなの嘘だ!」
タコチューたち「わいわいがやがや」
タコス「このモノたちはあと一時間足らずで、ボクと同じまでに成長する。
そうなったらこの狭い家の中にはいられない。だからキミたちが必要なのだ」
貧太・情報屋・キリヒト「うわあー!」 貧太「うわ、なんだこれ」
タコス「霊界悪魔の使う術で霊球というのだ。その中に入れば生きながら霊の仲間となるのさ。
キミたちの姿は誰にも見えない」
貧太「そんな!」
タコス「だって死んだと同じことなんだから。さあ、元に戻りたかったらこの契約書にサインをすることだ」
情報屋「お母ちゃん…」
貧太「分かったよ」
タコス「サインするか?」
貧太「うん。だけどその前に父さんや母さんにお別れをしてきたいんだ」
タコス「いいだろう。ただしこの家から出れば、30分で生命エネルギーは全部吸い取られてしまう。
それまでに戻ってくることだな」 貧太「悪魔くんに僕たちのことを知らせるんだ。悪魔くんなら何とかしてくれるに違いない」
情報屋「そんなこと言ったって、悪魔くんは魔法使いでも何でもない、ただの人間だぜ!」
貧太「だけど他に方法はないよ」
キリヒト「僕たち本当に死んでいるのと同じなんでしょうか」
貧太「うわー!」
車『(ブーン)』
貧太「うわー!」 貧太「うわー!」
車『(ブーン)』
情報屋「車が通り抜けてった。どうやら本当に死んでいるのと同じみたいだぜ」
貧太「何か光ったみたいだったけど」
情報屋「お?」
貧太「やはり光った。霊球同士では通り抜けられないのか」 コハル「そう、ミックスピザね。30分以内に来なかったらタダになるんでしょう?
大丈夫、すぐ分かるわよ。漫画家の埋れ木先生といえば有名人なんだから。おーほっほっほっほ」
キリヒト「お邪魔します」
情報屋「バカだなあ。俺たちは見えないし、声も聞こえやしないんだぜ」
キリヒト「でも、きちんと挨拶するようにしつけられてますから」 百目「んー」
メフィスト2世「載ってねえなあ」
豆ユーレイたち「幽子ちゃんのためなら、ゆーれいひー」
貧太「悪魔くん。悪魔くんたら」
キリヒト「気がついてよ、悪魔くん」
情報屋「叫んだって聞こえやしないよ。えい!うわあ、ダメか」
悪魔くん「載ってない。みんなは?…あとは学者が本を探してくれてるはずだよ。
どのくらい集まったか呼び出してみようか」
貧太・情報屋・キリヒト「…」 情報屋「あー疲れた」
キリヒト「なんだか体がだるくなってきたみたいです」
貧太「多分、僕たちの生命エネルギーが少なくなってきたんだよ」
情報屋「何が始まるんだ?」 悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!
出でよ、第3使徒ヨナルデパズトーリ!」
情報屋・キリヒト「わー!」
貧太「…」
ヨナルデパズトーリ「お呼びであるかな。悪魔くん」
百目「わあ、たくさん集めたんだモン」
メフィスト2世「これ、みんな調べるのかよ」 情報屋「悪魔くんて、ほんとに魔法使えるんだ…」
キリヒト「あの怪物は何者でしょう」
貧太「怪物なんかじゃないよ。悪魔くんの12使徒の一人、ヨナルデパズトーリだ」
情報屋「12使徒?なんだそりゃ」
貧太「悪魔くんを助ける12人の悪魔なんだ。メフィスト2世も百目もそうさ」
情報屋「貧太、お前前から知ってたのか?」
貧太「うん」
情報屋「ならどうして教えないんだよ!」
貧太「情報屋なんかに教えたら、次の日には学校中に広まってるじゃないか!
悪魔くんはね、12使徒と一緒に世の中を混乱に陥れようとしている、
黒悪魔軍団と命がけで戦っているんだ」 タコス「あと15分。この地球では悪魔化された人間の脳に寄生しなければ、
ボクたちは生きられない。だからあの人間たちはどうしても必要なんだ」 情報屋「一体どうやったら俺たちのこと分かってもらえるかなあ」
キリヒト「祈りましょう。それしかありません」
情報屋「貧太、何とかしろよ」
幽子「あ」
貧太「元々情報屋があんな屋敷に入るから」
情報屋「今さらそんなこと言ったって仕方がないだろ!わ!」
キリヒト「喧嘩はやめましょう」
幽子「あ!」
メフィスト2世「どうした?幽子」
幽子「そこで何か光ったわ」
悪魔くん・メフィスト2世・ヨナルデパズトーリ・百目「?」
メフィスト2世「何も見えなかったぜ」
ヨナルデパズトーリ「幽子には我々には見えない特殊な霊波を、
色として見ることが出来る霊感があるのである」
幽子「また光ったわ」 貧太「聞いたかい?幽子ちゃんには霊球がぶつかり合って出来るこの色が見えるんだ」
情報屋「よーし、えい!」
キリヒト「わあ、なにをするんですか!」
幽子「あ、また光った!確かに感じるわ。そこに霊球が三つ」
百目「霊球ってなんだモン?」
幽子「それはね、完全には死者の仲間入りをしていない霊を包んでいる玉のことなのよ。
でもなぜこんなところに」
貧太「やったぞ。そうだ。この方法で前に悪魔くんに教わった信号を送ればいい。
僕の言う通りに体をぶつけるんだ」
情報屋・キリヒト「うん」 幽子「またよ。何か信号みたい。長く、短く、長く」
悪魔くん「学者、悪魔信号だ」
ヨナルデパズトーリ「そうだわさ」
幽子「短く、長く、長く、短く、長く、短く、終わったわ」
悪魔くん「学者」
ヨナルデパズトーリ「えーと、最後が長く、短くと。うむ。たすけてくれこちらひんた」
悪魔くん「貧太くん!?貧太くんがいるのか!」
百目「えー」
貧太「分かってくれたぞ」
キリヒト「でも大分疲れがひどくなってきましたよ」
情報屋「俺動き過ぎたみたい」
貧太「あとひと頑張りだ」 悪魔くん「そうか。貧太くんもキリヒトくんも情報屋もその霊球というのに閉じ込められているんだね」
貧太「悪魔くん、もう時間がないんだ」
情報屋・キリヒト「はあ、はあ…」
悪魔くん「でもどうやったらいいんだ。良い知恵はないか?学者」
ヨナルデパズトーリ「うーむ」
幽子「水晶よ」
悪魔くん「え、なんだって?幽子」
幽子「紫水晶よ。私の生まれ故郷のほこらに祀ってある紫水晶の力を借りれば、
そこから出られるわ」
メフィスト2世「がってんだ、行くぜ幽子」
幽子「えい」
悪魔くん「僕たちは、宇宙悪魔のところへ行こう」 タコス「誰だ、そこにいるのは」
悪魔くん「宇宙悪魔タコス!お前の目的は一体何なんだ。言ってみろ!」
タコス「ボクたちは自分の星を奪われた宇宙の漂流者なのだ。
エネルギーが無くなってこの地球に不時着したが、
ここで暮らしていくためには、人間の脳に寄生するしかないのだ」
悪魔くん「そんなことはさせない!」
タコス「うるさい」
悪魔くん「うっ」
タコチューたち「わいわいがやがや」
百目「わーだモン。悪魔くん、助けてだモン」
悪魔くん「みんな頑張れ、頑張るんだ。あ」
メフィスト2世「間に合ったぜ」
悪魔くん「メフィスト2世、幽子」
メフィスト2世「任せておけ。魔力、電撃掃除機!」
幽子「悪魔くん、はい」
悪魔くん「幽子、ありがとう」
メフィスト2世「ワンタッチ、ポン」
悪魔くん「見えた!ふっ」
貧太「悪魔くん!」
情報屋・キリヒト「悪魔くん!」
悪魔くん「良かったな、みんな」
タコチューたち「たこちゅー」
メフィスト2世「もういっぺん掃除してやる。わあ、たあ」
悪魔くん「ああ!」 タコス「ワレワレはここでは人間の魂がなければ生きていけないのだ。悪く思わんでくれ。ん?」
悪魔くん「(♪〜。タコス、この笛の音を聞いてくれ。
自分たちのかけがえのない星を無くしてしまった君たちの気持ちは分かるよ。
それは宇宙まで混乱に巻き込んでしまう東嶽大帝のせいなんだ。
僕たちはみんなが仲良く暮らせる星を目指しているんだ。
だけど、現実にはこの地球に君たちは住むことが出来ないんだ。
自分たちが不幸になったからって、他の星の者まで不幸にしていいのかい?)」
タコス「分かったよ、悪魔くん」
悪魔くん「ありがとう。タコス。?」
幽子「?」
タコス「おお、その石はボクたちの星のエネルギー石と一緒じゃないか。
それがあれば宇宙に飛び出せるんだ」 タコス『悪魔くん、ありがとう。これでボクたちは宇宙のどこかに永住できる星をきっと探し出してみせる』
悪魔くん「タコス、約束する。僕たちは仲間と争いごともなく、
平和に暮らせる星をつくってみせるよ。きっとね!」
百目「さよならだモーン」
幽子「ふふ」 情報屋「なんか夢を見てるみたいだなあ」
悪魔くん「うん。でもこのことは」
情報屋「分かってるよ。誰にも知らせない」
キリヒト「僕も誓って喋りません」
情報屋「こんな特ダネ喋りたいのはやまやまだけど…」
メフィスト2世「もし誰かに喋りやがったら、俺の魔力で動物に変えてやるからな」
情報屋「許して。誰にも喋りません。絶対」
悪魔くん「(宇宙にまで混乱が広がってるなんて、東嶽大帝の力はますます強くなってるんだ。
負けてはいられないぞ)」 悪魔くん「その昔、白悪魔との戦いに敗れて封じ込められた、
千年ガマゴモリーが、謎の男ロソンの手によって再び蘇った。
そして不思議博覧会に来た人々を、次々と蛙人にして東京に送り込もうとするんだ。
父さんたちまでゴモリーの魔力にかかり、僕たちは迂闊に戦えない。
悪魔くん。ようこそ悪魔博覧会へ。
夢よ、とどけ君の心に」
『ようこそ悪魔博覧会へ』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 リリス「1時にアラブの石油王と昼食のあと、ABCモーターズの社長と会談、
ワシントンに飛んで大統領と…」
ロソン「そんなことより、世界各地の黒悪魔どもの動きはどうなっている?」
リリス「はい、ロソン会長。日本では、我が社が開催しました博覧会が大成功で、
ゴモリーも着々と成果をあげているようです」
ロソン「うむ、千年ガマのゴモリーがな。ふふ。
やがてこの世界が私の物になる。人間どもの手からな。はははははは」 茂「あーあ、この人ごみじゃ全然イメージが湧きやしない。
もう取材は明日にするか。お、あれは?チャンス。あれは面白い城だ。
まだ帰るのはもったいないぞ。よっと」
ゴモリー「いらっしゃいませ」
茂「わあ」
ゴモリー「どうぞごゆっくりご覧ください」
茂「いやあ、パビリオンも結構ですが、あなたのような美人もゆっくり拝見してみたいですな」
ゴモリー「まあ、お上手な。すみません」
茂「いや、どうもどうも。へへへへ」
ゴモリー「…」 アナウンサー『奥軽井沢で開かれている世界不思議博覧会は連日大勢の人々で賑わっております』
百目「あ、パパさんだモン」
悪魔くん「はははは、やけにご機嫌だな。父さん」
エツ子「いいなー。自分だけ楽しんで」
コハル「全くあの人ったら、偉そうに取材だとかなんだとか言っておきながら、
なによあんなに鼻の下伸ばしちゃって」
悪魔くん「?」
コハル「あむあむもぐもぐもぐ。あむあむもぐもぐもぐ」
悪魔くん「母さん、落ち着いて落ち着いて」
エツ子「あ、そうだ。私がお父さんを連れて帰ってきてあげる」
コハル「そんなこと言ってエツ子。あなたは博覧会がお目当てなんでしょ?」
エツ子「へへー、バレたかー。でも、明日は日曜だしいいでしょう?お母さん」
悪魔くん「エツ子一人だと心配だから、百目がついてってやったら?」
百目「わーい、僕も博覧会行きたかったんだモン」
エツ子「へへ、良かったね、百目ちゃん。行こ行こ」
悪魔くん「まるで遠足気分だな」
コハル「いいわね?父さんのこと忘れちゃダメよ。二人とも」
エツ子「はーい。へへ」
百目「うひひ」 悪魔くん「うーん…」
メフィスト2世「悪魔くーん、おやつに死神屋のラーメン持ってきてやったぜ」
悪魔くん「ありがとう、メフィスト2世」
メフィスト2世「あらよっと」
悪魔くん「わあ、でもメフィスト2世って気が利くな。魔界のラーメンか。うまそうだな」
メフィスト2世「まあな。へえ、エッちゃんたちは世界不思議博覧会に行ったのか」 エツ子「わあ、にぎやかねー」
百目「でもなんか変なんだモン」
エツ子「何が?」
百目「ほら、あの人たちだモン」
エツ子「そういえば変わった人たちが多いわね。ぎゃあ!」 ゴモリー「皆さん、世の中には現代科学では説明できない不思議な力が沢山存在しています。
例えば太古の昔から存在した魔法のように。
そんな素晴らしい力と皆さんとの出会いが、この世界不思議博覧会なのです」
来場者たち「へえ」「すごいなー」
情報屋の友人A「あははははは。魔法なんて迷信に決まってるよ」
情報屋の友人B「そんなもんある訳ないよ。ね、情報屋くん」
情報屋「ふふふふふ。何も知らないんだな、君たち」
情報屋の友人B「え」
情報屋の友人A「え」
百目「あ」
エツ子「情報屋さんも来てるわ」
百目「さすが、情報屋だモン」
情報屋「いいかい、誰にも言っちゃあいけないよ。
ここだけの話だけどさ、俺たちの友達に魔法の達人がいるんだぜ」
情報屋の友人A「友達に?」
情報屋の友人B「だ、誰だよ。教えてくれよ、情報屋くん」
情報屋「ふふふ、その名も悪魔く…」
百目「モーン!」
情報屋「うわーへっくしゅん!あ、百目!」
百目「約束だモン!」
情報屋「ご、ごめん」
情報屋の友人B「情報屋くん、魔法の達人って誰だよ」
情報屋の友人A「そうだよ。まだ話の途中だぜ」
情報屋「いやあ、話は終わり。ちょうど良かった。エッちゃんたちも一緒に。さあ、行こう」
情報屋の友人A「あ、おい、情報屋くん」
エツ子「?」
百目「いひひーだモン」 エツ子「なんだか気味が悪いわ」
情報屋「こんなのどうってことないよ。遊園地のお化け屋敷の方がもっともっと怖い…」
エツ子・情報屋・情報屋の友人A・情報屋の友人B・百目「わー!」
エツ子・情報屋の友人B・百目「?」
情報屋の友人A「なんだ、余興だったのか」
情報屋「サービスいいな」
ドラキュラ男「さあ、美しいお嬢様」
エツ子「やだ美しいだなんて」
ドラキュラ男「さあ、お手を」
百目「あー!エッちゃんはどこモン?」
情報屋「いない」
エツ子「私はここよ」
情報屋・情報屋の友人A・情報屋の友人B・百目「!」
エツ子「真っ暗で何も見えない。誰か助けて」
情報屋「エッちゃん!」
百目「どこにいるんだモン!」
ドラキュラ男「ふふふ、ここだよ。大丈夫ですよ、美しいお嬢様」
エツ子「えへへへ」
百目「わーだモン」
情報屋の友人A「すごい手品だ」
情報屋「こんなの初めてだよ。あ、しまった。特ダネを撮り損ねちゃった」
情報屋の友人A・情報屋の友人B・百目「わはははははは」 情報屋「んー?」
百目「?」
鬼婆「悪魔唐辛子と魔界わさびを千年ガマの油で練ったこの薬を飲んでごらん。
学校で一番ケンカがつよくなるぞ」
情報屋「お、俺暴力反対です」
鬼婆「遠慮せずにほれ!」
情報屋「うわ、ん、んげ!」
情報屋の友人A「情報屋くん」
エツ子「情報屋さん」
鬼婆「ほれ、効いてきた効いてきた」
情報屋の友人A・情報屋の友人B「わー!」
情報屋「わあ、おーい、待ってくれよー!
エツ子「情報屋さん!」
鬼婆「へへへへ」
百目「(なんか変だモン)」 情報屋の友人A「わあ、これは手品どころじゃないよ。あの女の人が言ってたようにすごい魔法に違いないぜ」
情報屋の友人B「うん、怖かったけど面白かったな」
百目「でも怖かったモン」
ゴモリー「いかがでしたか?」
エツ子・情報屋・情報屋の友人B・百目「?」
情報屋の友人A「またかよ」
百目「さっきのお姉さんだモン」
ゴモリー「皆さんどうやらお気に召したようね。あなたたちが今まで見たような、
素晴らしい力を手に入れたいと思いませんか?」
情報屋の友人A「素晴らしい力」
ゴモリー「もうすでに大勢の人たちが私たちの仲間になっていられますわ」
情報屋「へえ、面白そうだな」
エツ子「行ってみようよ、みんな。ね」
情報屋の友人A・情報屋の友人B「よし、行こう行こう」
ゴモリー「さあ、ついてらっしゃい」
情報屋の友人A「ふふふふ、超能力者になれるかな」
情報屋「ふふ」
百目「情報屋。あれは黒悪魔の悪い魔法みたいなんだモン」
情報屋「黒でも白でもいいじゃないか。他にも大勢仲間もいるっていうしさ。大丈夫だよ。百目」
百目「うーん、待ってだモン」 メフィスト2世「うーん」
悪魔くん「警報…城…復活…うーん、どうも気になるカードだな」
メフィスト2世「え」
悪魔くん「城か」
メフィスト2世「あ、悪魔くん。これは」
悪魔くん「博覧会場」 ゴモリー「さあ、この地下には皆さんの仲間が沢山いるのよ」
エツ子「私たちの仲間?」
ゴモリー「そうよ。ふふふふ」
カエル『ゲロ、ゲロゲロゲロ』
情報屋「あ、カエルだ」
百目「あ、あれはパパさんだモン」
茂『ゲロゲロゲロ』
エツ子「まさか。それにしてもそっくり」
茂『ゲロ―』
エツ子「やだー。あー……」
情報屋「エッちゃんしっかりして」
情報屋の友人A「気絶しちゃったぜ」
情報屋「まるでカエルみたいな顔だ」
ゴモリー「そうよ。蛙人といって、私の忠実な部下になったの。あなたたちももうすぐそうなるのよ」
情報屋「じょ、冗談でしょ?これみんな操り人形じゃないか。どうせコンピュータで動かしてんだよ」
ゴモリー「いいえ」
情報屋「えー」
ゴモリー「これは人間が変化した本物の蛙人。あなたたちは自分からここへ望んできたのよ。もう遅いわ。ふふふふ」 百目「みんな逃げるんだモーン」
ゴモリー「待ちなさい!」
情報屋「わあ!」
ゴモリー「う…ゲロゲロ」
情報屋「あ、悪魔だー」
情報屋・情報屋の友人A・情報屋の友人B・百目「うわー」
ゴモリー「逃がすものかゲロ―」
情報屋「百目、君だけでも逃げてくれ。助けを呼ぶんだ!」
百目「うんだモン!」
ゴモリー「そうはさせないよ」
百目「うわあ!」
茂『逃げたゲロ』
ゴモリー「ほうっておき。どうせ助けてを呼んだところで誰も相手にしやしないさ。ふふふふ」 情報屋『お前ゲロ。カエルゲロ』
情報屋の友人A『君こそゲロゲロ』
情報屋の友人B『僕もゲロゲロ』
情報屋・情報屋の友人A・情報屋の友人B『ゲロゲロゲロー』
ゴモリー「ふふふふふふふふふ」 悪魔くん「警報の城、そして、復活という不吉なカード」
メフィスト2世「タロットカードに出たのは、ソロモンの鍵じゃなくて、
奥軽井沢の博覧会を示しているに違いないぜ。悪魔くん」
悪魔くん「うん」
メフィスト2世「でも、復活って言うのはどういう意味だ?」
悪魔くん「うん、僕が前に読んだ東洋悪魔歴史辞典によると、
日本がまだ邪馬台国って呼ばれていたころ、奥軽井沢を舞台に日本を支配しようした黒悪魔と、
それを防ごうとした白悪魔の間で、激しい戦いがあったんだ。
そして、戦いに敗れた黒悪魔は永い眠りについたと伝えられているんだよ」
メフィスト2世「その黒悪魔野郎が復活したとしたら、きっと日本を狙うに決まってるぜ」
悪魔くん「うん。父さんやエツ子たちも心配なんだ」
メフィスト2世「そんな呑気なこと言ってられないぜ、悪魔くん。大変だ!急がなくちゃ」 『1番ホームの列車は、15時30分発。東京行きです』
駅員「な、なんだこりゃ」
メフィスト2世「なんだ、あの連中は」
悪魔くん「変な顔してる」 百目『ゲロゲロ。ゲロゲロ』
子供A「あー、見ろよ。面白いカエルがいたぞ」
子供B=uつかまえろ!=v
子供A・子供B「待て待て待て待て」
メフィスト2世「よしな」
子供A・子供B「え」
メフィスト2世「怖がってるじゃないか」
悪魔くん「逃がしてあげようよ。ね」
子供A・子供B「ちぇ!」
百目『ゲロゲロ、ゲロ』
メフィスト2世「こいつ、礼を言ってるんだぜ」
悪魔くん「さ、自分の家へお帰り」
メフィスト2世「悪魔くん。そんなのに構ってられないよ。お、あれれ。こいつ誰かに似てるぞ」
百目『ゲロー』
悪魔くん「え!」
メフィスト2世「なんだこいつ。百目じゃないか」
百目『ゲロゲロ』
メフィスト2世「よーし」
悪魔くん「メフィスト2世。タロットカードに出ていた城は、あの城を示しているに違いないよ」 情報屋・情報屋の友人A・情報屋の友人B『ゲロゲロゲロゲロゲロ』
ゴモリー「静かにおし。今にお前たちも立派な蛙人になれるんだ。
そして日本中の人間が蛙人になって、私の命じるままに動くのさ」
悪魔くん「そうはさせないぞ」
ゴモリー「だ、誰だ!」
百目『ゲロ、ゲロゲロ』
ゴモリー「?」
メフィスト2世「悪魔くん、あいつだな」
悪魔くん「うん、千年ガマがさらに千年生き、魔力を得て悪魔となったゴモリーだ。
昔、日本を支配しようとしていた黒悪魔は、ゴモリーだったんだよ」
ゴモリー「ふふふふふ、その通りさ。悪魔くん。戦いに敗れて長い長い冬眠に入った私は、
その間中白悪魔への復讐と、今度こそ日本を支配してみせると誓い続けてこの日を待ち望んできたんだ」
情報屋『ゲロゲロ』
悪魔くん「じょ、情報屋。エツ子!」
メフィスト2世「くそー、俺たちの友達までこんな姿に。もう許さねえ。お?」 茂たち『ゲロ、ゲロゲロゲロ』
メフィスト2世「あれれ、ひょっとして悪魔くんの父ちゃんじゃねえか?」
悪魔くん「え!」
茂『ゲロ、ゲロゲロ』
悪魔くん「と、父さんまで」
メフィスト2世「くそー」
ゴモリー「ふふふ、お前のような小僧に私の邪魔をさせるか」
メフィスト2世「魔力、稲妻電撃!」
ゴモリー「ふっ」
メフィスト2世「あ!悪魔くん、あの駅にいた連中もカエルみてえな顔してたっけなあ」
悪魔くん「みんなゴモリーに騙されて蛙人にされた人たちだったんだ」
ゴモリー「やがて私の可愛い手下どもが、東京で、いや日本各地で暴れまわってくれるだろうよ。
そして私の魔力にかかった人間は、蛙人になってから24時間経つと、二度と元へ戻れないのさ。
お前の親父たちもみんなもうすぐ…」
悪魔くん「なんだって!と、父さん」
茂『ゲロゲロ、ゲロゲロ』
悪魔くん・メフィスト2世「うわあ」
ゴモリー「ゲロー!」
メフィスト2世「おっと」
茂『ゲロゲロゲロゲロゲロ』
悪魔くん「(急がなきゃ。父さんやみんなが完全に蛙人にされて、日本もゴモリーに支配されてしまう)」
ゴモリー「ゲロ―!」
メフィスト2世「くそー、悪魔くんの父ちゃんが相手じゃ、手が出せないぜ」
悪魔くん「とにかく、君の魔力でなんとかゴモリーを封じ込めるんだ」 メフィスト2世「よーし、分かった。えい!魔力、角電撃物質変化!」
ゴモリー「うわああああ!!」
悪魔くん「よし、うまく閉じ込めたぞ」
メフィスト2世「へへへ、ガマ女め。てめえの醜いツラでもじっくり見ながら、油汗でも流すんだなあ」
ゴモリー「ほほほほ。こんな美しい私。我ながら惚れ惚れするよ」
メフィスト2世「へっ、いい気なもんだぜ。ゴモリーめ」
ゴモリー「お前たちも可愛いカエルにしてあげるからね。ゲロー!」
メフィスト2世『う、うわあー!ゲロゲロ』
悪魔くん「メフィスト2世…」 悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!
出でよ、第10使徒鳥乙女!第11使徒サシペレレ!」
鳥乙女「悪魔くん、どうすればいいの?」
悪魔くん「君たち二人で協力して、ゴモリーの魔力を跳ね返して欲しいんだ。それしか方法はない」
サシペレレ「よし、分かった」
メフィスト2世・百目『ゲロゲロ、ゲロゲロ』
茂たち『ゲロゲロゲロ』
悪魔くん「やめてくれ、父さん!」
茂『ゲロゲロ』
悪魔くん「父さん」
ゴモリー「そんなやつ早くやっつけておしまい!」
悪魔くん『…!うわあー!』
ゴモリー「はははは。悪魔くんなど大したことないじゃないか」
サシペレレ「それはどうかな」
ゴモリー「ん?はん。お前もカエルになりたいのかい?」
サシペレレ「魔力、竜巻大回転!」
ゴモリー「ゲロ」
サシペレレ『うわああー』
ゴモリー「ははは。白悪魔ども思い知ったか」
鳥乙女「ピーンクハリケーン!」
ゴモリー「おお。うわあああ!!」
茂たち『うわー』
ゴモリー『ゲロゲロゲロ。ゲロゲロ。ゲロゲロ』 悪魔くん「…ん…エツ子?エツ子!しっかりしろ、エツ子!」
茂「ああ…」
悪魔くん「父さん!」
茂「あ、真吾」
メフィスト2世「悪魔くん!」
悪魔くん「うん」
百目「ありがとうモン。鳥乙女」
メフィスト2世「助かったぜ。あのままカエルなんかにさせられちゃ、せっかくの二枚目が台無しだもんな」
サシペレレ「はは。ほんとだ」
鳥乙女「あら、結構似合わってたわよ。みんな」
メフィスト2世「え、そりゃないぜ」
メフィスト2世・百目「!」
サシペレレ「!」
鳥乙女「悪魔くん、ゴモリーを逃がしてもいいの?」
悪魔くん「心配ないさ。あれはゴモリーじゃない。魔力を失ってただのガマガエルになったんだよ。
もう悪さをすることは出来ないさ」
メフィスト2世「あばよ、ぺっぴんさん。もう二度と黒悪魔なんかになろうなんて思うんじゃねーぞ」
ガマガエル『ゲロゲロ』 男A「あれー?どうして帰りの電車なんかに乗ってるんだ?」
女子高生たち「?」
駅員「う…うう…」
女子高生A「そんなところで何してるんですか?」
駅員「何してるって、あれ?あれ?カエルは?」
女子高生A「変な人」
女子高生B「ちょっとおかしいんじゃない?」 来場者たち「なんだよ、せっかく来たのに」「変だわね、突然休業だなんて」 エツ子「変ねえ。私カエルのような顔したお父さんに会ったような気がするんだけどなあ」
茂「カ、カエル?何を言ってるんだ。私は取材に。お、そうだ。
私は取材に来たはずなのに、一体何をしてたんだろう」
情報屋の友人A「そういえば僕たちもカエルにされちゃったような」
情報屋の友人B「うん。僕もさ」
百目「みんな博覧会の仕掛けにびっくりして、気絶してたんだモン。ね、情報屋」
情報屋「え!そ、そうだよ!あははははは」
情報屋の友人A「うーん、そうかなあ」 メフィスト2世「悪魔くん、今度の事件はゴモリー一人の仕業じゃないぜ」
悪魔くん「だろうね。ゴモリーを目覚めさせることが出来る力を持つのは、
きっと東嶽大帝に関係あるやつに違いないよ」
メフィスト2世「うん」 リリス「か、会長…と、東嶽大帝様は非常にお怒りの様子で」
ロソン「分かっておる!」
リリス「は、はい…」
ロソン「やはり出てきたか、悪魔くんめ。二度と失敗は許さん!
急げ、世界各地の黒悪魔どもよ!」 悪魔くん「地獄界を治め、閻魔大王に力を与える集魔玉が奪われてしまう。
それが東嶽大帝の手に渡ってしまえば、地獄界はもうお終いだ。
魔力は奪われても、勇気を出して。
閻魔大王、目覚めて下さい!
悪魔くん。奪われた集魔玉、地獄界の混乱!
夢よ、とどけ君の心に」
『奪われた集魔玉、地獄界の混乱!』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 東嶽大帝「吸血小人よ」
吸血小人「はい」
東嶽大帝「地獄界の秘宝、集魔玉を奪え」
吸血小人「え」
東嶽大帝「集魔玉は、閻魔大王の力の源。それを奪えば、地獄は大混乱に陥るであろう」
吸血小人「し、しかし。宝物殿にしまわれている集魔玉をどのようにして?」
東嶽大帝「まもなく地獄では、異界仙人を呼び、千年に一度の集魔玉清めの儀式が執り行われる。
お前はその仙人に憑りつき、集魔玉を奪うのだ」
吸血小人「なるほど」
東嶽大帝「集魔玉を奪ったら、しばらく人間界に姿を隠しておれ」
吸血小人「はい」 閻魔大王「集魔玉を手にしていると、不思議な力がみなぎってくる。
地獄の平穏もこの集魔玉があればこそ」
芋虫仙人「仰せの通りにございます」
閻魔大王「芋虫仙人、集魔玉を宝物殿へ納めてくれ」
芋虫仙人「ははあ」 吸血小人「へへへへ、上手くいったぞ。芋虫仙人が俺の吸血催眠で操られているとは、
地獄の閻魔も見抜けなかったようだな。さてとご苦労だったな。お前は用済みだ。
へへへへへ。そのままいつまでも眠っているがいい。えい!
あとは東嶽大帝様の指示を待つばかりだ。へへへへへへ」 エツ子「ちょっと、お兄ちゃん!もう早くお風呂に入ってちょうだい」
メフィスト2世「いち、に、さん、し、と。ソロモンの鍵なんて本当に見つかるの?」
百目「メフィスト2世、もっと手伝うんだモン」
メフィスト2世「そんなに本ばかり見てたら体が固まっちまうぜ。よっと」
悪魔くん「あー!」
百目「見つかったのかモン?」
悪魔くん「大事なところを虫が食ってたんだよ」
百目「なーんだ」
メフィスト2世「なんだ、脅かすなよ」
悪魔くん「ごめんごめん」
エツ子「お兄ちゃん、何度言ったら分かんの」
メフィスト2世「わわわわ」
エツ子「早くお風呂に入ってくれないと、ちっとも片付かないでしょう」
悪魔くん「分かった分かった。メフィスト2世、百目。先に入ってよ」
百目「うんだモーン」
メフィスト2世「はいよ。エッちゃん、風呂上がりのラーメン頼むぜ」
エツ子「はいはーい」 百目「じゃじゃじゃじゃん♪」
メフィスト2世・百目「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム、
らんらんららんらんら、らんらんらんら、らんらんらんらんら♪」
メフィスト2世「よっと、おー」
悪魔くん「ソロモン王の言葉が何かのヒントになってるのか…あ、誰だ!」
メフィスト2世・百目「!」
赤鬼「脅かしてすんません」
悪魔くん・メフィスト2世「鬼!」
赤鬼「怪しいもんでねえっす。地獄の閻魔様の使いっす」
悪魔くん「閻魔大王の?」 赤鬼「実は、地獄の集魔玉が盗まれまして」
悪魔くん「集魔玉?」
赤鬼「はい、集魔玉は閻魔大王様の力の源となる大事な宝の玉なんす。
それが盗まれたために、地獄界は混乱をし始めて、
亡者が次々と反乱を起こし、手がつけられないんす」 鬼A「閻魔大王様、どうか亡者たちをおしずめください」
閻魔大王「ダメじゃ。集魔玉が無くてはわしは力を得ることが出来ん」
赤鬼「閻魔大王様」
閻魔大王「悪魔くんの、悪魔くんの力を借り、集魔玉を取り戻すのじゃ」 赤鬼「集魔玉は芋虫仙人が盗みだしたんす」
悪魔くん「分かったよ。集魔玉は僕たちがきっと取り戻してみせるよ」
赤鬼「頼んます。私は閻魔大王様をお守りせねばならんので、失礼します」
悪魔くん「閻魔大王によろしく」 悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!
出でよ、第3使徒ヨナルデパズトーリ!」
ヨナルデパズトーリ「芋虫仙人について知りたいのであるな」
悪魔くん「知ってるんだね!」
ヨナルデパズトーリ「うむ、芋虫仙人ならぐうだら山で一万年の眠りについているはずである」
悪魔くん「ぐうだら山か」
ヨナルデパズトーリ「しかし、芋虫仙人は異界受洗の一人で、欲を断ち、
不老不死の力を得た方である。地獄界の宝を盗むとは考えられないのである」
メフィスト2世「てことは、犯人は他にいるってことか」
ヨナルデパズトーリ「左様。ここにきて各界で東嶽大帝の動きが急である。
それに関係あるかも、である」
悪魔くん「うん、とにかくぐうだら山へ行ってみよう」 メフィスト2世「何だか嫌なムードだぜ」
悪魔くん「メフィスト2世、あんなところに家が」
メフィスト2世「なに!」
百目「怪しいモン」
メフィスト2世「よし、降りてみよう」 悪魔くん「誰もいないみたいだ。何か手掛かりがあるかも知れないから、
みんなで手分けしてこの辺一帯を探そう」
メフィスト2世「オッケー」
百目「うんだモン」
悪魔くん「一体何者の仕業なんだろう…!わあ、あ!」
吸血小人「へへへへへ」 悪魔くん「お前は!吸血小人!」
吸血小人「よくここを嗅ぎつけたな、悪魔くん。だが少しばかり手遅れだったな」
悪魔くん「なんだって!」
吸血小人「芋虫仙人は丁重に始末させてもらった」
悪魔くん「そうか、芋虫仙人を操り、集魔玉を盗み出したのはお前だな!」
吸血小人「そうとも。ついでにお前も東嶽大帝様への手土産にしてやろう」
悪魔くん「なに!?」
メフィスト2世・百目「悪魔くん!」
悪魔くん「百目、メフィスト2世!集魔玉を盗んだのはあいつだ」
百目「人の物を盗ったらダメなんだモーン!」
吸血小人「う!」
百目「モンモン…モン…」
悪魔くん「百目!」
百目「うわ」
吸血小人「へへへへへへ」
悪魔くん「百目」
メフィスト2世「どうした?」
百目「モン。ポーン!」
悪魔くん・メフィスト2世「!」
百目「…魔力が使えないモン」
吸血小人「へへへへへ、集魔玉には魔力を奪う力があるようだな」
悪魔くん「くそー」
メフィスト2世「集魔玉を取り戻すにはまずあの力を封じないと」
悪魔くん「うん」
吸血小人「これさえあれば、お前らなんか屁でもない。どこからでもかかってこい」 悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!
出でよ、第4使徒幽子!」
百目「モーン…」
吸血小人「どうした。怖気づいたのか?へへへへ」
幽子「百目ちゃん!」
悪魔くん「集魔玉に魔力を吸い取られてしまったんだよ。あれが集魔玉だ。
君の照魔鏡で、逆に集魔玉の力を吸収して欲しいんだ」
幽子「はい」
メフィスト2世「俺がやつの目を引き付けるからそのスキに」
幽子「はい」
メフィスト2世!「魔力、ハットノコギリ!」
吸血小人「はっ」
悪魔くん「今だ!」
幽子「照魔鏡!」
吸血小人「それ」
幽子「きゃああ!」
メフィスト2世「幽子!野郎!魔力、火炎放射!」
吸血小人「ふっ」
メフィスト2世!「しまった」
悪魔くん「メフィスト2世!」 吸血小人「さすが地獄界の秘宝だけのことはある」
豆ユーレイたち「幽子ちゃん、しっかりしてー」
百目「モーン」
吸血小人「へへへへへ」
メフィスト2世「くそー、魔力、火炎放射!ダメか…うっ」
吸血小人「さ、次はお前の番だ。たっぷりと血を吸ってやろう」
悪魔くん「…」 悪魔くん「…」
吸血小人「ふふ、覚悟!」
悪魔くん「…!」
吸血小人「ふふふふ」
悪魔くん「うわ!」
吸血小人「へへへへ、同じ失敗は繰り返さん」
悪魔くん「う…」
メフィスト2世「やめろー!」
幽子・百目「悪魔くん!」
悪魔くん「う…」
吸血小人「へへへへへ。苦しめ、苦しめ」
百目「やめろだモン」
吸血小人「ははははは。東嶽大帝様もさぞお喜びのことだろう」
百目「何だモン?」
吸血小人「ん?うわー!」
芋虫仙人「吸血小人、わしが相手になるぞ」
悪魔くん「芋虫仙人…」
吸血小人「芋虫仙人、まだ生きておったか」
芋虫仙人「わしは修業の末、不老不死の術を得たのだ。見くびったな」
吸血小人「おわー」 芋虫仙人「さあおとなしく集魔玉を渡せ」
吸血小人「…」
芋虫仙人「う、うわー」
吸血小人「バカめ」
悪魔くん「くそ、たあっ!」
吸血小人「っ!」
悪魔くん・メフィスト2世・幽子・百目「あ!」
芋虫仙人「悪魔くん」
悪魔くん「芋虫仙人」
百目「痩せちゃったんだモン」
芋虫仙人「あの集魔玉に勝てる力を持つ物がただ一つある。
それは地獄の閻魔大王が持っている剣だ」
悪魔くん「閻魔大王の剣」
芋虫仙人「刀鏡と呼ばれるその剣は、普段は小さな鏡の形で、
閻魔大王が腰にさげているのだ」
吸血小人「へへへへへ」
悪魔くん「!?」
吸血小人「地獄にまだそんな宝があったとは知らなかった。そいつを頂戴して、
東嶽大帝様に献上すれば、俺は名実ともに悪魔界のナンバーワンだ」
悪魔くん「そんなこと、させるもんか」
吸血小人「へへへへ。魔力を無くしたお前らに何が出来る。首でも洗って待ってろ!」
メフィスト2世「あの野郎、調子に乗りやがって」
悪魔くん「家獣を呼んで、僕たちも地獄へ急ごう」 家獣「バウー」
芋虫仙人「ぐうだら山の山頂に向かうのじゃ」
悪魔くん「はい。家獣、ぐうだら山の山頂へ向かってくれ」
家獣「バウバウー」 芋虫仙人「あの中へ飛び込むのだ」
家獣「バウ?」
悪魔くん「あの中へ?」
芋虫仙人「大丈夫。急ぐのじゃ」
悪魔くん「家獣、勇気を出して飛び込むんだ」
家獣「バ、バ、バ、バウ。バウー」
悪魔くん・メフィスト2世・幽子・百目「…!」
家獣「バウー」
芋虫仙人「地獄へ抜けたぞ、悪魔くん」
悪魔くん「う…」
芋虫仙人「急いで閻魔の宮殿へ向かうのだ」
悪魔くん「はい」
百目「家獣、頼むんだモン」
家獣「バウー」 家獣「バウー」
亡者たち「ア〜…ア〜…」
幽子「大丈夫?悪魔くん」
悪魔くん「大丈夫さ、これくらい。あっ…」
百目「しっかりだモン」
亡者たち「ア〜…ア〜…」
メフィスト2世・幽子・百目「わあ!」
メフィスト2世「悪魔くん、逃げるんだ!」
百目「早くだモン」
メフィスト2世「よし、みんな手を貸せ」
百目「うん」
幽子「はい」
家獣「バウー」
メフィスト2世・幽子・百目「うわー!」
幽子「豆ユーレイちゃん、悪魔くんたちをお願い!」
豆ユーレイたち「はーい」
悪魔くん「ありがとう」
百目「幽子ちゃーん」
メフィスト2世「家獣。幽子を頼むぜ!」
家獣「バウー」
芋虫仙人「悪魔くん、気をつけるんじゃ」 吸血小人「ははははははは」
鬼B「待て、止まれ!」
吸血小人「ふっ」
鬼B「うわあああ!」
吸血小人「ははははははは」
鬼C「うがあああ!」
吸血小人「ははははははは」
メフィスト2世・百目「あ!」
鬼たち「あ…」
メフィスト2世「吸血小人のやつ」
悪魔くん「遅れをとったぞ」
メフィスト2世「よーし、全速力だ。いくぞ、百目」
百目「モン」 赤鬼「あ、集魔玉!」
吸血小人「その通り。今度は閻魔の剣、刀鏡を頂きにきた」
鬼D・鬼E「何だとー!」
吸血小人「…」
鬼D「うわあああ!」
吸血小人「…」
鬼E「あがあがあ!」
吸血小人「俺の邪魔をしない方が身のためだ」
赤鬼「そうはいかねえ。ここはおいらが一歩も通さねえ」
吸血小人「バカめ。地獄の鬼といえども集魔玉の力には逆らえまい」
赤鬼・青鬼「うお…」
吸血小人「魔力を吸われまいとしてもムダだぞ」
メフィスト2世・百目「あ!」
赤鬼「悪魔くん、来てくれたんすか…?」
吸血小人「ふん。今さらどうあがいてもムダだ。はははははは」
悪魔くん「閻魔大王、剣を」
青鬼「うわあああ!」
メフィスト2世「ダメだ」
悪魔くん「どうしたらいいんだ。そうだ、閻魔大王の魂、仁王様にソロモンの笛で力を送るんだ。仁王様に」
メフィスト2世・百目「悪魔くん!」
悪魔くん「ああっ…」
吸血小人「へへへ。ざまあねえや。お前をさっさとおねんねしちまえ」
百目「悪魔くーん」
メフィスト2世「しっかりしろ、悪魔くん」
赤鬼「悪魔くーん…」 メフィスト2世・百目「!?」
悪魔くん「(♪〜)」
百目「どうなってるんだモン?」
メフィスト2世「悪魔くんは、魂でソロモンの笛を吹いているんだ」
百目「魂でかモン?」
悪魔くん「(仁王様、立ち上がってください。立ち上がって剣を振ってください)」
赤鬼「うおおおお!」
悪魔くん「(仁王様、剣を取られてしまったら、地獄は終わりです。立ち上がってください)」
吸血小人「へへへへ、頂きだ」
悪魔くん「(仁王様)」
吸血小人「へへへへ。あ、あ…まさか」
閻魔大王「む…」
吸血小人「くそ。あ、あ、ぎゃああああああああ!!!!」
メフィスト2世「やったー」
百目「やったモン」
メフィスト2世・百目「悪魔くん」
百目「頑張ったモン」 仁王「悪魔くん、君のおかげで地獄の混乱は元通り収まった。感謝するぞ」
悪魔くん「仁王様」
芋虫仙人「仁王様、申し訳ございませんでした。わたくしめが油断をいたしましたばっかりに」
仁王「ああ、よいよい。悪魔くん、以前より力を増したな」
メフィスト2世「魔力がみなぎってきたぜ」
仁王「だが、地獄制覇に失敗した東嶽大帝は、他界を手に入れるため全力をあげるじゃろう。頼むぞ、悪魔くん」
悪魔くん「はい、分かりました」
仁王「うむ」 リリス「吸血小人の失敗で、東嶽大帝様はことのほかお怒り。
こうなればこちらから乗り出すしかないのでは」
ロソン「うーむ」 悪魔くん「遂にロソンと決戦の時は来た。
太古の遺跡を使って、宇宙から呼び寄せた霊魂爆弾を日本へぶつけようとするロソン。
そして、リリスの操る魔獣が、僕たちの行く手を阻む。
このままでは日本は最後の時を迎えてしまうんだ。
悪魔くん。日本を襲う霊魂爆弾の恐怖。
夢よ、とどけ君の心に」
『日本を襲う霊魂爆弾の恐怖』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 リリス「ゴモリーに続く吸血小人の失敗で、東嶽大帝様もかなり苛立ちのご様子」
ロソン「ふっ、世界各地の人間を黒悪魔にする作戦は、着々と進んでいるのだ。
あとは悪魔くんのいる日本さえおさえれば」
リリス「それともう一つ気になることが。どうやら悪魔くんは、自分たちの力を高める、
秘密の方法を探しているようなのです」
ロソン「なに!」
リリス「ぐずぐずとしていると取り返しのつかないことに」
ロソン「分かっている。良かろう、こうなれば私が日本に乗り込み、一気に決着をつけてやる。
覚悟するがいい。小僧め」 悪魔くん「あーあ」
百目「悪魔くん、何か分かったかモン?」
悪魔くん「ううん、手掛かりも掴めないよ。でも諦める訳にはいかない。
東嶽大帝を倒すためには、究極の“六芒星”を完成させるしかないんだ。
ソロモンの鍵のありかさえ分かればなあ」 アナウンサー『世界的企業グループ、ロソンコンツェルンの会長、
ロソン氏が今日、特別機で日本を訪れました。
ロソン氏は大臣らの会談の申し入れは全て断り、のんびりと日本の休日を過ごす予定です』
茂「あー、特別機でふらりと休暇とはね。金持ちは豪勢なもんだなあ」
エツ子「それはそうとお兄ちゃんと百目ちゃん、まだ調べものしてるのかしら」
コハル「食事の時間も忘れるほど学校の勉強もしてくれるといいんだけどねえ。あの二人」 ロソン「我がしもべなる霊魂どもよ。今こそ我の元に集え」 ロソン「来たれ。我にその強大なる力を捧げよ。
ふふふふ。今からきっかり13時間後にこの私は途方もない力を手に入れる。
だがその時まで悪魔くんに邪魔をされぬよう手を打たねばな」
リリス「私にお任せください」 情報屋「おはよー」
貧太「おはよう」
悪魔くん「おはよう」
百目「おはようだモン」
悪魔くん「百目、学校が終わったら道草せずに家に戻って昨日の続きだよ」
百目「うんだモン」
貧太「悪魔くんも大変だねえ」
情報屋「俺たちでよかったら何でも協力するぜ。遠慮せずに言ってくれよな」
悪魔くん「うん、ありがとう」 百目「モーン、危ないモン、悪魔くん!
貧太・情報屋「わあ!」
エレメンタルたち「…」
悪魔くん「は!誰だ、お前たちは!」
貧太・情報屋・百目「ひええ…」
リリス「…」
悪魔くん「たあっ」
百目「モーン!」
悪魔くん「うわー!」
百目「悪魔くーん!」
メフィスト2世「魔力、稲妻電撃!」」
貧太・情報屋・百目「あわわわわ…」
メフィスト2世「悪魔くん!」
リリス「ふふふふ」 貧太「大丈夫かい?悪魔くん」
悪魔くん「うん、心配ないよ。これぐらい」
メフィスト2世「危ないところだったぜ。でもこの様子じゃ学校は無理だな」
貧太「学校の方なら、僕たちがなんとかするよ」
百目「ボクにいい考えがあるモン」
情報屋「俺も手伝うぞ。悪魔くんは心配しないでゆっくり手当してくれよな」 先生「川田くん」
川田「はい」
先生「佐藤くん」
佐藤「はい」
先生「横山くん」
横山「はい」
先生「埋れ木くん」
情報屋「はい」
先生「え?あら、あなた隣のクラスの」
百目「(ピカッ)」
先生「あ…あら、今日は遅刻しないできたのね、埋れ木くん」
貧太「百目くんの魔法もなかなかのもんだな」
百目「ひひ」
貧太・情報屋「いえーい」
百目「モーン」 メフィスト2世「親父が早く悪魔くんに知らせろって言うんで駆けつけたんだが、ちょうど良かったな」
悪魔くん「メフィストが何か?」
メフィスト2世「うん、久しぶりでヨーロッパに里帰りしてた親父が、
すごいパワーの霊魂エネルギーが空に昇っていくのを見たって言うんだ」
悪魔くん「霊魂エネルギー?」
メフィスト2世「嫌な予感がするから悪魔くんも気を付けろって。親父もあちこち調べてみるって言ってたぜ」
悪魔くん「気になるな」
メフィスト2世「なーに、親父の思い過ごしかも知れねえし、それにしても奇妙な連中だったな。あの二人組」
悪魔くん「おそらく、人工精霊エレメンタルといって、魔法でつくられたロボットみたいなものさ。
それに、あのカード魔術は、確か文字や数字を呪文に使うゲマトリア魔術のはずだよ」
メフィスト2世「ロボットだとしたら操ってるやつがいるはずだな。とにかく今日はゆっくり寝てな。
俺がついててやるからよ」
悪魔くん「ありがとう、メフィスト2世」 リリス「上手くいきました。悪魔くんも今日一日は動けないでしょう」
ロソン「それで十分だ。見ていろ、必ず悪魔くんを血祭りにあげ、
地上支配を一挙に成し遂げてみせるからな。ははははは」 こうもり猫「おーい、悪魔くーん。てえへんだ、てえへんだ、悪魔くん、てえへんでやんすよ。
おっとっと、着地失敗」 悪魔くん「えー!彗星が日本に落ちるって!?」
こうもり猫「メフィストからの連絡で魔眼が調べてきたんでやんすけど、
なんでも学者によると何か強力な魔力が作用して呼び寄せてるようだって言ってやしたよ」
情報屋「そ、そんなものが落ちたら俺たちはどうなっちゃうんだ…」
貧太「でも変だな。普通の彗星ならもっと前に天文台が発見するはずなんだけど」
メフィスト2世「きっと黒悪魔が魔力を使って呼び寄せているんだ。悪魔くん」
百目「でも、どこにいるのかモン」
メフィスト2世「くそー、それさえ分かりゃあな。なんとか見つけねえと大変なことになるぜ」
悪魔くん「黒悪魔が強い魔力を発揮できる場所が日本にあるとしたら…たった一つ」
メフィスト2世「あ、分かったぞ。大昔黒悪魔のアジトだった軽井沢しかねえ」
悪魔くん「よし、行こう。う」
百目「まだ無理だモン。悪魔くん」
メフィスト2世「そうだぜ。俺たちに任せてもうしばらく寝ていろよ」
悪魔くん「そうはいかないよ。こうしている間にも彗星はどんどん日本に近づいているんだ」
メフィスト2世「分かったよ。どうせ止めても聞くような悪魔くんじゃないもんな」
悪魔くん「さあ、行こう」
こうもり猫「行ってらっしゃい。気をつけて」
百目「こうもり猫も来るんだモン」
こうもり猫「あ、やっぱし?」 情報屋「気をつけてなー」
貧太「無理するなよ、悪魔くん」 アナウンサー『臨時ニュースを申し上げます。突如出現した巨大な彗星が日本をめがけて落下しており、
このままでは日本を直撃することは、 間違いないとのことです』 ロソン「○×△☆♯♭●□▲★※」
リリス「…!」
悪魔くん「いたぞ」
リリス「あれは!」
悪魔くん「お前は誰だ!」
ロソン「貴様は悪魔くん。これはどういうことだ、リリス」
リリス「そんなはずは…!申し訳ありません。ロソン会長」
悪魔くん「ロソン?」
メフィスト2世、「そんな黒悪魔聞いたことないぜ」
ロソン「ふふふ。これならわかるだろう。ふははははは」
こうもり猫「バーコード」
百目「モン」 悪魔くん「お前はバラモン!」
メフィスト2世「悪魔くん、バラモンってのは」
悪魔くん「古代インドの黒悪魔で、数百の妖術を操る魔法の天才だよ」
バラモン「その通り。全てが金で動くこの時代。私の才能をもってすれば、
莫大な金を稼いで世界を牛耳ることも時間の問題だった。
だが、悪魔くん。お前のせいでそうのんびりはしておれなくなったのさ」
メフィスト2世「何言ってやがる」
バラモン「んははははは」
悪魔くん「メフィスト2世、時間がないよ。バラモンの魔法陣を破壊するんだ」
メフィスト2世「よし来た。魔力、稲妻電撃!うお、うわあ」
百目「メフィスト2世!」
こうもり猫「ダメみたい」
悪魔くん「大丈夫か?メフィスト2世」
バラモン「それしきの魔力でこの魔法陣を壊せるわけがなかろう。わははは」
リリス「ふっ、ふっ、ふっ」
こうもり猫「どうやらこのワンレンボディコンも女悪魔みたいでやんすよ」
リリス「お前たちに邪魔はさせないよ。バラモン様。さあ、早く」 魔獣「ガルルルル…」
メフィスト2世「悪魔くん、この魔術は」
悪魔くん「ゲマトリアだ。そうか、エレメンタルを使って僕を襲わせたのはお前だったんだな」
リリス「ふふふふふ。おとなしく傷の手当てでもしていればいいものを。だがどちらにせよもう遅いよ」
悪魔くん「え!」
バラモン「ふふ、あと数分後、このバラモンが霊魂爆弾を手に入れる」
悪魔くん「霊魂爆弾?そうか。メフィストが見たという霊魂エネルギーはこのためだったのか」
バラモン「さすが悪魔くん。いかなる霊魂をも操る石柱黒魔法陣によって、
世界各地から 黒悪魔となった人間どもの霊魂エネルギーを呼び集めたのだ」
悪魔くん「…」
バラモン「○×△☆♯♭●□▲★※」
魔獣「ガルルルル…」
こうもり猫「いよいよくるでやんすね」
百目「モンモン!」
こうもり猫「助けて!しっぽちぎれる!」
メフィスト2世「こうもり猫、待ってろ!」
こうもり猫「待てませんよー」
メフィスト2世「くらえ!魔力、稲妻電撃!」
こうもり猫「ビリビリビリ」
悪魔くん「…っ」
バラモン「ははははは」 アナウンサー『東京上空に達した謎の彗星は、猛威を振るいながら本州中部方面へ向けて落下しております』
茂・コハル・エツ子「ああ…」 バラモン「霊魂爆弾すなわち凄まじい霊魂パワーさえ手に入れれば、悪魔くん、お前たちなどもはや虫けらも同然。
やがて日本全土が、いや、世界中が私の操るがままになるのだ」
リリス「ふふふふ。さあ、覚悟するんだね」
メフィスト2世「見ろ、悪魔くん!」
悪魔くん「あ!」
メフィスト2世「ど、どうすりゃいいんだ。悪魔くん」
百目「悪魔くん!」
こうもり猫「早いとこ逃げましょうよ」
悪魔くん「バラモンだって魔法陣の外へは出られないはずだ。百目、メフィスト2世、君たちで援護してくれ」
百目「分かったモン。モーン!」
メフィスト2世「魔力、金縛りロープ!」
こうもり猫「あっしは名前呼ばれなかったもんね」
メフィスト2世「悪魔くん、今だ!」
悪魔くん「うん!」
こうもり猫「悪魔くん、頑張れ。あっし祈ってます」 リリス「ふふ、ムダだというのが分からないのかい?」
魔獣「ガルルルル…」
悪魔くん「くそ、たあっ!う、わあ!」
メフィスト2世・百目「悪魔くん!」
悪魔くん「あれは…見えない学校の魔輪」
リリス「きゃあああ!!」
悪魔くん「う…」
12使徒たち「悪魔くーん」
メフィスト2世「見ろよ、悪魔くん」
百目「見えない学校が助けに来てくれたモン」
バラモン「おのれ」
悪魔くん「ありがとう、見えない学校。行こう」
メフィスト2世「よーし」
百目「モン」
こうもり猫「待って」
バラモン「○×△☆♯♭●□▲★※」 悪魔くん「さあ、見えない学校。僕と一緒に、バラモンの黒魔法陣を打ち破るんだ。
君の力を貸してくれ(♪〜)」
鳥乙女「さあ、私たちも悪魔くんの手助けをするのよ」
メフィスト2世「よし、みんな」
バラモン「うおお。うおおおー!」
悪魔くん「(君たちはバラモンの魔力で黒悪魔にされてたんだよ。さあ、目を覚ますんだ。
そして元の綺麗な魂に戻って、自分たちの体にお帰り)」
12使徒たち「やったー」「やったモン」「やったぞう」 アナウンサー『本州中部に落下すると思われていた怪彗星は、突如姿を消した模様で、
当局もその原因について首を傾げております』
茂「良かった」
コハル・エツ子「ああ」
貧太「やったな」
情報屋「うん」 バラモン「頼む、命だけは助けてくれ。100憶、いや200憶、俺の稼いだ金は全部やる。だから命だけは」
メフィスト2世「けっ、どうせ人を騙して稼いだ金だろ。見損なうなってんだ」
悪魔くん「それより聞きたいことがあるんだ」
バラモン「な、なんでも聞いてくれ。なんでも」
悪魔くん「東嶽大帝はどこにいるんだい?君なら何か知ってるはずだ」
バラモン「あ、それは…」
リリス「ぐ…」
メフィスト2世「とっとと答えろ、バラモン」
バラモン「わ、分かったよ。東嶽大帝は…うっ、うわああ!」
悪魔くん・12使徒たち「!」
バラモン「おのれ、リリスめ」
リリス「気安く呼ぶんじゃないよ。私は東嶽大帝の123番目の娘。お前の監視役だったのさ」
バラモン「なんだと…」
リリス「とんだヘマをやらかした上に裏切ろうなんて、東嶽大帝を甘く見るんじゃないよ」
バラモン「うわああああああ!!」
リリス「悪魔くん、お前たちもだ。これ以上東嶽大帝に逆らってもムダってことさ。
勝負はとっくに見えてるんだからね」
悪魔くん「え」
鳥乙女「どうせ負け惜しみに決まってるわ」
リリス「今に分かるさ。あはははははは、あははははは」
メフィスト2世「くそー、素早いやつめ」 メフィスト老「悪魔くん、一大事じゃ。せっかく故郷でのんびり過ごそうと思っていたのに、
そうもいかんようじゃわい」
メフィスト2世「なーに、バラモンの事件なら無事に解決したぜ。しかし今度ばかりは親父のおかげで助かったよ。
伊達に年を取ってねえな。はははははは」
メフィスト老「わしが言っておるのはそのことではないわい。
色々調べてるうちにとんでもないことが分かったのじゃ、悪魔くん」
悪魔くん「え!」
メフィスト老「確かにバラモンのために人間界も危ないところだったが、これで一件落着。ところがじゃ。
いままさに魔界や他の世界では、ほとんどの悪魔たちが東嶽大帝に屈服し、味方につこうとしておるんじゃよ」
悪魔くん「な、なんだって!」 悪魔くん「博士!開けてください!ファウスト博士!
鳥乙女「ムダよ、悪魔くん。博士ったらこの間から部屋に閉じこもったまま返事もしてくれないんだもの」
悪魔くん「博士…」 悪魔くん「遂にソロモンの鍵の在処を見つけ出した僕たちは、海底深くに眠るシバの神殿へ向かう。
ソンコイの龍の攻撃をかわし、せっかく神殿に辿り着いたというのに、
僕はタブレットの中に閉じ込められ、そして12使徒の前にはシバの大魔神が立ち塞がる。
悪魔くん。ソロモンの鍵と究極の六芒星。
夢よ、とどけ君の心に」
『ソロモンの鍵と究極の六芒星』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 ファウスト博士「ゲホゲホ。もはやソロモン王の鍵の在処を知るには、この父上の遺された日記だけが頼りじゃ。
どこかに手掛かりが書いてあるはずじゃ。
ゲホッ。ああ、いかん。
ああ、これぞまさしくソロモン王の鍵の場所を記した古代魔法地図ではないか」 ファウスト博士「この地図を見ろ、悪魔くん」
悪魔くん「これは」
ファウスト博士「今をさることおよそ3000年前。ソロモン王の時代に書かれた古代魔法地図じゃ。
ここにこう書かれておる。
輝く12の星を従えし者、勇気をもって飛び降りよ。さすれば長き暗黒を抜け、
光り溢るるシバの神殿に至らん。ゲホゲホ」
悪魔くん「シバの神殿というと、ソロモン王がシバの女王のために建てた神殿ですね」
ファウスト博士「その通りじゃ、悪魔くん。そしてこの12の星というのは…」
百目「12使徒と同じ数なんだモン」
ファウスト博士「気がついたか、百目」
百目「へへ」
ファウスト博士「12の星とはすなわち12使徒、それを従える者は悪魔くんじゃ」
メフィスト2世「じゃあ勇気をもって飛び降りろっていうのはなんだ?」
ファウスト博士「この地球の3分の2を覆う海じゃ」 ファウスト博士「今から2憶2500年前。地球は全ての大陸が集まって超大陸パンゲアをつくっておった。
超大陸パンゲアは次第に分裂し、やがて今の状態になっていくのじゃが、その過程で6つに分かれた。
それを結ぶと…」
悪魔くん「“六芒星”になる」
ファウスト博士「この“六芒星”の中心に今は海の底深く沈んでしまった大陸がある。そこにシバの神殿があるのじゃ」 ヨナルデパズトーリ「大発見だわさ、博士」
悪魔くん「そこにソロモンの鍵があるんだ!」
メフィスト2世「よーし、早速行ってみようぜ」
百目「だモン」
悪魔くん「うん」
ファウスト博士「待つのじゃ!」
悪魔くん・百目「!」
ファウスト博士「行く手にはどんな困難が待ち構えているか分からんぞ。この日記の最後に父上はこう書かれておる。
シバの神殿へ至る道は険しく、我が命の火はもはや尽きんとしている。我の成し遂げられなかった夢を、
あとに続く勇気ある者に託す。心して行くのじゃ」
悪魔くん「はい」 悪魔くん「どんなに危険な旅になろうとも、僕たちはこれをやり遂げなくてはならないんだ。
行こう。究極の“六芒星”を完成させるために、シバの神殿へ。
見えない学校、浮上せよ」 ヨナルデパズトーリ「この位置だわさ。この真下にシバの神殿が沈んでいるのである」
ファウスト博士「見えない学校が力を貸せるのはここまでじゃ。さ、行くのじゃ。悪魔くん。
12使徒一人一人の勇気が、君を支えてくれるはずじゃ」
悪魔くん「はい」
ファウスト博士「シバの神殿には守り神である大魔神がおる。大魔神が目覚めぬうちに全てのことを成し遂げねばならぬぞ」
悪魔くん「はい、分かりました。みんな、行くぞ!家獣に乗って、シバの神殿に降りるんだ。いいね!?」
家獣「バウー」 家獣「バウー」
鳥乙女「わあ、綺麗」
百目「わあ、水族館みたいだモン」
大ダコ『…』
百目・鳥乙女・こうもり猫「!」
百目「あ、こら!見えないんだモン」
家獣「バウー。バウ。バウー」
百目「なんか狭くなってきたモン」
悪魔くん「家獣が水圧で押しつぶされているんだ」
12使徒たち「ええー」
悪魔くん「頑張れ、家獣。君の勇気が、シバの神殿への道を切り開くんだ」
家獣「バウー」
メフィスト2世「あ、見ろ、悪魔くん。底の方が明るくなって来たぞ」
鳥乙女「不思議だわ。こんな海の底でどうして?」 悪魔くん「シバの神殿だ」
メフィスト2世「ついにやったぜー」
12使徒たち「わーーー!」
家獣「バウー」
百目「何が起こったんだんだモン」
ソンコイの龍「ギャオー」
百目「わあ、あれなんだモン!」
悪魔くん「ソンコイの龍という悪魔だ」
鳥乙女「私たちのことを、神殿を荒らす悪者と思っているんだわ」
家獣「バウー。バウー」
12使徒たち「わー!」
こうもり猫「ちょちょちょちょ、こんなに揺れたら乗り物酔いしちゃうよ」
家獣「バウー」
こうもり猫「危ない!」
百目「モン!」
こうもり猫「潰れた…」 ヨナルデパズトーリ「悪魔くん、家獣は水圧で弱っておる。何とかせにゃやられるのである」
メフィスト2世「よーし、俺が助けに行ってやる」
鳥乙女「ダメよ。外に出たら水圧で潰されるわ」
メフィスト2世「くそー」
家獣「バウー」
悪魔くん「家獣、頑張るんだ。もう少しでシバの神殿に着く」
ソンコイの龍「ギャオー」
百目「また来たモン」
ソンコイの龍「ギャオー」
こうもり猫「怖いよー」
ソンコイの龍「ギャオー」
百目「ダメモン」
家獣「(ピカーッ)」
ソンコイの龍「……」
家獣「バウー」
12使徒たち「ほっ」 家獣「バウ」
メフィスト2世「あら、どうして水がないんだ?」
12使徒たち「?」
こうもり猫「あった。上だ。水は上でやんすよ」
悪魔くん「シバの神殿の持つ力が、海水を押し上げているんだ。すごいや」
こうもり猫「しかし、本当にあんなものが動き出すんでやんすかね」 幽子「悪魔くん、家獣さんが」
悪魔くん・12使徒たち「?」
豆ユーレイたち「家獣さん、家獣さん、元気出してー」
百目「家獣、 どうしたんだモン」
ヨナルデパズトーリ「家獣はここまでわしらを運ぶために、
魔力を使い果たしてしまったのである」
悪魔くん「ありがとう家獣。君の勇気を見せてもらったよ」
家獣「バ、バウー」
メフィスト2世「あれを見ろ悪魔くん」
悪魔くん・百目「!」
シバの神殿の悪魔たち「ピーピー」
百目「ひいー」
悪魔くん・12使徒たち「…!」 鳥乙女「ここは、私とサシペレレに任せて。みんなはシバの神殿へ。ピンクハリケーン!」
サシペレレ「竜巻大回転!」
悪魔くん「よし、今のうちだ!あっ!」
象人「怪力魔法だぞう」
悪魔くん「頼むぞ、象人!みんな早く!あ!」
百目「これじゃ先に進めないモン」
メフィスト2世「飛ぶんだ。うわあ」
妖虎「とても無理じゃ」
メフィスト2世「こんなところで手間取ってたら、大魔神が動き出すぜ」 妖虎「ユルグ、こうもり猫、わしと繋がって橋になるんじゃ」
こうもり猫「よいしょ、どっこいしょっと。わーっと…!」
妖虎「悪魔くん、この上を渡るんじゃ」
シバの神殿の悪魔たち「てやあー」
悪魔くん「えい!えい!」
こうもり猫「痛い。痛い。痛い。しっぽも腕もちぎれちまうー」
メフィスト2世「こいつらは俺に任せろ」
幽子「豆ユーレイちゃん、お願い」
豆ユーレイたち「ピンチになったらゆーれいひー。ここまでおいでー」
赤ピクシー「えいえい!」
青ピクシー「えい!」
シバの神殿の悪魔「このー」
メフィスト2世「てい!」
シバの神殿の悪魔「どわあ!」
こうもり猫「早く渡ってくれ!」
悪魔くん「ありがとう、みんな」 百目「なんて書いてあるんだモン?」
ヨナルデパズトーリ「ん?真の勇気を持たぬ者がこの扉を開けると、
それは死の扉を開けることになるであろう、と書いてあるんだわさ」
悪魔くん「この中にソロモン王の鍵が隠されているんだ」
百目「い、行くっきゃないモン。怖くないモン。平気だモン」 ヨナルデパズトーリ「あれがシバの像だわさ」
百目「見てるとなんだか胸の中がほんわかした気分になってくるモン。うわ!」
ヨナルデパズトーリ「う!」
悪魔くん「幽子、照魔鏡だ」
幽子「はい。照魔鏡!きゃあ」
悪魔くん「幽子!ああっ」
幽子「悪魔くん、早く行って。早く」
悪魔くん「うん!」 悪魔くん「…?…“六芒星”だ!」
メフィスト2世「悪魔くん!」
悪魔くん「危ない!」
メフィスト2世たち「!」
メフィスト2世「ただでさえ魔力が少なくなっているのに、そっくり吸い取られちまう感じだ」
悪魔くん「あ、みんな!あ!」
ヨナルデパズトーリ「う」
百目「はあ」
ヨナルデパズトーリ「石にされてわしらの魔力も吸い取られてしまったようだわさ」
12使徒たち「はあはあ…」「よいしょ…」
悪魔くん「あ…!」
メフィスト2世「あ。こ、これは」
ヨナルデパズトーリ「分かったである。ソロモン王の鍵とは、
悪魔くんのソロモンの笛の12の玉のことだったんだわさ」
百目「モン?」
妖虎「あの穴が鍵穴ということじゃな」
悪魔くん「みんな、あの穴にそれぞれの玉を埋め込むんだ」 メフィスト2世「よし、第一使徒の俺からだ。う…わあ!」
こうもり猫「何やってんだ、メフィスト2世。そんな板が怖いのか?」
メフィスト2世「そうか。みんなには見えないで、俺だけに見える幻想なんだ。勇気を出すんだ。
この、怖くねえ。はあ。よし、次だ。ユルグ」
ユルグ「うお、うう。はあはあ」
ヨナルデパズトーリ「負けてたまるかである」
幽子「きゃあ」
悪魔くん「(今の12使徒は、魔力を失って、何も頼るものがないふらふらの状態なんだ)」
百目「うう」
象人「やるぞう」
家獣「バウー」
悪魔くん「(頑張ってくれ、みんな)」
鳥乙女「うっ…」
こうもり猫「これで最後でやんすよ」
悪魔くん「ん?う、うわー!」 ソロモン王「よく、来たな。悪魔くん」
悪魔くん「あなたはソロモン王?」
ソロモン王「三千年の長きにわたり、私は一万年に一人しか現れぬという君を待っていたのじゃ」
悪魔くん「三千年もこの中で生きていたんですか?」
ソロモン王「いや、君が見ている私はこのタブレットの中に封じ込められた、
いわばエネルギーだけの私じゃ。
12使徒がタブレットに石を埋め込むことによって目覚めることが出来た」
悪魔くん「お願いです、ソロモン王。僕たちに究極の“六芒星”を教えてください。
東嶽大帝と戦うためには、究極の“六芒星”を完成させるしかないんです」
ソロモン王「確かに12使徒の勇気は見た。じゃが悪魔くん、君の勇気はまだ見せてもらってはいない」
悪魔くん「どうすればいいんですか!どうすれば僕の勇気を信じてもらえるんですか!」
ソロモン王「あれを見るがよい」
悪魔くん「え」
ソロモン王「一旦あの中に入ったら光さえも出てはこれない。あの中にソロモンの笛を投げ込むのじゃ」
悪魔くん「ええ!でもそんなことしたら…」
ソロモン王「君の勇気とは、ソロモンの笛に頼らなければならないものなのか?」
悪魔くん「…」 こうもり猫「出たー」
大魔神「シバの神殿を汚す者は許さん。直ちに立ち去れ!」
ヨナルデパズトーリ「待て。わしらは悪い者ではないんだわさ」
百目「そうなんだモン。一万年に一人現れる悪魔くんに選ばれた12使徒なんだモン」
大魔神「誰であろうと直ちに立ち去るのだ。さもなくば」
こうもり猫「ま、魔力が使えないっていうのにこんな大物とどうやって戦うんだよー」
12使徒たち「…!」 悪魔くん「(この笛のおかげで、今まで沢山の困難にも立ち向かってこれたんだ。それを捨てるなんて)」
ソロモン王「まだ迷っているのか。君は夢を忘れたのか。世界のすべての者たちが互いに手を取りあって、
仲良く暮らせる世界をつくるという夢を」
悪魔くん「!」
ソロモン王「それを実現させるためには、ソロモンの笛を捨ててでも戦うという真の勇気が必要なのじゃ」
悪魔くん「勇気…。(ソロモンの笛を捨てることが僕の真の勇気?
この笛が無かったら僕はこれから戦うことが出来るんだろうか。
12使徒は魔力を無くしても勇気を失わなかった。それこそ真の勇気)」
ソロモン王「さあ、真の勇気を見せてもらおう」
悪魔くん「うん。僕の夢に届け!えい!」 12使徒たち「!」
鳥乙女「悪魔くん!」
悪魔くん「シバの大魔神!待て、待つんだ!」
大魔神「そこをどくのだ。神殿から立ち去れ!」
悪魔くん「いいや、どかない。この神殿の守り神である君には、僕たちの心が通じるはずだ」
百目「悪魔くーん」
『(♪〜)』
悪魔くん「ソロモンの笛だ。ソロモンの笛がひとりでに鳴っている」
メフィスト2世「あ、タブレットが…ま、魔力が戻って来るぜ」
12使徒たち「う…」「よいしょ」「バウー」
悪魔くん「ソロモンの笛が僕に」
ヨナルデパズトーリ「タブレットに隠されたソロモン王の偉大なる力が、
すべてその笛と12の玉に移ったのである」
悪魔くん「大いなる夢の実現のために、12の星となり、輝け。究極の“六芒星”」
シバの大魔神「……」 ソロモン王「よくやった、悪魔くん。君の真の勇気に、ソロモンの笛自身が、正当な持ち主として君を選んだのじゃ。
私の役目は終わった。あとは君たちの力で、東嶽大帝の邪悪な力から全ての世界を解放するのじゃ。
行け、大いなる勇者たちよ」
悪魔くん「…」 ファウスト博士「父上、父上の果たせなかった夢を我が生徒たちが見事に果たしましたぞ。
でかしたぞ。悪魔くん。12使徒たちよ。いよいよ決戦の時が来たのじゃ」 悪魔くん「東嶽大帝の息子の悪魔王子バルバドスたちが動き出した。
その魔力は四賢人や八仙人を封じ込め、そして音楽発表会のエツ子や貧太くんたちにまで危機が迫るんだ。
今まで出会った事のない強敵に、僕はどうしたらいいんだ。
悪魔くん。地上に降りた最強の悪魔軍団。
夢よ、とどけ君の心に」
『地上に降りた最強の悪魔軍団』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 東嶽大帝「息子たちよ。もはや悪魔界は、完全に我が手に落ちた。
このわしの力の前に、全ての世界がひれ伏すのも時間の問題だ」
バルバドス「おめでとうございます。父上」
東嶽大帝「しかしまだ目障りな連中も残っておる。悪魔王子バルバドスよ。
蓬莱島の八仙人とインドの四賢人らの力を封じ、悪魔くんを倒してソロモンの笛を奪うのだ」
バルバドス「かしこまりました」
東嶽大帝「今こそ、このわしの偉大なる力を見せてやる。わーっはっはっはっはっは」 ヨナルデパズトーリ「妖精界からSOSだわさ」
悪魔くん「い、一体どうなってるんだ。各地に情報収集に飛んでいった魔眼から軒並みSOSが入るなんて」
メフィスト2世「こりゃただ事じゃないぜ」
ファウスト博士「む、まさか…ん」
百目「悪魔くん、妖虎が病気なんだモン」
悪魔くん「なんだって!」
鳥乙女「急にぐったりして動けなくなっちゃったの」
ピクシー「僕たちの薬も効かないんだよ」
悪魔くん「博士、これは一体」
ファウスト博士「考えられることはただ一つ。東嶽大帝がその力でもって崑崙山の天井の光を遮断してしまったのじゃ」
悪魔くん「崑崙山?中国の?」
メフィスト2世「そうか。それで妖虎の魔力が弱っているんだ」
ファウスト博士「妖虎だけではない。影響は白悪魔全部に出るはずじゃ。
長引けば、みんなの魔力も失われるだろう」
こうもり猫「そ、そんなー」
悪魔くん「ついに東嶽大帝自らが動き出したのか」 茂「母さん、確かエツ子の番はこの次だったよな」
コハル「ええ、そうですよ。何だかこっちの方がドキドキしますね」 エツ子「(い、いよいよ私の番ね。ひょっとしてこの舞台が、
芸能プロのスカウトかなんかの目に留まったりして)」
(芸能プロ「素晴らしい才能だ!ただちに彼女と契約するんだ」)
エツ子「そして私は芸能界へ華麗なるデビュー!
たちまち人気者になって、美少年組と共演したりして…)
ん、あ、び、美少年組!」
情報屋「美少年組?ど、どこに?」
エツ子「ううん、何でもないのよ」
貧太「変なエッちゃん」 父兄たち「……」
茂「さあ、いよいよだぞ、母さん」
父兄たち「わあー!……」
キリヒト「えー次は、埋れ木エツ子さんのリコーダーの独奏です」
茂「わあ……」
コハル「……」
キリヒト「ではエツ子さん、どうぞ」
エツ子「拍手がない。あ」
父兄たち「……」
エツ子「ど、どうなってんの。あ、あんた何よ。ちょっと離してよ。誰か助けて」
貧太「離せ」
情報屋「首が苦しい」
キリヒト「ああ、主よ」
貧太「ちくしょー。離せよ。いて。僕たちに何の用があるんだ」
バルバドス「ふふふふ。お前らは悪魔くんの命と引き換えにする餌や」
貧太「悪魔くんの命と?」
エツ子「なんで?なんでお兄ちゃんの命なんか欲しがるのよ」
バルバドス「ふふ」 フランネール「四賢人様がやられるとは…。もはや頼れるのはこの方しかいないのだ…」 メフィスト2世「あれは、悪魔くんの学校じゃないか」
悪魔くん「…」
百目「あ、あれ見てモン」
悪魔くん「あ、エツ子!」
百目「貧太くんに情報屋、キリヒトくんもいるモン」
バルバドス『ははははは。悪魔くん』
悪魔くん「悪魔王子バルバドス!」
バルバドス『ごらんのとおり、エツ子と三人組は預かった。無事に返してほしくば、
ソロモンの笛を渡して降伏するのだ。ははははは』
メフィスト2世「ひ、卑怯な」 バルバドス『選択の余地はない』
エツ子『きゃあ』
バルバドス『一時間経つごとに人質を一人ずつ殺す。まず、エツ子からだ』
エツ子「きゃあー!』
悪魔くん「エツ子!」
エツ子「お兄ちゃーん、怖いよー。お兄ちゃーん。ちょっとあんたやめてよ」
メフィスト2世「エッちゃん…」
百目「悪魔くん…」
バルバドス『待ってるぞ、悪魔くん』
メフィスト2世「あ、魔眼がやられた」
悪魔くん「…!」
ヨナルデパズトーリ「バルバドスは東嶽大帝の息子で、
悪魔の中でも血も涙もない残虐非道な悪魔として、恐れられているのである」
ファウスト博士「どんな固いものでも貫き通す剣を持ち、分身の術と蜃気楼の術の名人で、
しかも魔力を食ってしまうことが出来るのじゃ」
悪魔くん「…」
百目「エッちゃんはどうなるんだモン」 エツ子「…これは夢を見ているんだわ。悪魔なんかいるはずないもん」
情報屋「夢なんかじゃないよ。現実だよ」
エツ子「だって、あのお兄ちゃんがそんな…」
貧太「悪魔くんは、黒悪魔軍団から世界を守るために生まれた、一万年に一人の人間なんだ」
エツ子「ええ…!」 メフィスト2世「何を迷ってんだ!すぐにエッちゃんを助けに行こうぜ」
悪魔くん「だけど、今エツ子を助けに行ったら、東嶽大帝の思う壺だ。
混乱はますます大きくなってしまう。…?」
メフィスト2世「…ばかやろー!」
悪魔くん「うっ」
こうもり猫「な、何をするんでやんすか!」
メフィスト2世「離せ!」
ユルグ「落ち着くんだ。メフィスト2世。落ち着け。落ち着け」
メフィスト2世「見損なったぜ。エッちゃん一人を助けられない悪魔くんに世界が救えるか!」
鳥乙女「悪魔くんだって苦しいのよ。自分の肉親だもの。本当は真っ先に助けに行きたいはずよ」
幽子「う…うう…」
メフィスト2世「俺たちは、悪魔と人間が仲良く暮らせる平和と幸せの王国を築くために戦っているんじゃないか!
ここでエッちゃんや貧太くんたちを見捨てたりできるか!」
百目「そうだモン、悪魔くん」
悪魔くん「…」
幽子「悪魔くん、行きましょう。エツ子ちゃんを助けるの」
悪魔くん「…」
妖虎「そう、その通りじゃ。悪魔くん」
悪魔くん「妖虎…」
こうもり猫「大丈夫なのか?妖虎」
妖虎「及ばずながらわしも力を貸すぞ」
悪魔くん「ありがとう。ありがとう、みんな…」
12使徒たち「悪魔くん」「よいしょ」「バウー」
ファウスト博士「みんなの心は一つじゃ。見えない学校よ。すぐに悪魔くんの学校に向かうのじゃ」 フランネール「や、やったぞ。し、視鬼魅様。あなたの力が必要なのです。
どうか鏡よりお出ましください。視鬼魅様!」 バルバドス「現れたな、見えない学校」
エツ子「え、どこ?」
貧太「僕たちには見えないけど、悪魔くんが助けに来てくれたんだ」
貧太・情報屋・キリヒト「悪魔くーん」
エツ子「お兄ちゃん、お兄ちゃーん」
エツ子・貧太・情報屋・キリヒト「わあー!」
バルバドス「うるせえんだよ、お前らは」 メフィスト2世「あ、エッちゃん」
悪魔くん「バルバドス、エツ子やみんなを離せ!」
バルバドス「言っただろう。ソロモンの笛を渡して、悪魔くんが降伏したらだ」
メフィスト2世「寝言を言うんじゃねえ!俺たち12使徒に敵うとでも思ってるのか!」
鳥乙女「そうよ!」
家獣「バウー」
こうもり猫「やいやいやいやい。どっからでもかかっていらっしゃい」
バルバドス「こいつはお笑い草や。12使徒の力でわてらに歯向かうやて」
こうもり猫「な、なにがおかしいんだよ!」
バルバドス「ふふふふふ」
悪魔くん「あ!」
ヨナルデパズトーリ「あれはインドの四賢人である」
バルバドス「まだあるで。これを見ろ」
悪魔くん「あ、八仙人までが…」
こうもり猫「これはとても敵わないでやんすよ。よーく考えましょうね。みんな」
バルバドス「悪魔くんさえソロモンの笛を差し出して降伏すれば、全員が助かるんだ。
こんな得な取り引きはないだろう。それとも」
悪魔くん「エツ子!」
メフィスト2世「エッちゃんに何しやがる!…
稲妻電撃が食われた!」 ファウスト博士「見えない学校よ、頼むぞ」
百目「あ、魔煙だモン」
こうもり猫「やったね!よいしょ!よーし、今のうちだ」
バルバドス「ムダや。ムダや。わいらに魔煙など通じんわい。さあ、そこから降りてこい。悪魔くん」
悪魔くん「く…」
12使徒「…」「くそー…」
悪魔くん「僕は誰も犠牲になんかしたくない!」
百目「うう…悪魔くん」
悪魔くん「メフィスト2世、僕をバルバドスたちのところへ連れて行ってくれ」
幽子「悪魔くん」
メフィスト2世「…」
こうもり猫「降伏なんかしたら何されるか分からないでやんすよ!」
悪魔くん「お願いだ、メフィスト2世」
メフィスト2世「…分かったぜ、悪魔くん」
12使徒たち「悪魔くん」 バルバドス「まずソロモンの笛をよこせ」
悪魔くん「さあ、みんなを離してくれ」
バルバドス「ふふふふふ」
悪魔くん・メフィスト2世「?」
バルバドス「それはお前の命を奪ってからや」
12使徒たち「悪魔くん!」
メフィスト2世「卑怯な!」
悪魔くん「エツ子!」
バルバドス「ん?お、お前は!」
ヨナルデパズトーリ「本物はここだわさ」
バルバドス「おのれはいつの間に!」
サシペレレ「魔煙で見えなくなった一瞬に入れ替わったんだ」
ヨナルデパズトーリ「ファウスト博士との見事な連携プレーである」
バルバドス「くそー」 鳥乙女「さあ、みんな今よ」
家獣「バウー」
こうもり猫「あ、待って。あっしも。よいしょ」
バルバドス「ふん、お前たちが束になってかかってこようが勝ち目はないぞ」
12使徒たち「!」
悪魔くん「分身の術だ」
メフィスト2世「片っ端からやっつけてやらぁ!」 フランネール「神々のピンチを救えるのは、視鬼魅様しかいないのです。
このままでは天上の光は永遠に失われて、暗黒の世となってしまいます」 悪魔くん「てやあ!」
ユルグ「コーンエッサムコーン!」
百目「ポーン!」
象人「行くぞう。やるぞう。とう、うわ」
幽子「きゃあ」
鳥乙女「ピーンクハリケーン!きゃっ」
こうもり猫「あー夢なら覚めて。夢じゃなかった」
メフィスト2世「魔力、絶対零度!うわあ」
妖虎「ガオー。うおお」
悪魔くん「やあ!」
百目「ポーン!」
悪魔くん「妖虎!妖虎、しっかりするんだ!」
妖虎「わしはもうダメじゃ。ま、魔力が…」
悪魔くん「妖虎…」
幽子「きゃあー!」
悪魔くん「!」
百目「目が回る〜」
サシペレレ「うっ」
悪魔くん「!」
メフィスト2世「う…」
こうもり猫「よいしょ!」
メフィスト2世「うぐ」
バルバドス「今度こそ。最期やで」
魔輪『ドドドドドドッ』
バルバドス「うがあ」 悪魔くん「(♪〜。笛よ。平和を願う僕の思いを、全ての世界に届けてくれ。奇跡を起こしてくれ)」
フランネール「おお、ソロモンの笛の音が。視鬼魅様!」
悪魔くん「(僕の力は奇跡を起こすにはまだ足りなかっ…)うっ…」
バルバドス「はははははは」 視鬼魅「魔鏡よ、天上の道を開き、その光を再び溢れさせよ」
バルバドス「死ね!これで全ての世界は父上のものとなる。
どわあああ、ぎゃああああああ!!」
漢鍾離老人「天上の光が戻った今、お前たちには勝ち目はない。韓湘子、逆封じじゃ」
韓湘子中年「(ササッ)」
バルバドス「ぐおお……」 悪魔くん「あ…」
視鬼魅「悪魔くん、どうやら間に合ったようだな」
悪魔くん「視鬼魅。あなたは平和な世の中になるまで鏡の中で眠ってるはずだったのに」
視鬼魅「謝ることはない、悪魔くん。君のソロモンの笛と、
12人の仲間たちの心が一つになって、わしを鏡の中から呼び出したのじゃ。
おかげでわしは自分の魔力を天上の神々のために初めて役立てることが出来た」
悪魔くん「そうか。四賢人も八仙人も崑崙山に仕える神々だったんですね」
漢鍾離老人「その通りじゃ。君が東嶽大帝と互角に戦えるまで成長するのを、この地上で見守っていた」
遊行賢人「しかし悪魔くん、もう一刻の猶予もないぞ。東嶽大帝は、地獄界と妖精界を我が物とするため、
9900万の黒悪魔軍団を出撃させるつもりじゃ」
悪魔くん「9900万の黒悪魔軍団を!?」
視鬼魅「天上界の神々がじゃ。アニマムディの魔境に告げてくれた。東嶽大帝は、東嶽廟の地下の魔空間にいる」
悪魔くん「東嶽廟の地下に!」
視鬼魅「そうだ、きっとどこかに入り口があるはずだ」
悪魔くん「…」 ファウスト博士「悪魔くん」
悪魔くん「?」
ファウスト博士「どうやらわしの使命は終わったようじゃ」
遊行賢人「ファウスト博士はわしらと残る。今度は君たちだけで見えない学校を動かすのだ」
12使徒たち「えー!」
ファウスト博士「あとは君たちが戦うのじゃ。人間と悪魔が仲良く暮らせるユートピアの実現のために」
12使徒たち「博士―!」「ファウスト博士ー!」
悪魔くん「分かりました、今度はこっちから東嶽大帝に決戦を挑みます!」 エツ子「お兄ちゃん…」
貧太・情報屋・キリヒト「…」
悪魔くん「エツ子、みんな。僕は行かなければならないんだ。でも、きっと東嶽大帝を倒して戻ってくるよ」
エツ子「百目ちゃん、メフィスト2世さん…」
百目「エッちゃん、笑って!泣いちゃいやだモン」
メフィスト2世「帰ってきたら、今度はエッちゃんにラーメン作ってもらうからな!」
エツ子「…うん」 エツ子「(♪〜)」
茂・コハル・父兄たち「…」
エツ子「…」 悪魔くん「東嶽大帝のいる悪魔城へ、いよいよ僕たちは乗り込む。
魔空間で待ち受ける黒悪魔軍団とリリス。
激しい戦いの中で、ユルグが、鳥乙女が、そして、見えない学校が傷ついていくんだ。
僕達の夢、勇気が、今大きく燃え上がろうとする。
悪魔くん。魔空間に突撃!急げ、見えない学校。
夢よ、とどけ君の心に」
『魔空間に突撃!急げ、見えない学校』 東嶽大帝「わしの息子たちバルバドスもやられたか。だらしがない!
リリスよ。9900万の黒悪魔たちに号令を出すのだ。
地獄界、妖精界に向かって全軍出撃せよ、と」 メフィスト2世「悪魔くん、大分上達したみたいだな」
百目「揺れも少ないし、快適だモン」
悪魔くん「いやあ、見えない学校が自分から動いてくれてるんだよ」
ヨナルデパズトーリ「見えない学校はそれ自体が生きているのである。
悪魔くんの力次第で、まだまだ秘めたる能力を発揮するはずである」 鳥乙女「悪魔くん、もうすぐ東嶽廟に到着するわよ」
悪魔くん「…」
ヨナルデパズトーリ「かつては東嶽大帝も、ここで神に仕えていたのである。
それが今は闇の大魔王となって、全ての世界に君臨しようとしているんだわさ」
メフィスト2世「このどこかに、魔空間への入り口があるんだ」
幽子「感じるわ。すごい霊気よ」 こうもり猫「霊気だ」
鳥乙女「震えてるの?こうもり猫」
こうもり猫「む、武者震いでがんすからね」
鳥乙女「ふふ」 悪魔くん「あ…」
メフィスト2世「悪魔くん、あれ」
ヨナルデパズトーリ「間違いない、魔空間への入り口である」
悪魔くん「突っ込むぞ」 百目「ん。何だモン?」
幽子「あ…」
こうもり猫「うーん、どっちが逆さまでやんす?」
百目「・・・目が回るんだモン」 悪魔くん「あ!あ…」
鳥乙女「な、何なのよ、あんたたち」
幽子・ピクシー・百目・こうもり猫「ひい…」
ヨナルデパズトーリ「悪魔竜ヒドラである」
メフィスト2世「へっ、ぶっ細工なやつ」
ヒドラ「ギャオ―」
幽子「来るわ」 悪魔くん「よけるんだ!見えない学校」
メフィスト2世「あ!悪魔くん、魔眼がやられた!」
悪魔くん「…!」
ヒドラ「ギャオ―」
メフィスト2世「あの首をぶった切らないと、埒が開かないぜ。魔力、ハットノコギ…う、わあ」
ガミジンたち「ぎゃーっはっはっはっは」
悪魔くん「ガミジンに、グレムリンだ」
鳥乙女「行くわよ」
百目「ああ、ボクも行くモン。待ってモン」
こうもり猫「あ、あら。ねえ、ちょっと、ちょっと」
家獣「バ、バ、バ、バウー」
こうもり猫「ちょっと、あっしも行くでやんすよ。置いていかないで」
悪魔くん「…」 ガミジンたち「ぎゃーっはっはっはっはっは」
グレムリン「がブガブガブ」
鳥乙女「ピーンクハリケーン!」
ガミジンたち「ぎゃーっはっはっはっはっはっはっはっは」
ユルグ「コーン!」
ガミジンたち「ぎゃあああ!!」
ユルグ「コーンエッサムコーンエッサム…」
ガミジン「ぎゃはは、ぎゃはははは」
鳥乙女「ユルグ!」
ガミジン「ぐわあ、ああああ」
ユルグ「助かったよ、ナスカ」
鳥乙女「さ、どんどん狐火で焼き払って」
ユルグ「コーン!」
鳥乙女「…」 メフィスト2世「お?」
グレムリンたち「(パタパタパタパタ)」
メフィスト2世「うわあ!」
妖虎「ガオー」
グレムリンたち「!!!!……」
メフィスト2世「妖虎のやつ、おおざっぱな助け方しやがる」 グレムリン「がブガブガブ」
百目「この、この、この、この、この、ん?」
グレムリンたち「(パタパタパタパタ)」
百目「モーン!(ピカーッ)」 ヒドラ「ギャオ―」
幽子「はっ。うっ…」
鳥乙女「ピーンク…」
こうもり猫「鳥乙女!」
鳥乙女「ハリケーン!あ…」
こうもり猫「鳥乙女、危ないでやんす!」
鳥乙女「あ!」
こうもり猫「ぐう…うう…」
鳥乙女「さっさと私を離して逃げなさい。こうもり猫!」
こうもり猫「うぐう…うう…」
鳥乙女「離しなさい!こうもり猫!」
こうもり猫「やだー!」
見えない学校『(ピカ―ッ ビリビリビリビリビリビリ)』
ヒドラ「……」
悪魔くん「すごいぞ、見えない学校」 ユルグ「何が出てくるか分からんぞ」
幽子「あ、あれを見て!」
ピクシー「ビックリ!こっちからも!」
ゼーオルム「シャアアアアア」
こうもり猫「んご!」
悪魔くん「ああ、大蛇ゼーオルム!」 百目「な、なんか上がって来るけどよく見えないモン」
ジュラタン「…」
百目「ひい、やだモン。モーン!(ピカ―ッ)」
メフィスト2世「どうした、百目!来やがったな、化け物!」
悪魔くん「頑張れ、見えない学校!ん?」
ジュラタンたち「…」
悪魔くん・ヨナルデパズトーリ「…」
悪魔くん「…」 ジュラタンたち「…」
悪魔くん・ヨナルデパズトーリ「…」
悪魔くん「…!」
家獣「バウー!」
悪魔くん「家獣!」
家獣「バウバウ!」
ジュラタンたち「!!!!……」
家獣「バウーバウーバウー!」
悪魔くん「家獣!」 ユルグ「コーンエッサムコーン!」
ジュラタンたち「!!!!……」
ユルグ「コーン!」
ジュラタンたち「!!!!……」
ユルグ「コーン!」
ジュラタンたち「!!!!……」
ユルグ「コーン!」
ジュラタンたち「!!!!……」
ユルグ「コーンエッサム…あ」
ジュラタン「(グサッ)」
ユルグ「コーン!うう…」 ゼーオルム「シャアアアアアアア」
こうもり猫「くらえくらえくらえくらえくらえ!ひっかいちゃうぞ。このやろこのやろこのやろ!」
メフィスト2世「くらえー!」
象人「ぱおーん」
こうもり猫「よっこらしょっと。あ、あついー」
象人「あちーちちちち」
メフィスト2世「わあー!」
ゼーオルム「シャアアアアアアア」
家獣「バウー」
悪魔くん「あ!」
家獣「バウー」
ゼーオルム「シャアアアアアアア」
悪魔くん「見えない学校!くじけちゃダメだ!あ…」
見えない学校の生命玉『…』
幽子「あ…」
こうもり猫「なんでやんす?」
ピクシー「?」
鳥乙女「まるで太陽だわ」
ゼーオルム「!!!!!!!!!!!!!!!!………………………………」
ユルグ「ああ、生命玉が火の海で泳いでるゼーオルムを再び火の中に戻してやったのだ」
悪魔くん「よくやった、見えない学校」
百目「ジュラタンはみんなやっつけたモン」
ヨナルデパズトーリ「悪魔くん、みんな無事か?」
悪魔くん「うん」 百目「何だモン?あ、あ…あー!」
12使徒たち「わー」
百目「見えないモン!」
こうもり猫「なんなんだ…」
リリス「見えない学校よ、この幽霊船サルガッソーが相手だ」
こうもり猫「ど、ど、ど、どうなるんだよ。あんなすごいの食らっちまったら、見えない学校だってお終いだ」
メフィスト2世「ここまで来て泣き言言うな!」
鳥乙女「そうよ。地獄界でも、妖精界でも、みんな平和を守るために戦ってるのよ」
赤ピクシー「そうだ、みんな元気出して」
青ピクシー「僕たちが元気出さなかったら東嶽大帝は倒せないよ」
幽子「そうよ、お願い」 東嶽大帝「リリスが幽霊船サルガッソーを出航させたか。この城の中で悪霊砲を使えば、
魔空間と現実空間との境が破られ、空間乱気流が発生する。
それに飲み込まれたが最後。魔空間と現実空間を永久に彷徨うことになる。
悪霊玉の爆発に耐えたとしても、見えない学校の運命はもはや極まったか」 こうもり猫「一体、どうなっちゃったんだ、見えない学校は。こんな時に昼寝なんて!」 悪魔くん「みんな、勇気を出すんだ!僕たちの勇気で見えない学校を支えるんだ!」 リリス「悪霊玉は全てのエネルギーに反発して爆発を起こすのさ。
相手のエネルギーが強ければ強いほど、爆発は大きくなる。
見えない学校は、一瞬で消えてなくなるだろうよ。
はははははは。あーっははははは」
悪魔くん「…!」
リリス「撃てー!」
悪魔くん「うっ!」
リリス「やったか。形を留めているだけでも奇跡よ。
これは…ま、まさか父上…空間乱気流が!」 ヨナルデパズトーリ「ああ、あの渦に飲まれたらお終いだわさ」
こうもり猫「見えない学校、おい、早く起きろ!この寝坊助!」
鳥乙女「もしかしたら、悪霊砲の爆発で死んでしまったのかも知れないわ」
赤ピクシー「えー」
青ピクシー「そんなー」
悪魔くん「目覚めてくれ。見えない学校」 悪魔くん「(♪〜)」
リリス「あ、あ、ああああああっ!父上、助けてください。父上、父上!あああああっ!
父上ぇえええええええ!!!!!!!!!」
メフィスト2世「動いたぞ」
ピクシー「やった」
幽子「見えない学校、お願い。頑張って」
ヨナルデパズトーリ「そうであるか。見えない学校は、
悪霊砲から身を守るために、全てのエネルギーをストップさせ、仮死状態に入っていたのである」
鳥乙女「もう少しよ、頑張って」
メフィスト2世「頑張れ」
ヨナルデパズトーリ「頑張るのである」
幽子「お願い」
こうもり猫「ガッツでやんすよ」
百目「ファイトだモン」 東嶽大帝「またも失敗か。かくなる上はこのわし自らの手で悪魔くんを抹殺してくれるわ」 悪魔くん「頑張ったね、見えない学校。…!?」
東嶽大帝「ふはははははははは」
悪魔くん「…あれが、東嶽大帝」
東嶽大帝「ふははははははははは」 悪魔くん「恐るべき東嶽大帝の魔力。
見えない学校のエネルギーは消え、そして、僕はソロモンの笛を奪われてしまう。
どんなに苦しくても、僕と12使徒は、夢と友情と正義に結ばれた仲間なんだ。
僕はひとりじゃない。
いよいよ僕たちの戦いのクライマックス。
悪魔くん。夢よ、とどけ君の心に!」
『夢よ、とどけ君の心に!』 <ナレーター>
四界征服を企む大魔王東嶽大帝と、
この世にユートピア建設を目指す悪魔くんの夢と希望をかけた戦いは、
ついに決戦の時を迎えようとしていた。 東嶽大帝「ふはははははははははははは」
12使徒たち「うぅ…」「バウー」「よいしょ」
悪魔くん「凄い魔力だ…。学者、これは?」
ヨナルデパズトーリ「東嶽大帝は、我々の生気エネルギーを、すべて吸い取ろうとしているのである…」
悪魔くん「え?」
メフィスト2世「だ、だから、体の力が…野郎!東嶽大帝め!」
こうもり猫「三十六計、逃げるが勝ちでやんすよ、悪魔くん!
こら、見えない学校!なにグズグズしてんだ!とっととずらかるんだよ!」
ヨナルデパズトーリ「無理のようである。今まで必死に戦ってくれた見えない学校は、
我々以上に傷ついておる。もはや飛び立つ力も残っていないのである…」
鳥乙女「え、見えない学校が!あ、生命玉の光が弱まっていくわ!」
幽子「まるで、悲鳴を上げてるみたい…」
ピクシー「しっかり、見えない学校!」
東嶽大帝「ふははは!このときを待っていたのだ!
もはやお前たちは、このわしに逆らう力など残っていないはず。わしが四界を征服する!
最後の仕上げとして、今まで邪魔をしてきたお前たちの骨も肉も魂も、吸い尽くしてくれよう!」
悪魔くん「これ以上、見えない学校に迷惑をかける訳にはいかない…。
みんな、もう一度力を合わせて戦おう!」
メフィスト2世「よし。行こうぜ、悪魔くん!」 東嶽大帝「むう、性懲りもなく!」
悪魔くん・12使徒たち「うわああー!」
悪魔くん「う…。だ、大丈夫か、みんな」
東嶽大帝「ふははははは」
妖虎「お、生命玉の光が消えたぞ」
鳥乙女「ええ!?あ!」
百目「見えない学校、死んじゃったのかモン?悪魔くん」
悪魔くん「み、見えない学校…」
東嶽大帝「わはは!次はお前たちの番だ!」
メフィスト2世「野郎!仇はとってやるぜ、見えない学校!」
こうもり猫「ど、どうやってあいつと戦えってんだよ!?
第一、俺たちの魔力なんか通じやしねえぜ」
ユルグ「…忘れちゃ困るぜ、こうもり猫。
俺たちは、何のためにあのシバの神殿まで行ってきたと思ってるんだ」
悪魔くん「そうだよ。今こそ究極の“六芒星”を使うんだ。みんな、位置について!」
百目「がんばるモン」
鳥乙女「最後の力を、ふり絞るのよ!」
象人「やるぞう!」
ユルグ「…」
メフィスト2世「見てろ、東嶽大帝!」 東嶽大帝「そうはさせぬぞ!」
メフィスト2世「悪魔くんを守れ!」
12使徒たち「うわあああー!」
メフィスト2世「うっ」
こうもり猫「舌噛んだ」
悪魔くん「わ、わぁー!」
ヨナルデパズトーリ「おお、悪魔くんの生気エネルギーが吸い取れられていくである…」
百目「悪魔くーん!」
メフィスト2世「じょ、冗談じゃねぇ!野郎!悪魔くーん!わあー!ああっ!」
幽子「メフィスト2世さん…」
東嶽大帝「わははははははは」
悪魔くん「ち、力が抜けてく…」
メフィスト2世「な、何とかしなきゃ…あ、悪魔くん…」
東嶽大帝「今のお前は生気を抜かれ、一歩一歩死に近づいているのだ。
それと引き換えに、このわしの力はますます高まっている!」
悪魔くん「何だって!」 悪魔くん「うぅ…力が…ああ…」
東嶽大帝「今まさにこの力は、妖精界、地獄界、天上界、人間界の四界を覆いつくし、
ついにこの東嶽大帝が全ての世界の支配者となろう!わははははははは」
悪魔くん「う、うう、よく聞け、東嶽大帝!
どんな強力な力だって、悪の力で世界を支配することなんて、決してできやしないんだ!」
東嶽大帝「何ぃ、生意気な!」
悪魔くん「みんなが助け合ってこそ、初めて世界が一つになり、ユートピアを築くことができるんだ!」
東嶽大帝「何を寝ぼけたことを!所詮、力ある者こそ正義であり、支配者となるのだ!このわしのようにな。
それをユートピアなどと、くだらん夢物語だ!」
悪魔くん「夢も信じれば叶う!だから…だから僕たちは今まで戦ってきたんだ!」
こうもり猫「うぅ…あ、悪魔くん!」
妖虎「あ…悪魔くん…」
東嶽大帝「ええい!この期に及んで、まだわしの力がわからぬのか。良かろう!」
悪魔くん「わああー!わああー!」
百目「悪魔くーん!」
鳥乙女「あぁ…」
メフィスト2世「あ…悪魔くん!」
幽子「悪魔くーん!悪魔くん…うう…」
東嶽大帝「くたばる前によーく見ておけ!」 ファウスト博士「おお、蓬莱島のあの摩天楼が。漢鐘離老人」
漢鐘離老人「うむ、ついに東嶽大帝の強力な力が、蓬莱島にまで及んできたようじゃ」
韓湘子中年「世界のヘソの中心である、蓬莱島の摩天楼が崩れ去れば、
世の中の地下で眠る霊魂たちがさまよい出し、人間界は間違いなく滅びてしまいます」
遊行賢人「ここまで来ては、わしたちにはもう何もできん」
漢鐘離老人「この危機を救えるのは、悪魔くんしかおらんのじゃ」
ファウスト博士「そうじゃ、あの子しかおらん。頼むぞ、悪魔くん」 コハル「あなた、ニュースで言ってたけど、世界中で次々と異変が起こってるそうよ。怖いわ」
茂「こんなときに真吾はまた、どこへフラフラ出かけてるんだ。さあさあ、中へ入って」
エツ子「なんだか、いやな予感がするわ」
キリヒト「ひょっとして、世界の終わりなんでしょうか」
エツ子「ええ!」
情報屋「じょ、冗談じゃないよ!悪魔くんが、東嶽大帝なんかに負けるわけないよ!」
貧太「うん。僕たちには何もできないけど、せめて悪魔くんを信じようよ!頼むぞ、悪魔くん」
エツ子「お兄ちゃん…」 東嶽大帝「わーはっはっはっは!お前の住む人間界と悪魔が助け合うどころか、地獄と化すのだ。
悪魔くん、お前の愚かな夢から目を覚ますのだな。わはははははは!」
悪魔くん「そんなことは…させない!はっ、ソ、ソロモンの笛が!?ソロモンの笛がない!
ソロモンの笛…ソロモンの笛?た、大切なソロモンの笛…ぐぅ…」
東嶽大帝「さぁ、ますますこの力を高めてやるぞ!わはははははは」
幽子「悪魔くーん!」
メフィスト2世「悪魔く…ん」
鳥乙女「あぁ!」
ヨナルデパズトーリ「おー、東嶽大帝のエネルギーが…」
東嶽大帝「わははははははは」
悪魔くん「ここで諦めたら、すべてが終わってしまう…でも、でもソロモンの笛が…」
ソロモン王『悪魔くん…君の勇気とは、ソロモンの笛に頼らなければならないものなのか?』
悪魔くん「はっ…ソロモン王!?」
ソロモン王『悪魔くん。君の仲間である12使徒たちは、
魔力をなくしても決して勇気を失わなかった。それこそ、真の勇気』 悪魔くん「ゆ、夢を…夢を実現させなきゃ」
メフィスト2世「悪魔くーん!」
幽子「悪魔くん!」
鳥乙女「あ、悪魔くん…はっ!魔眼から、涙が!?」
悪魔くん「えぇっ!?」
ヨナルデパズトーリ「そうか、そうじゃったのか…見えない学校は…」
メフィスト2世「あっ、悪魔くんが…」
こうもり猫「あ、悪魔くん…」
東嶽大帝「何っ!?お前の生気エネルギーはほとんど吸い取ったはずなのに、どこにそんな力が!?」
悪魔くん「傷つき、疲れきった見えない学校が、僕に再び勇気を奮い起こさせてくれたんだ!」
東嶽大帝「えぇい、今度こそ永遠の闇の中へ送り届けてやる!」 東嶽大帝「おぉっ!?」
百目「悪魔くんが!」
ヨナルデパズトーリ「おお、ソロモンの笛を繋いでいた12の珠が、悪魔くんを!」
鳥乙女「まるで、私たち12使徒の代わりをしているようだわ」
象人「わしらも負けてられないぞう」
メフィスト2世「よーし…行くぞ…!」
幽子「悪魔くん!」
12使徒たち「悪魔くーん!」
東嶽大帝「おのれ!おおっ!?うがああ!?」
悪魔くん「あ!ソロモンの笛だ!ソロモンの笛!」
メフィスト2世「悪魔くん、今だ!」
悪魔くん「よーし!」 悪魔くん「(♪〜)」
百目「うぅっ…」
12使徒たち「あぁっ!?」
ユルグ「百目!」
妖虎「しっかりするのじゃ!」
こうもり猫「な、何やってんだ!早く立たねぇか!ドジ、バカ、百目!」
百目「あ…悪魔くん…ああ…あ、悪魔くん…あぁ…」
幽子「百目ちゃん!」
メフィスト2世「動くな、幽子!」
幽子「え…?」
メフィスト2世「俺たちが信じ合わねぇで、どうして究極の“六芒星”ができるんだ!?
本当の仲間なら、百目を信じるんだ!」
幽子「メフィスト2世さん…」
百目「あ、悪魔くん…みんな…」
ヨナルデパズトーリ「…」
鳥乙女「がんばって、百目ちゃん!」
幽子「百目ちゃん…」
こうもり猫「ひゃ、百目!根性!根性でやんすよ!」
家獣「バウ、バウッ!」
メフィスト2世「悪魔くんも俺たちも、最後の力を振り絞ってるんだ。
だから…だからお前も、立て!百目!立つんだ、百目!」 百目「あ、あ…悪魔くん…」
鳥乙女「もう少しよ!がんばるのよ、百目ちゃん!」
妖虎「もう少しだ、百目!」
家獣「バウーッ!」
幽子「しっかり、百目ちゃん!」
百目「…ううっ」
サシペレレ「やったぞ、百目!」
こうもり猫「百目!」
百目「ボク、がんばったモン…悪魔くん…」
悪魔くん「 (よくやったぞ、百目)」
東嶽大帝「うおおおおおおおおお!!!!!!」
悪魔くん「(僕たちの夢よ、希望の星となって輝け!究極の“六芒星”!)」 12使徒たち「おおっ!」
悪魔くん「黄金の天空“六芒星”!」
東嶽大帝「バ、バカな!?う、うぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
12使徒たち「おー!!」
こうもり猫「ありゃりゃ、東嶽大帝が」
メフィスト2世「やったぜー!ついに、東嶽大帝を倒したぞ!」
鳥乙女「とうとうやったのね、私たち!」
こうもり猫「やったぁ!やった、やった、やった、やったぁ!」
鳥乙女「百目ちゃん!?百目ちゃん、しっかりするのよ!」
百目「東嶽大帝を倒したんだモン、ボクたち…」
鳥乙女「そうよ、よくがんばったわ」 ヨナルデパズトーリ「東嶽大帝は宇宙の塵となって消えたのである。
もう二度と、甦ることはできないのである」 メフィスト老「悪魔くんが東嶽大帝を倒したんじゃからして、でかしたぞ、悪魔くん」 漢鐘離老人「やりましたな、ファウスト博士」
ファウスト博士「さすが悪魔くんじゃ」 鳥乙女「どうして、博士!?なぜ、みんなが別れなきゃいけないの!?」
ファウスト博士「君たちは、悪魔くんに協力し、見事12使徒の役目を果たした。
もはや一人前の、立派な悪魔に成長したのじゃ。
これからは、諸君も悪魔くんも、ユートピア実現のために、それぞれの出身地に戻り、
人間と悪魔が仲良く暮せる世界をつくると言う、大切な使命を果たすのじゃ。しっかりやるんじゃぞ」
百目「でもボク悪魔くんやみんなと別れるの、嫌だモン!」
鳥乙女「私だってそうだわ!」
幽子「私も…」
こうもり猫「あっしだって…もう勉強しなくて済むのは嬉しいけど、
このまま別れちゃうなんて寂し過ぎるじゃねぇかよ!ちくちょう!」
悪魔くん「僕だって…」
ピクシー「やだ、やだ、絶対嫌だー!」
メフィスト2世「みっともねぇぜ!それでもてめぇら、一人前の悪魔なのかよっ!?」
幽子「メフィスト2世さん…」
メフィスト2世「東嶽大帝を倒すことができたのは、悪魔くんや俺たちみんなの心が一つになったからだ!
そいつぁこれからも、たとえどんなことがあろうと、変わりはしねぇ!そうだろ、みんな?」
鳥乙女「えぇ…」
サシペレレ「うん…」
妖虎「うむ…」
幽子「うん…」
悪魔くん「うん…」 ファウスト博士「じゃ、元気でな」
悪魔くん「はい…!」
百目「悪魔くん…」
悪魔くん「百目。僕たちはどこにいても、いつも一緒だよ」
メフィスト2世「エッちゃんによろしくな、悪魔くん」
幽子「さようなら、悪魔くん…」
豆ユーレイたち「さようなら悪魔くんーゆーれいひー」
鳥乙女「さようなら、悪魔くん」
こうもり猫「お達者で!悪魔くん大先生、大明神!よっ、大統領!
最後のヨイショでやんすよっ!ヨイショッ、あ、ドッコイショッと!」
悪魔くん「元気でね、みんな!見えない学校、君にもさようなら!そして、ありがとう…!」 力 合わせたら 見た事ない パラダイスも
造れる
ほら 信じてよ 心の手つなごう
驚くよ 吹き上げる パワー
OH YES!
いつか 虹の橋 渡る 僕たち
輝く光あびて
OH YES!
勇気 あふれてく 胸が熱いよ
1人じゃないさ 君も
ラララ… 《フランス》
メフィスト2世「エッちゃん、ラーメン美味かったよ!」
《アフリカ》
ユルグ「美しい…」
《メキシコ》
ヨナルデパズトーリ「で、あるかしらして、そういうわけなんだわさ」
《日本》
幽子「ふふふ…」 《フランス》
第一使徒 メフィスト2世「エッちゃん、ラーメン美味かったよ!」
《アフリカ》
第二使徒 ユルグ「美しい…」
《メキシコ》
第三使徒 ヨナルデパズトーリ「で、あるかしらして、そういうわけなんだわさ」
《日本》
第四使徒 幽子「ふふふ…」 《ギリシャ》
第五使徒 ピクシー「ぬりぬり」
《日本》
第六使徒 百目「モーン!」
《中国》
第七使徒 妖虎「我が大地よ」
《ハワイ》
第八使徒 家獣「バウー!」 《インド》
第九使徒 象人「あー、ぞうもぞうも」
《ペルー》
第十使徒 鳥乙女「うふふ…」
《ブラジル》
第十一使徒 サシペレレ「竜巻大回転キーック!」
《イタリア》
第十二使徒 こうもり猫「シャレにもならないシャレコウベ、ヨイショッ!」 エツ子「お兄ちゃん…百目ちゃんやメフィスト2世さんとは、もう二度と会えないのかしら…」
悪魔くん「会えるさ。いつか悪魔と人間が、仲良く暮せるユートピアを築くことができたとき、きっと」
エツ子「うん…」 百目「悪魔くーん!」
悪魔くん「あ…!」
百目「悪魔くーん!」
悪魔くん「百目!?」
エツ子・貧太・情報屋・キリヒト「!」
百目「帰って来ちゃったモン」
悪魔くん「百目…」
百目「えへへ、だモン」
悪魔くん「こいつぅ!」
12使徒たち『悪魔くーん』『ヨイショッ!』『バウー!』
悪魔くん「みんな…!」 悪魔くん「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり!
夢よ、とどけ君の心に」
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