秋:豪炎寺くん 帰っちゃったみたいだね…。今日中に会うのはむずかしいかもしれないよ?
円:明日まで待つしかないのか…。なんだかスッキリしないな。こんな時はあそこに行ってみるか。
秋:あそこって?
円:そうだ 木野も行かないか?きっとおまえも気に入るぜ!
秋:え?円堂くん いったいどこに行くつもりなの?
円:いいから 楽しみにしてろって!とりあえず正門から外に出ようぜ!
 雷門校舎にそそぐ夕焼けの光。稲妻町に沈んでいく太陽。鉄塔。
円:さあ!目指すは この先の鉄塔だ!
秋:…鉄塔?あそこって何かあったっけ?
円:いいから いいから!いいもの見せてやるって!
 鉄塔下へ。
円:ここから 上にのぼれるんだ。さあついて来てくれ!
 鉄塔登る。茜色に染まる鉄塔と、眼下の町並。
秋:ここは…!
円:どうだ いいながめだろ!「大介のスゴ技特訓ノート」によるとここはオレのじいちゃんのとっておきの場所なんだ!
秋:へえ… そうなんだ…。それっていつも持ってるけど いったい何のノートなの?
円:これは オレのじいちゃんが残してくれたノートなんだ。じいちゃんが考えた特訓メニューやサッカーへの思いが書いてあるんだぜ。ほら木野にも見せてやるよ!
「大介のスゴ技特訓ノート」
円:見ろよ ここ!「ゼッタイシュート止める技その1!逆立ちし ゆびの力だけで毎日グラウンド100おうふく!」
「これこそダンプも止めるムテキの力ゴッドハンドだ!!」ってさ!だから言っただろ?これさえあれば1人でも練習できるって!
秋:ゴ ゴッドハンド…?それにその字…その…わたしには何て書いてるのかちょっと読めないけど…。
でもそんな技のことが書いてあるなんて すごいノートだね!さすが円堂くんのおじいちゃん!おじいちゃんともいっしょにサッカーしたりするの?
円:いいや。オレが生まれた時にはもうじいちゃんはいなかったんだ。このノートは天国からじいちゃんが届けてくれたんだってオレは思ってる。
このノートによるとじいちゃんはサッカーのことでなやんだらここに来るようにしてたんだって。だからオレも何かあった時はここに来るようにしてるんだ!
秋:そうなんだ…。円堂くんにとってこの場所はそんな意味があったんだね。円堂くんのサッカーへのアツい気持ち きっとカタチになるよ。豪炎寺くんが来てくれれば帝国ともいい試合ができるってわたし信じてるから。
円:ああ ありがとう 木野。明日からもよろしくな!
秋:ウン!こちらこそ!それじゃ今日はもう帰りましょ。そろそろ暗くなってきちゃったよ。